マジカルグランマ
「マジカルグランマ」柚木麻子 朝日新聞出版
[正子、おおいに嫌われる][正子、ものを売る][正子、またセクハラされる][正子、お化けになる][正子、虹の彼方へ]
連作中編5篇です。
正子は、75歳を過ぎた老女、夫は映画監督で、長いこと、同じ屋敷内で別棟で暮らしていました。
家庭内別居だから、夫が死んでいるのに気が付かなかった。
死んだ監督を訪ねて、若い女が家に転がり込んで来ます。
ヒロイン正子も若い女も印象が悪い。どっちも感情移入することなどできない。
読み続けて、段々と、悪印象が消えていきます。
ハイライトは、古い屋敷をお化け屋敷に仕立てて、入場料を取る仕事。
これが当たるのです。
最後の篇で、虹の彼方へ、正子は当然死ぬだろうと予測しますよね。
予定調和は大外れ、ハリウッドから仕事のオファーがやってきます。
読み始めて、最初はニガニガ顔で読んでいたのが、途中でニコニコ顔になり、最後は、へぇ、そんな結末かい、ビックリ顔になります。
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