7月に読んだ本
7月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:1719
ナイス数:94
わたし、定時で帰ります。―ライジング―の感想
表紙が凄い、一万円札が乱舞している。この巻は給料のお話しです。東山舞衣は末端の管理職になった。部下の残業申請が多い。残業するほどの仕事量じゃないのにな。生活残業なのだ。給料が安いから残業手当で補っているのだ。恋人の種田晃太郎は仙台支店に応援に行ったまま帰ってこない。仙台支店のテコ入れに行っているのだ。ヒロインは残業せずに定時で帰る。残業手当を部下の本給に繰り込んでちゃんと生活できるようにしてやりたいな。業務改善提案書に取り掛かる。仰天する提案が始まった。三作目から読み始めると損します。前作、前々作から読む
読了日:07月31日 著者:朱野帰子
絶滅危惧個人商店 (単行本)の感想
雑誌連載の商店街聞き込み雑記。ト書きが地の文・会話文に混然一体と混ざっている。タイトルが、大田区梅屋敷の青果店「越後屋」「父には死ぬまで働いてもらいますよ」台東区の「金星堂洋品店」「(よく売れるのは)カストロとベトコンですね」などなど、インタビュアーは若いのかと思いきや、アラ還のベテランだった。やはり、インタビューするのではなく、聞き込むことなんだろうなぁ。分量は、毎回ほぼ12ページ、挿絵のイラストがええ味を出している。絶滅危惧とは失礼だが、ほんとに絶滅が危惧されるのもあり、隆々と栄えている個人商店もある
読了日:07月24日 著者:井上 理津子
アフリカ出身 サコ学長、日本を語るの感想
ウスビ・サコ、生まれはアフリカ、サハラ西のマリ共和国、フランス文化、イスラム教、マリ伝統文化の国です。高校まではフランス式私学で学び、中国に留学。京都大学大学院に入学、建築学を学ぶ。博士号取得。大学院を出るにあたり、誰かにコネ付けしてもらうのは嫌だなぁ。京都精華大学人文学部専任講師に職を得る。支持を得て、学長に当選する。日本の教育は「型に嵌める」事だと指摘する。マリでは自由に育った。自由ということをもっと考えてほしいと語る。学長に就任し、改革に励んでいる。文科省から指令があるが、押し返すことも厭わない。
読了日:07月20日 著者:ウスビ・サコ
雪に撃つ 北海道警察の感想
道警裏金問題で冷や飯を食わされている、佐伯宏一、新宮昌樹、小島百合、津久井卓。巻頭は、ベトナム人の技能実習生が脱走するところから始まる。札幌雪祭りが始まる、前日か前々日ころ。自動車が盗まれる、佐伯・新宮が担当する。札幌市内でピストル射撃事件が発生、津久井が担当。女子校生がが家出する。小島が担当する。発砲現場近くにNPO法人がある。外国人救済が目的らしい。佐伯たちは彼らの活動の一端を目にするが、目をつむることにする。犯人は検挙されるが、技能実習生には利権が絡む。政治家、大臣クラスが関与するので、深掘りは拒否
読了日:07月19日 著者:佐々木譲
背中の蜘蛛の感想
あの誉田哲也だもの、背中の蜘蛛とは、ヤクザの入れ墨のことだろう。違った、全然見当違い。警察庁本庁のサーバーだった。名前がスパイダー、腕を伸ばしてデータを集める。集めたデータを統合して筋を書く。第1部が主人公登場、この人が主人公だよ。第2部、犯人側登場、最初は他愛のないお話しなのだ。第3部になって意味が明らかになる。第3部、見かけ上、犯人は捕まります。これからどうするんだよ。このまま警察は国民の観察・監視を続けるのかい。今までの誉田哲也は、爽やか誉田哲也と血まみれ誉田哲也がありました。そうじゃない誉田哲也が
読了日:07月14日 著者:誉田 哲也
壬申の乱と関ヶ原の戦い――なぜ同じ場所で戦われたのか (祥伝社新書)の感想
不破の関、青野ヶ原、関ケ原、この三つはほぼ同一か、ごく近隣にある。歴史学界でこの共通点を指摘したのは著者が最初なのだそうだ。壬申の乱、大海人皇子は東から不破の関を突破して勝利する。南北朝時代、青野ヶ原で南朝の侵入を北朝が防いだ。関ケ原、家康の覇権が確立した。壬申の乱の意味、外交を閉ざして内政に専念した。青野ヶ原、南朝が滅んで北朝が優位に立つ、朝廷を押さえて室町幕府が立つ。関ケ原、時と場合によっては徳川が負けたかもしれなかった。それを押し切った。正直、古代、中世には興味がわかない。関ケ原にはすごく関心がある
読了日:07月11日 著者:本郷 和人
本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦の感想
礫(つぶて)丈一郎は鉄砲百人組に属し、伊賀組の同心なのだ。父徳右衛門はまだ隠居することなく、丈一郎は部屋住みの身分だ。伊賀組はつつじで知られており、俸禄が少ないのをつつじの売り上げで補っているのだ。他愛もないお話が続くが、それ、そこは幕末、動き出す前兆があるのだ。その他愛もないお話がええのです。そうか、御家人の暮らしはそういうことなのか。大小腰に手挟んでいても、旗本と御家人とはやはり違うのか。ちょっと脱線します。戦国の世では足軽小者と武士とは大きく違いました。鉄砲同心と呼びますが、時代が時代なら、鉄砲足軽
読了日:07月08日 著者:梶 よう子
大連合の感想
鳥屋野高校野球部は監督のパワハラ問題で部員が大勢退部し、数人しか残らなかった。成南高校野球部はバスが事故を起こして大多数が負傷し、無事な部員は数人しか残っていない。鳥屋野のキャッチャー尾沢は成南のピッチャー里田に連合チームを組むことを申し入れた。尾沢と里田は同じ中学の野球部員だったのだ。少年ジャンプのスローガンは「友情・努力・勝利」そのノリで進んでいく。連合チームで甲子園に出るのだ。それは実現するのか。新潟県予選、初戦勝利、次も勝利。次は、次は。テレビ中継を見るように、試合の息継ぎが伝わってくる。
読了日:07月07日 著者:堂場 瞬一
タクジョ!の感想
タクジョとはタクシー女子を指す。四大新卒でタクシー会社に就職した。事務職希望ではなく、タクシー乗務を希望して入社したのだ。働き甲斐が毎日目に見えて現れることに満足している。毎日毎日、さしたる事件があるわけではない。起承転結はあるが、緩い起伏なのだ。結婚話もある。タクシーでの料金踏み倒し=かごぬけ詐欺もある。タクシー強盗まがいもある。底に流れているのは、結婚、親子のありようの問題かなぁ。緊迫はしていない、ゆったりと語られるお話しなのだ。6篇の短編集です。何月の地名、十月の羽田とか、十一月の神田とか。
読了日:07月06日 著者:小野寺 史宜
田中家の三十二万石の感想
田中久兵衛は百姓なのだ。年貢の取り立てが酷過ぎる。やけのやんぱちで侍になった。侍にはまだまだ、小者中間から始まるのだ。腕にものをいわせて侍になった。始まりは三石。仕えた主は宮部善祥坊、宮部家は浅井に仕えていたが、織田勢に鞍替えした。宮部は羽柴秀吉の与力になった。秀吉は子供を宮部に預けた。秀吉の甥なのだそうな。田中久兵衛は子守を仰せつかった。この子が後の関白豊臣秀次、これは危ないことになりそうだなぁ。上手に身を処して、難を逃れた。次の難所は関ケ原、石田三成と同郷で、気分は石田、計算では徳川。計算が勝った。
読了日:07月04日 著者:岩井 三四二
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