渦 妹背山婦女庭訓 魂結び
「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」大島真寿美 文芸春秋
道頓堀で育って、操浄瑠璃の竹本座に入り浸って育つ。
作者部屋に入り浸って作者を目指す。近松半二と名乗る。
同じような洟垂れ仲間は並木正三と名乗った。しょうざと読む。
正三は歌舞伎のほうに移った。
半二が最初に書いたものが「役行者大峰桜」評判はまずまず。
客の好みは操浄瑠璃から歌舞伎に移っていった。
「妹背山婦女庭訓」を書き上げて大当たりした。
連続してヒットは叶わなかった。次第に歌舞伎が主流になっていった。
歌舞伎の台本の言葉は台詞という。
操浄瑠璃の台本の言葉は詞章と言うのだそうな。
それは始めて知った。
小説の地の文がモノローグ、だれかのモノローグが別のだれかのモノローグに移っていく。
小説の会話と会話を埋めるのがト書きなのだが、心の内を丸出しにしてお話は進んで行く。
妹背山婦女庭訓のヒロインがお三輪なのだが、お三輪までがモノローグで語り始める。
お三輪のモノローグは明朝活字を使わず、宋朝体で表現してある。
わたし歌舞伎や文楽の「妹背山婦女庭訓」は知りません。見たことないし、読んだこともない。
聞くところでは、シェイクスピアのロミオとジュリエットと同じ筋立てだとか。
それなら、大入り満員になるのも納得できる。
同じ頃、欧亜大陸の両端で、どっちの芝居小屋も同じお話しで、やんややんやと沸き立っていたのか。
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