食堂のおばちゃん
「食堂のおばちゃん」山口恵以子 角川春樹事務所
正に、食堂のおばちゃんのお話しなんですよ。
お姑さんが一一子、おばちゃんが一二三、それぞれ、にのまえいちこ、にのまえふみ、と読みます。
店の名前は、にのまえ食堂ではない、はじめ食堂、東京佃の下町に店はある。
おばあちゃんの亭主が洋食屋を始めて、脳梗塞で亡くなって、息子が店を継いで、洋食屋から家庭料理の食堂に変えたものなのだ。
その息子も脳梗塞で亡くなって、お姑さんとおばちゃんとで店を切り盛りしているのだ。
ここまでが前史、ここからお話しを始めています。
五話の短編から成り立っています。
どれも人情噺、NHKの朝の連続ドラマを見ている気分になります。
悪い人は出ない。いや、出るけど、香辛料程度、本筋を揺るがすほどのもんじゃありません。
常連の客も、何度も出て来るから、段々と馴染みになって来る。
お話しの筋を追っていく読み方じゃないのです。
なんとなく雰囲気に浸りながら読み進めていけばええお話しなんです。
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