6月に読んだ本
6月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1937
ナイス数:76キッドの感想
相場英雄は経済小説を得意にしていますが、政治小説、諜報小説、達者じゃありませんか。キッドとは何か、巻末の7、8割の頃に明かされる。主人公は城戸、傭兵時代のコードネームがKIDだったのだ。城戸は優秀な自衛隊員、突然退職して傭兵になった。傭兵も引退して、香港でカメラ屋を装ってボディガードをしている。ガードしている中国人社長が射殺された。公安の捜査が迫って来る。新聞記者とタイアップして謎を追うことにする。警察庁の上層部が介入してくる。城戸が退職するには、何かの事情があったらしい。そこを中心に物語が進んで行く。
読了日:06月29日 著者:相場 英雄
マジカルグランマの感想
正子は、75歳を過ぎた老女、夫は映画監督で、長いこと同じ屋敷内で別棟で暮らしていました。家庭内別居だから、夫が死んでいるのに気が付かなかった。死んだ監督を訪ねて、若い女が家に転がり込んで来ます。ヒロイン正子も若い女も印象が悪い。どっちも感情移入することなどできない。読み続けて、段々と、悪印象が消えていきます。ハイライトは、古い屋敷をお化け屋敷に仕立てて、入場料を取る仕事。これが当たるのです。最後の篇で、虹の彼方へ、正子は当然死ぬだろうと予測しますよね。予定調和は大外れ、ハリウッドから仕事のオファーがやって
読了日:06月22日 著者:柚木 麻子
帝国ホテル建築物語の感想
帝国ホテルの新館は、設計監理はライト、支配人は林愛作、重役の筆頭は大倉財閥の大倉喜八郎。ライトの補助に遠藤新が就いた。工事が難航したり、地震が相次ぎ、火事で旧館が焼け落ちたり、ホテル存亡の危機が迫る。ライトが国に帰り、重役は全員退職、支配人も退職する。若手が引き継ぎ、ライト新館は完成する。関東大震災で東京は壊滅し、ライト新館は地震に耐え、名を挙げる。プルローグとエピローグで、明治村にライト新館を移転することが語られている。帝国ホテルの改築改装で、ライト新館が破壊されるところだったのを、寸前で救い出したのだ
読了日:06月15日 著者:植松三十里
指揮権発動の感想
アフガニスタンで日本人3人が殺された。その捜査で、検事、警視庁公安、警視庁捜1が派遣された。殺されたのはODA案件を扱うコンサルタントの社員だった。調べて行くうち、外務省管轄のODA、キックバックされて日本の政界に還流されているのが見えてきた。CIAが絡んでタリバンに流れている気配もある。477ページの本文で、377ページから舞台が日本に移ってきた。これから首謀を暴く。外務省高官で国会議員に転じ、今は党の総務会長の領袖を逮捕した。指揮権が発動された。指揮権発動を覆す手を考えなきゃならない。そうするにはどう
読了日:06月11日 著者:笹本 稜平
永田町 小町バトルの感想
現役キャバクラ嬢が衆議院議員に当選した。野党の議員なのだ。同期の当選者に世襲議員がいる。与党の当選者。二人は女流議員として対立することを約束されている。ヒロインキャバクラ議員の狙いは子ども政策、NPO法人夜間託児所を運営している。少子化、子どもの貧困、離婚家庭、未婚の母などをカバーする法案を纏めようとしている。あの西條奈加が、政治の中心、国会議員の世界を描くとは驚いたな。最初は、コミカルな小説かと思ったのですよ。違った、真正面からの社会派小説じゃりませんか。むちゃくちゃ啓蒙されたな、問題の本質に納得しま
読了日:06月03日 著者:西條 奈加
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