「動乱の刑事」堂場瞬一 講談社
「焦土の刑事」「動乱の刑事」「沃野の刑事」の三部作です。
シリーズの中で、言いたいことはこの篇にある。
世田谷区の周辺で警察の派出所が爆発した。二人死んだ。
高峰は捜査一課、海老沢は公安、それぞれの立場で捜査に出動した。
時代はGHQが撤退して、日本が独立を取り戻すころ。
途中をすっ飛ばして結論を言うと
公安が共産党などの台頭を恐れて、自作自演で派出所を爆発した。
これを機に、高峰は国民を守り、海老沢は国家を守る、決意を固めた。
戦前の特高から脈々と流れる公安の血統、三部作はそこを書いている。
読後感は、読み終わったカタルシスはない。肚の中に沈殿物が残る。



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