隠居すごろく
「隠居すごろく」西條奈加 角川書店
嶋屋徳兵衛は隠居した。
店は中山道の巣鴨町にあり、隠居屋敷は巣鴨村にあり、程よい距離を隔てている。
隠居してしばらく、孫の千代太が遊びにきた。
その度に、犬を拾ってくる、猫を拾ってくる。とうとう垢だらけの子供を拾ってきた。
それが縁で、長屋の子供たちの世話をするようになり、世話する子供の数も増えてくる。
子供の母親が組紐の職人であることを知り、生計の道を助けるため、組紐の仕事を与えた。
すごろくの目が増える度に、子供たちの数が増えてくる。
孫の千代太の知恵で、王子権現金輪寺の境内で子供芝居をすることを図る。
評判が上がったり、やくざが稼ぎに横槍を入れたり、寺社奉行の手の者に邪魔をされたり、いろいろある。
もともとは公明新聞に連載のものです。悪い結末になるはずもない。ハッピーエンドです。
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