11月に読んだ本
11月に読んだ本はこんな本でした。
2016年11月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2206ページ ナイス数:40ナイス
世界ナンバーワンの日本の小さな会社の感想 普通、この種の本は優秀な企業を幾つも並べるものだ。ベンチャーウィスキー、ソメスサドル、紹介している会社は2社だけだ。ベンチャーウィスキー、父親の会社は潰れたが、ウィスキーの樽を引き継いで、イチローズウィスキーのブランドを立ち上げて、アメリカのウィスキー専門誌で優秀の評価を勝ち取った。野球のイチローから名前を付けたのではない。社長の名前が肥土伊知郎、ここから来ているのだ。ソメスサドル、日本唯一の馬具メーカー、馬具だけでは市場が狭すぎる。カバンなどの皮革製品で浸透していった。社長が染谷昇、染の鞍、社名の由来は 読了日:11月29日 著者:山本聖
九十九藤の感想 お藤は口入屋に差配として乗り込んだ。口入れ稼業は武家屋敷への中間の斡旋で、全然儲かっていなかった。お藤の目途は商家に向いていた。商家の表は近江伊勢からの出身で占めていたが、裏は江戸の現地採用だった。そこへ、台所仕事から掃除仕事など、じゅうぶんに教え込んだ人材を送り込んだ。これが口入株組合には気に入らない。潰して取り込もうとしにくる。中間頭に黒羽の百蔵がいる。この男、過去の経緯があって、クライマックスに絡んでくる人物です。西条加奈のデビュー作は「金春屋ゴメス」、その奇作から堂々の本格へと変わって来たのだ。 読了日:11月25日 著者:西條奈加
五弁の秋花: みとや・お瑛仕入帖の感想 シリーズもので、前作に「ご破算で願いましては」がある。祭の人出が多くて、永代橋が崩れた。丁度、その橋を両親が渡っていて溺れて死んだ。店は潰れて、今は、[みとや]という全品三十八文均一の店を開いている。店番はお瑛、仕入れは兄の長太郎が仕切っている。小説新潮に不定期連載なんですよ。江戸気分が味わえる逸品です。なんでもかんでも38文、あぶりこかな網38文、枕、かんざし38文、はしからはしまで38文。これが売り口上。細かい商いです。吉原の花魁が職を引いて、近所に総菜屋を出店したり。幼なじみに妬まれて陥れられたり。 読了日:11月23日 著者:梶よう子
中国人の「財布の中身」 (詩想社新書)の感想 著者は19995年に突然中国に渡り、以来、そこで20年生活してきた女性です。日本企業で働いているのではない。中国のラジオ局で番組制作して給料を得ている。人民元で給料を得て、人民元で支払って生活しているのだ。読んでいて、一番常識が違うと思ったのが、中国では、アルバイトするのは普通のこと、むしろ雇用主のほうで配慮してくれなきゃ。通訳で雇っていた中国人が、休暇を取って、ライバル社の通訳に雇われていた。爆買い問題、リベート問題、割り勘問題、既に知ってるお話しです。中国で暮らして身近で見ているから感覚が伝わってくる 読了日:11月21日 著者:青樹明子
金鳥の夏はいかにして日本の夏になったのか?―――カッパと金の鶏の不思議な関係の感想 サブタイトルが、カッパと金の鶏の不思議な関係。金鳥の宣伝路線は2系列あります。一方は、金鳥の夏、日本の夏、落ち着いた正統派路線です。もう一方は、タンスにゴン、タンスにゴン、亭主元気で留守がいい、とか、カッパで着ぐるみ路線などです。正調と破調が重なり合いながら続いて行きます。もともと、金鳥の宣伝部は、二人で始まりました。四代目社長兼宣伝部長と平社員。ただいま現在は、五人います。それだけ業務繁多になったんですね。脚注があって、その時々のCMの写真が出ています。覚えているなぁ。まぁ懐かしいこと。金鳥はブランド名 読了日:11月18日 著者:金鳥宣伝部
探検家、40歳の事情 (Sports graphic Number books)の感想 探検家としての私も40歳を越え、妻の先導で家を買い、ローンに縛られることになった。最初の章がこんな出だしなので、マイナスオーラの本かいなと怪しみながらページを繰りました。そんなことはない。登山から全般にわたるのだが、主に北極界隈のことを語っている。冒険家として、結構収入があるのだそうな。高野秀行、佐藤健寿など、過酷な自然を追及する派閥もある。丸山ゴンザレス・伊藤大輔など、スラム街をさまよう冒険家もいる。戦場カメラマンなど、戦地に赴く派閥もある。フリージャーナリストがイラク・シリアに向かうのも需要があるから 読了日:11月15日 著者:角幡唯介
ゆけ、おりょうの感想 坂本龍馬の妻のおりょうの一代記です。小説になるのは、たいがい、夫の坂本龍馬のほうです。竜馬ではなく。おりょうのお話しというのがええなぁ。門井慶喜の筆致・書きっぷりは御存じでしょうか。いつもゆるゆるなんですよ。この本も極めてゆるゆるで、そこが気持ちがええなぁ。司馬遼太郎の「竜馬が行く」とは違った趣です。竜馬が暗殺されて、時は過ぎて、今は明治、横浜でテキヤのおっちゃんと所帯を持ちます。そこは、嘘か真か、門井慶喜、史実をなぞっているのか、お話しを創り出したのか。面白いお話しで、堪能しました。 読了日:11月12日 著者:門井慶喜
なぜ日本の「ご飯」は美味しいのか ~韓国人による日韓比較論~の感想 韓国人で、韓国人による恥韓論、~沈韓論、~黒韓史、~震韓論、~嘘韓論の著書。この本は、日本を旅行した時の見聞録。日本語によるブログを運営していて、そのブログから書籍に採録したものです。「なぜ日本の「ご飯」は美味しいのか」これは第2章、韓国のご飯より日本のご飯の方が美味しいそうです。それは、韓国は量を目指す栽培法で、日本では質を目指す栽培法、その差によるものだと見抜いています。日本を観光すると、韓国との比較になります。英語で敬具は、Sincerely yours、SincereLee、李さんという名前でした 読了日:11月8日 著者:シンシアリー
まったなしの感想 まんまことシリーズ。まんまこととは真真事、ほんとのほんとの意味です。ままごとじゃないよ。町名主の跡取りの二人がほんとのほんとを探るお話しです。十手取り縄に関わるお話しじゃない。世相のちょっとした掛け違いを直すお話しです。祭が寄進不足で出来なくなる。子犬が次々いなくなってボヤが立て続けに起きる。はしかが流行る。質屋が勘当された息子に食い物にされる。花嫁衣装が汚される。清十郎嫁取りを決心する。こんなお話しが六篇の短編集。いやぁ、どれもよく組み立てられたお話しで、洗練されている。出来栄えにはほとほと感心します。 読了日:11月5日 著者:畠中恵
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