城をひとつ
「城をひとつ」伊東潤 新潮社
紀州から縁を頼って小田原の北条家の門をくぐった。
大藤信基は二十歳を過ぎた長男とまだ幼子の次男を伴っていた。
「城をひとつ、お取りすればよろしいか」
いずこでもご所望の城を取って進ぜましょう。
単身、城に入って城を取るというのだ。
これが「入込」の術、まんまとうまく運ぶのですよ。
江戸城を三月で落とせ、承りました、ほんまに城を落としました。
関東公方、関東管領がいます。これを追い払い、城を落としました。
越後から上杉輝虎が関東を犯しに来る。翻弄しました。
豊臣秀吉がやってくる。秀吉は翻弄できないが、織田信勝を翻弄しました。
大藤家、何代かに渡って、「入込」の術で裏の仕業を果たしました。
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