覆面作家
「覆面作家」大沢在昌 講談社
8篇の短編集です。
主人公は自分、大沢在昌です。
身辺雑記ですが、ありそうな話だが、これは創作だな、虚実入り混じったお話しだなとわかります。
日が暮れて、夜の街に飲みに行って出会ったお話しだったり
学生時代の友人にばったり出会って、その身に降り掛かったお話しだったり
大沢在昌のいつものストーリーテリングの調子はありません。
文壇私小説の世界のようで、読みながら、どこか勝手が違うぞ、大沢在昌ではないみたい。
短編集主題の「覆面作家」ですが、覆面作家の裏にさらに覆面作家がいるのです。
このへんは、いつもの伏線を撒き、回収していくいつもの大沢在昌ではあります。
思わず知らず、出てくる本音
図書館で講演を依頼されます。
ほんとは図書館は嫌いだ。
一冊を何人もで読むなよ。
独り一冊づつ買ってくれる方がありがたい。
なんぼ図書館で人気のある作家だとしても、何十人も何百人も予約して待機するなよ。
予約を解約して本屋で本を買ってくれよ。
それが偽らざる本音でしょうね。
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