心置きなく、気の置けない人
心置きなくとは、何の心配もなく、そんな意味です。
気の置けない人とは、安心して打ち解けられる人。
これらは否定形でしか存在しない用例です。
その逆を考えてみましょう。
心置きある、気の置ける人
このような表現は存在しません。
たとえあったとしても、それは間違って使っている表現です。
似たような例にこんなのがあります。
あどけない、あじけない、かたじけない
あどけある、あじけある、かたじけある、これは変です。日本語になっていない。
この系統は否定形、肯定形のカテゴリーには馴染みません。
あどけなし、あじけなし、かたじけなし、これが古語での終止形です。基本形です。
あどけな、あじけな、かたじけな、が語幹です。
あどけ+なし、あじけ+なし、かたじけ+なし、こんなカタチではないのです。
こんなことをつらつら考えながら過ごしている今日この頃です。
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