わが殿 下
「わが殿 下」畠中恵 文芸春秋
内山七郎右衛門は九万両の借金の返済のめどが立った。
銅山の新鉱脈、借り替えして金利を引き下げること。藩の商店大野屋で産物を売ったがためなのだ。
ペリーがやってきた。開国した。
その折から、大野屋は藩の船を造り、蝦夷地交易に乗り出した。
様式軍隊を編成し、その金は、どんとお任せあれ。
時代に乗り遅れるヤカラはいるものです。
下士は機敏に波に乗らざるをえないが、上士は時勢の変化についていけない。
ねたまれました。堀に突き落とされ、城で討ち取られる寸前となる。
ハッピーエンドです。
ハッピーエンドですが、大政奉還の手前でのハッピーエンドです。
藩の債務を踏み倒さなかったのは、塩田で潤っている某藩と大野藩だけだったそうです。
地方新聞連合の連載です。福井新聞もその中にありました。
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