対岸の家事
「対岸の家事」朱野帰子(あけのかえるこ) 講談社
対岸の家事は、もちろん対岸の火事の皮肉です。
プロローグエピローグ込めて9話の構成です。
一話ごとにヒロインが違うので、そういう短編集かと思った。
違った、主婦についての考察でした。
ヒロインは村上詩織、主婦です。
今や、通りを歩いても専業主婦に出会うことはない。
みんなワーキングマザーです。
そのことで見下されたり、うらやましがられたり、ポストに投書があった。
主婦は社会のお荷物です、この世から消えてしまえ。
恨まれてさえいる。
それでも、ヒロイン詩織は次々と人と知り合い、和ませていく。
巻頭から巻末までええ話しです。
でも、詩織だからうまくやり過ごせた、ということもある。
子育てに疲れ果てて、窓から身を投げてしまう人が多いだろうと思う。
ハッピーエンドなんですが、すれすれのハッピーエンドなんです。
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