探検家、40歳の事情
「探検家、40歳の事情」角幡唯介 文芸春秋
探検家としての私も40歳を越え、妻の先導で家を買い、ローンに縛られることになった。
最初の章がこんな出だしなので、マイナスオーラの本かいなと怪しみながらページを繰りました。
そんなことはない。登山から全般にわたるのだが、主に北極界隈のことを語っている。
冒険家として、結構収入があるのだそうな。ローンなど怖くはないのだそうな。
高野秀行、佐藤健寿など、過酷な自然を追及する派閥もある。
丸山ゴンザレス・伊藤大輔など、スラム街をさまよう冒険家もいる。
戦場カメラマンなど、戦地に赴く派閥もある。
フリージャーナリストがイラク・シリアに向かうのも、需要があるからだと思います。
彼ら全部を、探検家、冒険家として括ってしまえば、活字・映像で求められるから行くのですよ。
発表の機会もなく、趣味・物好きだけで、金のかかる遠征を続けられるわけがない。
いつかは見返りがある、報酬がある、と信じて、アルバイトの稼ぎを冒険に注ぎ込むのでしょうね。
植村直己が死んだから、三浦雄一郎が歳をとったから、新しい冒険家・探検家が求められています。
ちゃんとしたマーケットが探検家・冒険家を求めています。
この本、くすぐりが豊富です。
サービス精神がハンパではない。
一般に、冒険家の本は読んで面白い。
苦しい事、ツライことはいっぱいあるのだと思いますよ。そこはサラッと書いてある。
面白エピソードを筆によりをかけて面白く仕上げてある。
探検家・冒険家は本を書くのに手を抜いてはいけないのです。
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