6月に読んだ本
6月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2954
ナイス数:74
江戸の家計簿 (宝島社新書)の感想
磯田道史の著書に「武士の家計簿」があります。当然、その延長線の本だと期待しますよね。なんだか違うぞ、磯田道史編著、とある。初出は、別冊宝島なんだそうです。編集プロダクションの作品なんですね。それを磯田道史が監修したものなんだ。ごく普通の内容だもの、よく知られていることの延長線にあるものだ。武士、町人、職人の収入を明かしてある。物価についても書いてあって、ふぅむ、なるほど。もともとがムック本だからね、磯田道史の風味を期待してはいけません。
読了日:06月29日 著者:
不発弾の感想
警視庁捜査二課の管理官が主人公です。まず、捜査二課から始まります。2015年から2016年にかけてのことです。1979年から始まる人生があります。久留米の炭鉱街から抜け出して兜町に就職した男がいます。場立ちから営業に転じて花形セールスになり、独立して、仕組み債のブローカーになります。仕組み債とは、損失を海外の銀行債に転換して、相場の上昇を待つ仕組みのことです。題名の不発弾、いつ爆発するかもしれない。そんな危険を孕んだ仕組み債なのです。東芝、オリンパス、ヤクルト、これらの損失隠し、別の名前で書いてありますが
読了日:06月23日 著者:相場英雄
錯迷の感想
鎌倉南署の署長が亡くなった。自殺らしいと噂が流れる。萩原は後任の署長に任命された。副署長の経験はあったが、署長を拝命したのは始めてだった。エリートを正面から描くのはなかなか無い構成だぞ。特命があって、前署長の死因を究明せよ、ということだった。赴任早々、殺人事件が起きる。副署長も刑事課もよそよそしい。何かを隠している。5年前の殺人事件の被害者と今回の事件の被害者は兄弟だった。鎌倉南署の闇が明らかになって行く。一気に引き付けます。次のページを読みたくなる。夜更けになろうとも、読み終わるまで寝たくありません。
読了日:06月19日 著者:堂場 瞬一
ねてもさめても とくし丸 移動スーパーここにありの感想
とくしまるという軽トラを使っての移動販売があるのは知っていました。徳島県、篤志、この言葉がキーワードの販売方法です。徳島ではなく、京都府丹後でやっている、はて、徳島以外でのフライチャンズの第一号なんだそうです。とくし丸の看板をしょって、地域スーパーのフクヤを拠点として、個人事業者として営業する。おばちゃんの軽トラ営業です。山あり谷あり、失敗もあるが、基本は明るい。実に、読んでいて楽しい。サクセスストーリーです。苦いからいお話しのどこが面白い。それでええのです。イラストが優秀、プロのデザイン会社です。
読了日:06月17日 著者:水口 美穂
犬の報酬の感想
タチ自動車で自動運転装置を公道実験しています。そこで、コントロールが効かなくなって、人身事故を起こした、と新聞社に密告があります。裏付けを取って、記事にします。総務は、内部告発があったものと見て、探索を始めます。新聞社側、総務側、両方の攻防が始まります。読んでいて、新聞社、内部告発側より総務側に肩入れしたくなります。社会正義は内部告発側にある。それでも応援したくなない。最後は、へぇぇ、と驚く結末になります。リコール隠しをした某自動車会社があります。読んでいて、どうしても、そこがモデルだと当て嵌めてしまう。
読了日:06月13日 著者:堂場 瞬一
真贋の感想
捜査3課のお話しなんですよ。捜査1課は殺人事件、捜査2課は経済犯、捜査3課はドロボウ相手。ダケ松、窃盗犯、故買屋、八つ屋長治、ダケ松に弟子が出来たらしい。茶碗で曜変天目、世界で三つしかない茶碗で国宝です。それが美術館を出てデパートで展示される。その茶碗が盗まれる、すり替えられるという噂が飛び交います。今展示中の茶碗は本物か偽物か、本物と自信を持って言える日もあるし、偽物かもしれないと弱気になる日もあります。窃盗と詐欺が入り混じって、捜査2課と捜査3課が一緒に事に当たります。すり替えの手口、いまいち納得でき
読了日:06月08日 著者:今野 敏
S&S探偵事務所 最終兵器は女王様の感想
「サイバー・コマンドー」の続編だそうなのだが、覚えていない。しのぶとスモモは探偵事務所を立ち上げた。IT専門の探偵事務所なのだ。第1話、SNSでのイジメを解決する件。第2話、パソコンがハッキングされた件。第3話、通信衛星会社の文書管理サーバーが乗っ取られて身代金を要求された件。第4話、病院のカルテがハッキングされた件。第5話、20年前、スモモの両親が拉致された件、その糸口がほぐれてきた件。最終話、しのぶとスモモが付け狙われていたが、その黒幕が判ってきた件。一話一話は探偵事務所の案件だが、底流には、スモモの
読了日:06月05日 著者:福田和代
回帰 警視庁強行班係・樋口顕の感想
某大学の近くで爆発があった。刑事と公安が乗り合いで指揮本部が立ち上がった。さらにテロ事件が起きることが予想される。捜査本部ではなく指揮本部が置かれることになるのだ。刑事のやりかたと公安のやりかたは大きく違う。公安を難じる語り口だろうと思って読み始めたが、そうではなかった。樋口たち刑事側も次第に公安に心を開いてくる。元刑事で、中東で動いている正体不明の男が絡んでくる。テロの実行側なのか、テロを防ぐ側なのかが判らない。警備・公安が主体の事件だが、刑事がどのように捜査に当たるのか、そんな具合にやるのかい。
読了日:06月04日 著者:今野 敏
ぷろぼのの感想
NPOで、本業でのスキルをボランティア活動に提供する組織なんです。そこへの登録者で、パシフィック電器の人事課勤務、リストラをしなきゃならないNPO参加者がいる。追い込み部屋、吊るし部屋に送り込んで、退職に追い込むやり方です。考え出したのは人事部長、これで4千人をリストラし、さらに3千人のリストラを予定しています。部下はたまったものじゃありません。ストレスにさいなまれています。NPOで涙ながらに訴えます。よろしい、その人事部長、成敗してやろうじゃありませんか。NPOの登録人材を駆使して、その部長をぼろぼろに
読了日:06月03日 著者:楡 周平
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