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2017年10月 2日 (月)

9月に読んだ本

9月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1673
ナイス数:68

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。感想
日本鳥類学会の会員は1200人、へぇぇ、昆虫学会や恐竜学会と比べて多いのやら、少ないのやら。東大を出て東大の大学院を出て、国立研究開発法人森林総合研究所主任研究員をやっている。国家公務員の試験をパスしたのだそうな。この本はむちゃくちゃ諧謔とくすぐりが多い。ただいま44歳だから、中年の智慧と若者の感覚を持ち合わせている。両方カバーできるものね。あんまりギャグが過ぎると下品になるもんだが、そこは心配ない。読む側も、諧謔くすぐりをキャッチする素養がないと、読んでも面白くない。題名もくすぐりだよ。レトリックだよ。
読了日:09月30日 著者:川上 和人

 

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書 517)「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書 517)感想
司馬史観と呼ばれ、日本人の歴史観に大きな影響を与えています。歴史家は司馬史観を無視するのが通常です。磯田道史は、その司馬史観を解き明かします。読んでいて、これは司馬遼太郎の著述のままか、磯田道史の解釈敷衍なのか、分けて書いてはありません。そのへんは、新書本なので、学術書のような厳密さは要求されないからでしょうね。戦国時代、幕末、明治、とわけて、代表作を紹介しています。司馬遼太郎が真に語りたいのに、小説に書かなかった。「この国のかたち」とエッセイに書いた。昭和の軍部の時代を鬼胎の時代と表現している。キモです
読了日:09月23日 著者:磯田 道史

 

サーベル警視庁サーベル警視庁感想
日露戦争当時の警視庁です。人が殺されていました。殺されたのは帝大文科大学の教員のようです。さらに、陸軍の高級士官も殺された。また殺しがあって、富山の薬売りが殺された。警視庁の上司・同僚・下僚、大勢出てくるが、口調・話し方で誰がしゃべっているか判る。うまいこと書き分けています。黒猫先生という名で夏目漱石がでてきたり、新選組隊長の斎藤一、元老の山縣有朋も出て来る。明治の当時は、警察は内務省に管轄され、内務省は元老の山縣有朋の影響下にあり、山縣は軍隊にも影響を及ぼしていました。そういう背景にこの小説はあります。
読了日:09月18日 著者:今野敏

 

刑罰0号 (文芸書)刑罰0号 (文芸書)感想
マッドサイエンティストのお話しです。夢をコントロールできる、これがお話しの発端です。たいてい、小説は同化作用を与えるものですが、これは違う。ものすごい異化作用を与えます。連作の小説ですが、最初の篇がすごい。犯罪者に罰を与えるのに、脳に電極からデータを送り込みます。被害者の感情を電極を通して、脳に記憶を埋め込むのだから衝撃です。アンチ反核運動の最初の伏線は見事に回収されます。そのための伏線だったのかい。マッドサイエンティストは狂っていたんじゃなかった。読んでいて、異化、異化、最後に同化。やっと解放された。
読了日:09月16日 著者:西條 奈加

 

沈黙法廷沈黙法廷感想
佐々木譲とは、警察小説、警官小説で通っています。小杉健治の法廷小説、裁判小説を読んでいるような気がしてきます。赤羽で初老の小金持ちが殺された。家事代行の女を追っていたが、接触する寸前で埼玉県警にさらわれた。同様に初老の資産家の殺人事件の容疑者なのだ。埼玉検察庁は処分保留で釈放した。赤羽警察署は釈放後に逮捕した。起訴して裁判に持ち込んだ。後半半分は法廷でのやりとりになります。びっしりと会話ばかりです。会話と言っても、法廷でのやりとりですがね。で、判決は?そこはここでは明かせない。
読了日:09月05日 著者:佐々木 譲

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