6月に読んだ本
6月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1261
ナイス数:41動乱の刑事の感想
「焦土の刑事」「動乱の刑事」「沃野の刑事」の三部作です。シリーズの中で、言いたいことはこの篇にある。世田谷区の周辺で警察の派出所が爆発した。二人死んだ。高峰は捜査一課、海老沢は公安、それぞれの立場で捜査に出動した。時代はGHQが撤退して、日本が独立を取り戻すころ。途中をすっ飛ばして結論を言うと、公安が共産党などの台頭を恐れて、自作自演で派出所を爆発した。これを機に、高峰は国民を守り、海老沢は国家を守る、決意を固めた。小学校からの友達は終った。戦前の特高から脈々と流れる公安の血統、三部作はそこを書いている。
読了日:06月24日 著者:堂場瞬一
沃野の刑事の感想
「焦土の刑事」「動乱の刑事」「沃野の刑事」の三部作。「動乱の刑事」は未読。高峰:捜査一課の管理官。海老沢:公安の管理官。小嶋:週刊誌の編集長。この三人は小学校の同級生なのだ。小嶋の息子が自殺した。不審に思って事件に首を突っ込む。学生運動の逮捕歴があるということで、海老沢も捜査に引き込む。もっと裏があるらしい。自衛隊の戦闘機の契約が関わることが浮かび上がってくる。中心人物は、警察OBの代議士。公安畑の出身。高峰と海老沢の間には、警察の認識に違いがある。個人を守る警察か、国家を守る警察か。三人とも定年が近い。
読了日:06月21日 著者:堂場 瞬一
桃源の感想
大阪府警泉尾署刑事課捜査二係、新垣、相棒は上坂。どっちも年齢は三十台後半。頼母子講、無尽、座元が無尽の金を持ち逃げした。沖縄へ逃げたらしい。追いかけて、沈没船の財宝が関係すると判明する。トレジャーハンター、沈没船引き上げの出資を募っての詐欺なのだ。関係者を追っているうち、姿が消えた者がいる。殺されたのじゃなかろうか。二係は経済犯担当、オレオレ詐欺などを追うのが通常なのだが、殺人事件を引き当てた。いつもは、刑事のお話しでも、悪徳刑事、汚れ刑事ばっかり小説にしているのだが、今回は、極めて働き者の刑事で、そこが
読了日:06月15日 著者:黒川 博行
暗約領域 新宿鮫11の感想
新宿署の課長が変わる。桃井課長の殉職を経て、女性の課長が赴任する。新しく相棒が着任してくる。鮫島と新課長の衝突がある。お互い仕事の仕方が違うのだ。新しい相棒は公安から付け人だった。これはシリーズ12作目のネタフリかな。事件はインフルエンザの特効薬のタミフルだ。百万人分のタミフルを北朝鮮に運ぶ。公安が仕掛けたのだ。薬品と引き換えに情報を得ること。祖国を失ったヤカラがうごめくが、事情は汲み取れるが、同情はできないね。暗約領域、意味ありげだが、どういうことなんだろう。暗約とは秘密の約束のこと?暗躍の言い換え?
読了日:06月09日 著者:大沢 在昌
読書メーター
« 笑わす 笑かす | トップページ | 決戦!広島城 天下大乱の火種を消すべし »
コメント