剣樹抄
「剣樹抄」冲方丁 文芸春秋
時は江戸初期、島原の乱、由井正雪の乱が終了した頃。
戦国の気風がまだ残っているころのことです。
徳川光圀、まだ世子の身分で、自由に動けるころのこと。
東海寺に異能ある子どもを集めて拾人組として、世間の探索をやっています。
徳川光圀はその拾人組の目付け役をしています。
そこに拾われたのが、まだ少年、了介=りょうすけといい、棒を使う達者ものです。
江戸を火の海にする極楽組一味がいます。
幕府番士の先手組は拾人組の手を借りて、極楽組の探索にあたります。
世相講談なんですよ、なんぼでも話を広げられる。
拾人組の子どもの一人にハイライトを当ててもええ。
極楽組の誰かを捕えて、そこにハイライトを当ててもええ。
「天地明察」で世に出、「光圀伝」で徳川光圀の正史を書きましたが
「剣樹抄」では光圀の稗史を書いています。
そうそう、「剣樹抄」の題名の意味は、地獄図です。柳の葉っぱが刃になり、次々に襲いかかるさま。
了介=りょうすけの棒術の稽古の時、そういうシチュエーションを当てています。
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