2月に読んだ本
2月の読書メーター読んだ本の数:9読んだページ数:2672ナイス数:56
継続捜査ゼミの感想警察を退官して、今は女子大の教授に就職している。教授なので、ゼミを受け持つことになる。「刑事政策演習ゼミ」別名「継続捜査ゼミ」今捜査中の事件に触れるわけにはいかないし、過去の継続捜査の事件の中から拾ってくることにする。なんとまぁ、緩いお話し、あまり期待していなかったが、そこは今野敏、たちまち緊張感が漂ってきます。テーマは15年前の老夫婦殺人事件、空き巣に入って人がいたので居直って殺してしまった、そういう捜査本部の見立てです。肝心の継続捜査の殺人事件、ゼミの演習で犯人を特定します。大学での現実の事件もおまけ読了日:02月24日 著者:今野 敏
under the bridge (ハヤカワ・ミステリワールド)の感想前作に「over the edge」があります。前作は、現場が東京で、ニューヨーク市警のブラウンが出張して来て、濱崎が手助けした。今度は逆、現場はニューヨークで、ブラウンの仕事に、濱崎が無理やり喰い付いて行く。ニューヨーク・メッツが売りに出される。投資ファンドが何グループか群れる。そのファンドには日本のヤクザも出資している。警察小説だろうと読んでいたが、激しい銃撃戦となって驚く。堂場瞬一はスポーツに明るい。メジャーの事情にも精通しているみたい。ニューヨークをあちこち駆け回る。地下鉄にN線、R線が走っている読了日:02月22日 著者:堂場 瞬一
傍聞きの感想中篇4篇です。傍聞きはかたえぎきと読みます。[迷い箱]刑務所からの出所者が社会に習熟させるNPOの代表。[899]消防署の消防官。[傍聞き]刑事。[迷走]消防署の救急隊勤務。どれも制服ものです。迷い箱は制服ではないが、実態は制服ものです。制服は職務の性根をただし、一途に職務に邁進する姿が美しい。どれもありそうもないお話しだが、あれば美しいお話しだ。一番のお気に入りは[傍聞き]ここでの本当のヒロインは小学生なのです。傍聞きとは、直接伝えるのではなく、回り回って耳に届くこと。こんな言葉は知らなかったなぁ。読了日:02月18日 著者:長岡 弘樹
みやこさわぎ (お蔦さんの神楽坂日記)の感想お蔦さんの神楽坂日記シリーズの第3弾です。短編が7篇、それぞれ30ページ前後の分量で、どんどん読み継いで行けます。著者の作品で善人長屋シリーズがあるように、ここは現代の神楽坂ですが、江戸時代の長屋と気分はあんまりちがってはいない。どれもゆるいお話しなんですよ。他愛もない、と言ってしまってもよろしい。ところがね、この他愛もないところが心地よいのですよ。悪人がひとりも出てこない。心痛める切羽詰まったところがない。こういうところがええのです。お蔦さんとは望の祖母、望は高校生、滝本家は、男が料理を作るのが当たり前読了日:02月17日 著者:西條 奈加
これが広島弁じゃ!の感想見開き2ページ、あるいは3ページの読み捨てです。わたしは県北にいます。広島弁の地域差は福山と広島の違いはよく聞くが、南北の差は対象外です。地域差より世代差のほうが大きいのじゃないかしら。たちまち、ビール(たちまちとは取り敢えず)ばり、ぶち(veryの意味)わたしはこれらは使いません。はて、地域差かね、世代差かね。内容紹介じゃなかったね。内容紹介じゃなかったね。広島弁に関わる自分の述懐でした。読了日:02月16日 著者:
墓標なき街の感想百舌シリーズなんですがね、序章が1981年に出版されてる。それから数えて、2015年の出版、「墓標なき街」で7作目。その間、34年、シリーズ全部読んでいる。最初のころがどんなお話しか、もう忘れてしまった。どうやら百舌が生きているらしい。首の後ろのぼんのくぼを千枚通しで突き刺して殺す手口だ。北朝鮮へ武器輸出する、兵器をパーツばらばらに輸出して某国で組み立てる、そんな事件を追っている。登場人物は多いのに、一人一人、これは誰と判る書き分けにしてある。描写の腕は達者です。終幕は、これで終わる気配がない。さらに続編読了日:02月15日 著者:逢坂 剛
白衣の嘘の感想「教場」の代表されるように、著者の得意分野は警察だけかと思っていました。そうではなかった。医者の世界を描く短編6篇です。偽医者。交通事故で脚を切断。病院に忍び込む泥棒。手術ミス。病院内役職争い。刑事が入院患者。主役は医者たち、犯罪が絡むので、刑事がストーリーのサポートに出てきます。病院内、医者の内幕、著者はとても詳しい。病院関連の職業経験があったのかしら。病院、警察、両方の職業経験があるとはとても思えない。インタビューして、リサーチを重ねて得た知識なんでしょうね。その取材能力は凄い。空気感を醸し出している読了日:02月11日 著者:長岡 弘樹
深山の桜 (『このミス』大賞シリーズ)の感想陸上自衛隊の戦車の小説、「七四」を読んだが、その前作だ。小説を書き始めた一作目だ。舞台は南スーダン、PKOで自衛隊は南スーダンに派遣されている。最初は、自衛隊員の私物がなくなってその捜査から始まる。小銃弾が42発なくなった。これは本気で探さなきゃならない。東京市ヶ谷の中央警務隊から一等陸尉が派遣された。あとは怒涛の展開です。反政府軍が押し寄せてくる。戦車が狙っている。ストーリーを追うのは程々でよろしい。筋よりも情報を読み取るほうが面白い。最初は、小説を読んでいるはずだったが、ルポを読んでいる気分になってし読了日:02月08日 著者:神家 正成
【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)の感想著者は医師ではなくパラメディカルの経歴がある。浦安沿岸医療センターという病院がある。そこではがん患者の治癒率が高いと評判が高い。日本がんセンターに勤務する医師がいる。浦安センターに患者を紹介した。高校の同級生に損保会社勤務のものがいる。送られたがん患者のがんの症状が消えたと教えられる。がん保険で、リビングニーズ特約が付いている。がんで死ぬ前に、生きているうちに保険金を支払う方式なのだ。浦安沿岸医療センターでは、保険金を支払ったのに、がんが消えた患者が三人もいる。不思議だ、と相談される。活人事件なんですよ。読了日:02月03日 著者:岩木 一麻
読書メーター
« 自転車の軌跡を創作すること | トップページ | 財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済 »
コメント