7月に読んだ本
7月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2502
ナイス数:48いも殿さまの感想
旗本の井戸平左衛門、勘定方から石見銀山の代官を命じられた。着任すると、田畑は不作で飢饉にあえいでいる。唐芋に頼ろう。藤十郎、薩摩で芋を手に入れてくれ。用人の藤十郎、奉行所手代の金三郎、修行僧の泰永、この三人で薩摩に芋を求めに行く。薩摩から芋は持ち出し禁止、手に入れて持ち出すまでがハイライトなのですよ。持ち帰った種芋がちゃんと収穫できるまでには、まだまだ程遠い。飢饉は進み、平左衛門は代官所の米蔵を開いて百姓に開放する。当然、罪に問われます。罪に問われるが、石見では、いも殿さま、いも代官さま、とあがめられる。
読了日:07月26日 著者:土橋 章宏
シンドローム(下)の感想
上巻は原発が徐々にメルトダウンして行く経過が大部分なので読むのがしんどい。下巻はハゲタカの本領発揮です。原発大事故で株価は暴落、買い進めていって、40%を越える。政権は首都電力の国有化を企てている。鷲津はTPO(株式公開買付)を宣言した。鷲津は首都電力を奪い取った。すごいね。電力会社を個人が買い占めてしまった。株式公開しているんだからね、買い占めが嫌だったら、上場なんかしなきゃええのだ。いかにもハゲタカが悪いように見えるでしょ。そうではない。時の総理の無能ぶりが明らかになる。首都電会長の保身のドタバタが明
読了日:07月24日 著者:真山仁
シンドローム(上)の感想
ハゲタカファンド鷲津政彦のお話です。宮城県沖で地震が発生し、大津波で東日本沿岸は大被害を受けた。原子力発電所の電源が津波で浸水し、原子炉は停止した。時の総理は古谷総理大臣、保守党から政権を奪って立てた政権なのだ。誰がモデルかは分かるでしょ。この総理、めちゃくちゃ無能です。そう書いてある。かんしゃく持ちで、思い込みが強くて、他人の意見を聞かない。鷲津は前々から首都電力の株を仕込んでいた。20%程度。電発事故で株価は暴落した。鷲津は株を買い増していった。2、3ページ毎にシーンは変わっていく。映画のシナリオのよ
読了日:07月23日 著者:真山仁
わかれ縁の感想
絵乃は雨の日に若者に突き当たって転んだ。絵乃は事情を抱えていた。浮気を重ねて借金も重ねる亭主と別れたい。若者は公事宿(くじやど)の手代なのだ。絵乃は離縁の公事を頼み込んだ。折よく、公事宿に雇ってもらった。公事宿とは、現代の弁護士というか司法書士というか、訴訟の案内人なのだ。土地の境界の争い、相続の争い、離縁の争い、訴訟は今も昔も変わりません。いろんな離縁の訴訟があります。それが一つ一つの章になる。最後に、自分の離縁の公事、自分で見事に裁きを付けます。どうやったのか、そこは自分で読んでくれなきゃ。
読了日:07月12日 著者:西條 奈加
大学教授が、「研究だけ」していると思ったら、大間違いだ! 「不人気学科教授」奮闘記の感想
へぇぇと驚いたこと、大学から高校生予備校生に売り込みに行っていること。入試の競争倍率が2以下、1.9とか1.5とかになるのを恐れている。いずれその専攻科目が消滅する兆しなんです。そのために、模擬講義・進路講演会を高校で行う。さらにびっくり、化学英語の講座を提唱し、担当しているのが本人なのだ。論文を英語で書くようにできること、英語の論文を読めること。それ以前に、日本語の論文を、日本語として通用するように添削すること。大学は法人化し、運営する金は自分で掻き集めなければならない。研究の成果を上げなけれならない。
読了日:07月11日 著者:斎藤恭一
うめ婆行状記 (朝日文庫)の感想
うめは酢・醤油問屋の娘から北町奉行同心の家に嫁いだ。家のやりくりには苦労した。嫁に行った妹が実家に口出しするのが苦労だった。いや、たかりに来るのだ。子供が誰も所帯を持ち、夫が亡くなった。わたしはこの家を出ます。気ままに過ごすことにします。そんなわけにもいかなくなった。実家の兄夫婦の長男が子供を預かってくれと持ち込んだ。まだ嫁を貰ってはいないが、外で産ませた子なのだ。これは一肌脱がねばなるまいて。ハッピーエンドなのだが、尻切れトンボの終わり方。筆者がガンで亡くなったのだ。最後まで書ききれなかったのだ。
読了日:07月08日 著者:宇江佐 真理
チームⅢの感想
「チーム」は箱根駅伝での学連選抜での戦い。「チームII」は社会人マラソン、学連選抜で戦ったメンバーが山城をサポートする。「チームIII」は引退後の山城が若い日向をサポートする。山城は見抜いた。日向は常に余力を残してレースを終える。枠を壊さないと、こいつは大成しない。大崎上島での最初の合宿は日向が逃げ出した。後がないことを悟った日向は再び大崎上島での合宿を志願した。ハッピーエンドです。トレーニングはかなり常識を超えていた。そういうところが、読んでいて心躍ります。学連選抜のメンバーが今なおサポートし続ける。
読了日:07月06日 著者:堂場 瞬一
決戦! 広島城 天下大乱の火種を消すべしの感想
福島正則の広島藩、水害の補修を口実にして城の大改造をしている。届なしの補修じゃ、徳川秀忠は軽んじられていると怒った。正則は江戸出府の折り、世子は伏見城に詰める折り、幽閉した。広島城では主戦論が主流で、籠城して幕府と一戦に及ぶと決した。幕府の上使と広島城の名代が音戸の瀬戸で談判に及んだ。歴史上では、開城と決まっているわけですよ。どのような経緯でそう取り決めたのか、実際の城の受け渡しはどうだったのか。江戸城開城以外でこんなお話しは読んだことがない。興味津々、次のぺーではどう展開するのか、一気に読み通しました。
読了日:07月02日 著者:松永 弘高
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