四月に読んだ本
四月末から半月ほど入院していました。それで報告が遅れました。
4月の読書メーター読んだ本の数:6読んだページ数:2231ナイス数:39「茶の湯」の密室: 神田紅梅亭寄席物帳 (ミステリー・リーグ)の感想神田紅梅亭シリーズです。五年間音沙汰無しで、今回復活しました。寿笑亭福の助、二つ目から真打に昇進して、山桜亭馬伝、絶賛売り出し中です。中編ふたつ、「「茶の湯」の密室」「横浜の雪」独立した小説でもええし、前後編で連続した小説でもええ。「茶の湯」の密室は、ちょっとした密室仕立てなんです。わたし、密室ものは苦手でね、密室トリックは適当に読み流すことにしています。お話しの筋立てが入れ子入れ子になってましてね、落語の紙上採録もあるし、間違った展開もあるし、謎解きの展開もある。味付けがよろしいのです。くすぐりが随所に読了日:04月19日 著者:愛川 晶
芝浜謎噺―神田紅梅亭寄席物帳 (ミステリー・リーグ)の感想中編3篇です。「野ざらし死体遺棄事件」「芝浜謎噺」「試酒試」登場人物の面々は前作「道具屋殺人事件」と同じだから紹介は省略します。本の題名が「芝浜謎噺」だからここを中心に紹介を進めて行きます。落語の筋を語るのがひとつの線。おとうと弟子が「芝浜」を演る、演らなきゃならない破目になってしまった。おとうと弟子の出身は南房総です。そこで独演会を開くことになった。注文がついて「芝浜」をやれ、「芝浜」をやるなら独演会を開くのを許可してやる。あにさん、駆け出しの落語家がやれるように「初心者向けの芝浜」を伝授してください。読了日:04月18日 著者:愛川 晶
道具屋殺人事件──神田紅梅亭寄席物帳 [ミステリー・リーグ]の感想中編3篇です。「道具屋殺人事件」「らくだのサゲ」「勘定板の亀吉」落語家で二つ目、寿笑亭福の助、その妻、亮子、今の師匠の寿笑亭福遊、前の師匠の山桜亭馬春、神田紅梅亭のお席亭、主要人物はこんなところです。師匠が違うのは、前の師匠が脳血栓で倒れて、止むを得ず、別の師匠をお願いしたわけです。勘定板、らくだ、勘定板、どれも落語の題名です。事件が起きる、みんなが困る、前の師匠は房総半島の先の館山に転居してしまった。そこへ相談に行くと、解いてくれる。的確なヒントをくれる。安楽椅子探偵というのがあるが、正にそれ、ええとこ読了日:04月14日 著者:愛川 晶
茜の茶碗: 裏用心棒譚 (文芸書)の感想著者は、文庫本での書下ろしが多い。これは珍しいことにハードカバー。将軍家より賜った茶碗が紛失してしまった。探索せぇ、と命じられて、藩を放逐され、浪人となった。盗品を探すにはと、盗人の見張り用心棒を務めている。田沼意次が絡んでくる。大名にその茶碗を所望する。所望されれば、紛失した茶碗をどこからかでっち上げなければならない。これ、小宮山、なんとかせぇ。うまく運べば帰藩も叶おう。高禄で召し抱えようぞ。これからしっちゃかめっちゃかの展開になります。どんなしっちゃかめっちゃかか。そりゃ、そこは読んでみなくちゃ。読了日:04月11日 著者:上田 秀人
夜明けまで眠らないの感想久我は、今はタクシーの運転手をしているが、前はアフリカで傭兵をしていた。フランスの外人部隊にいて、軍事会社に移った。アンビア国で傭兵をしていたが、「ヌアン」というゲリラがいる。このグループは、夜、密かに忍んで来て、隣に寝ている傭兵の首を刈り切って持ち去る。夜になると、寝ずの歩哨を志願して、昼間に眠る習慣になった。退職して日本にいる。タクシーに客が携帯を忘れて行った。そこから巻き込まれる。アンビア国に絡み、「ヌアン」と対決する羽目になる。設定がベラボウ、それだけにむちゃくちゃ面白い。これ以外に傭兵の物語はあ読了日:04月05日 著者:大沢 在昌
罠に落ちろ: 影の探偵’87 (文芸書)の感想時代は1987年、携帯電話はない、自動車電話の時代、コンビニはない、コピー機は普及していない。連絡を取り合うことが難しい時代のお話しです。事務所も持たない影の探偵「影乃」、ちゃんと事務所を持っている探偵の唐渡美知子、この事件ではタイアップしている。美知子が受けたのは蔵主グループの会長からの依頼。影乃が受けたのは、父親を殺したのは誰かを突き止めること。両者がこんぐらかってお話しが続いて行きます。最後読み終わって、ははぁ、なるほど、と振り返れるが、読んでる最中は、これ、なんのこと。お話しの展開から置き去りにさ読了日:04月04日 著者:藤田 宜永
コメント