11月に読んだ本
11月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:5596
ナイス数:135
ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン (集英社文庫)の感想
東京バンドワゴンシリーズ第13巻目。別冊構成ではなく、通常運転の語り口です。青の母親の若いころのヌード写真が出てきたり、IT長者の藤島が結婚しない理由が明かされたり、本筋じゃない脇筋で盛り上がったりしています。タイトルの、秋、ヘイ・ジュード、楽曲がお話しに絡みます。我南人のバンド、LOVE TIMER のドラム、ボンさんが肺がんで臨終間近です。病床で最後の演奏をしようや、ヘイ・ジュードを演奏します。各篇それぞれの最後のシーン、必ず仏間の仏壇前で、霊界のサチおおばあちゃんと言葉を交わすのが毎度のことです。
読了日:11月29日 著者:小路幸也
ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン (集英社文庫)の感想
東京バンドワゴンシリーズ第12巻目。過去に遡っての外伝。まだ勘一が40代、我南人がはたちそこそこの頃のお話しです。勘一の妻、サチは霊界から顔を出します。だから、レギュラー。我南人の妻、秋実は、早く死んだので全然顔を出すこともありません。この巻では、存分に活躍します。我南人と秋実が出会ったのは、やくざに追われているところを我南人が助けたところ。緊急避難で、東京バンドワゴンの我が家に連れて行きます。近所の口裏合わせに、我南人のいいなずけだということにします。これって、勘一とサチの出会いと同じじゃありませんか。
読了日:11月27日 著者:小路 幸也
ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 東京バンドワゴン (集英社文庫)の感想
東京バンドワゴンシリーズの11巻目です。夏、チャーリングクロス街の夜は更けて、これがムチャクチャ面白い。東京バンドワゴンの古本屋に英国紳士が訪問する。英国秘密情報部のメンバーなのだ。英国人の自費出版の本を譲ってほしい、言い草が気に入らないから追い返します。直ぐにイギリスに行こう。翌日イギリスに向かいます。そこで英国情報部と渡り合うのだが、そこはここでは語れない。万事解決するのです、ということだけは明かしてもよろしいかな。表題のザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード、ほんとに、長くて曲がりくねった道だよ
読了日:11月26日 著者:小路 幸也
ヒルは木から落ちてこない。 ぼくらのヤマビル研究記の感想
四日市市少年自然の家で子どもヤマビル研究会が始まった。ヤマビルの撲滅が目的ではないよ。ヤマビルの調査と生態解明が目的なのだ。世間でよく言う、ヤマビルは木の上から降ってくる。間違いです。地面から這い上ってくるのです。ヤマビルはどうやって生息域を広げるのか。シカが広げている。一部はそうかもしれないが、大部分は水の流れに乗って広がっている。取り尽しても、次の大雨で大量のヤマビルがいる。指導者、ボランティアは前に出ず、子どもの自主性に任せている。大方は小学生、一部中学生がいる。研究者も舌を巻く知見にあふれている。
読了日:11月25日 著者:樋口 大良,子どもヤマビル研究会
ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴンの感想
東京バンドワゴンシリーズ10巻目です。毎度お馴染みの語り口、そこが快適なのですよ。宮内庁の役人がやってきて、蔵の中の資料をよこせ。経済官庁も絡んで来て、かなり本気の締め付けです。60代のおじいちゃん、我南人が活躍します。ただのロックンローラーじゃないのです。筋金入りのロックンローラーなのです。我南人の活躍で乗り切ります。それはどんな風に?そこは読んでくれなきゃ。ここではネタバレできません。研人も高校に入学します。シリーズ第1巻では小学生だったのです。ずいぶん年月が経った。1年1作で刊行していて10年経過、
読了日:11月23日 著者:小路 幸也
オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン (集英社文庫)の感想
東京バンドワゴンシリーズの9巻です。毎度お馴染みの四季4篇の中編で出来ています。夏、オール・ユー・ニード・イズ・ラブについて触れると、研人が高校には行かない、イギリスに行ってロックに集中すると言い出します。さて、どんなことになるんでしょうね。東京バンドワゴンの古本屋では、蔵の中の古書がデータベース化されます。門外不出の物、出せば騒擾を呼ぶものもありますが、どう公開運営して行くんでしょうね。そのプロセスの中で、縁結びのお節介が始まります。押し付けお節介ではなく、自然なお節介だから納まるところに納まって行きま
読了日:11月21日 著者:小路 幸也
フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン (集英社文庫)の感想
東京バンドワゴンシリーーズの8巻目。いつもならサチさんが霊界から語って4話の中編なのですが、この巻は違う。11話の短編で、語り手がリレーして行く。藤島直也が語る「縁もたけなわ味なもの」藤島はIT業界の社長、暇を作り出して、古本屋東京バンドワワゴンを訪ねた。何気ない一言で店主勘一を怒らせてしまった。ここから長いお付き合いが始まるのです。隣のカフェから聞こえてくる音楽がフロム・ミー・トゥ・ユー、題名のフロム・ミー・トゥ・ユーに繋がるのです。堀田家家族にまつわるエピソードもあるし、家族外のエピソードもあります。
読了日:11月20日 著者:小路 幸也
レディ・マドンナ 東京バンドワゴンの感想
東京バンドワゴンシリーズ7巻目です。どの巻も冬春夏秋の四季の中編4篇です。題名の秋、レディ・マドンナについて語るのはやめときますね。夏、思い出は風に吹かれて、について語りましょう。亡くなっているサチは子爵五条辻家の出です。サチは勘一の妻。五条辻関連の書物が他の古本屋から出てきました。出ドコはM大学の川端文庫、因縁があって、両者お互いに出入り禁止です。他にも五条辻文書はそこにあるようです。我南人が乗り出します。なんとかするよぉ。五条辻関連の文書、譲ってくれるように話しつけるよぉ。さぁ、どんなテで話しをつける
読了日:11月19日 著者:小路 幸也
オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ (6) 東京バンドワゴン (集英社文庫)の感想
東京バンドワゴンシリーズの第6巻です。毎度お馴染み春夏秋冬4篇の中編です。題名の冬編、オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダについて語るべきでしょうが、夏篇「歌は世につれどうにかなるさ」について語ります。我南人の音楽仲間で風一郎という人がいます。その人の楽曲が盗んだものではないか、我南人の孫の研人の作品ではないか。風一郎と研人の共同作曲ということで決着がつきます。研人は将来音楽の世界で生きていくことが予測されます。我南人の孫の花陽、医者を志しています。学費を稼ぐために我南人の息子、青、俳優になることが予測されます。
読了日:11月17日 著者:小路 幸也
逆玉に明日はないの感想
是枝昭憲は商社勤務、見合いを勧められた。相手は食品メーカー大手の社長の一家なのだ。見合いには条件がある。役員には登用するが、昇進しても副社長まで、社長は妻が就任する。君の役目は跡継ぎを誕生させること、生まれたら、節税対策として祖父母に養子縁組すること。条件を承知して結婚した。無事跡継ぎが誕生した。種馬としての役目は終わったのだ。アメリカでペットフードで問題が出たことを糸口に、離婚を切り出された。慰謝料として、アメリカのベンチャー企業が譲渡された。ここから堂免一家への反撃が始まる。やっと胸が透く活躍が始まる
読了日:11月15日 著者:楡 周平
塞王の楯 (集英社文芸単行本)の感想
矛と楯のお話しです。湖東に穴太がある、湖北に国友がある。穴太は石垣、国友は鉄砲で名を挙げている。石垣は防備、鉄砲は攻撃、楯と矛。石垣の名人上手を塞王と言い、鉄砲の名人上手を砲仙と言う。太閤崩御のころ、伏見城での攻防、大津城での攻防を書いている。穴太の飛田屋の飛田匡介の視線で書いてある。越前一乗谷が落城して、匡介は師匠源斎に助けられて育った。次の頭と目されている。大津城の城主は京極高次、妻の引きで身を立てて、蛍大名と噂されている。人柄がよく物頭小者領民にまで愛されている。関ケ原決戦までに城は持つか破れるか。
読了日:11月14日 著者:今村翔吾
真・慶安太平記の感想
保科肥後守正之は徳川秀忠の妾腹の子保科家へ養子に出される。徳川家光と松平忠長の中は悪い。改易の上上州高崎に蟄居を命じ、そこで切腹して亡くなった。保科正之は信州高遠で三万石で冷遇されていた。忠長の死後、家光の態度が変わった。山形藩20万石、次に会津藩23万石と厚遇される。正之も幕府を盛り立てるべく努力した。ページ数で約8割も過ぎたころ、突然由比正雪と丸橋中也が姿を現す。講談・慶安太平記の主人公はこの二人です。最後の2割のためにこれまでの8割は序論・前振りだったのだ。果たして由比正雪の正体は?そこは読んでね。
読了日:11月12日 著者:真保 裕一
オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン (集英社文庫)の感想
東京バンドワゴンシリーズの5冊目です。下町の裏店の古本屋、古本屋の名前が東京バンドワゴンというのです。毎度お馴染み、中編が4篇で構成されています。題名に上がった「オール・マイ・ラビング」について触れると、60代の我南人(がなと)、甲状腺の手術を受けます。今後歌えるか、気がかりなところです。世界的なロックンローラーからワールドツアの誘いを受けます。我南人の孫の研人、再起するきっかけになるイベントを企みます。え、それは何?あのね、研人の小学校の卒業式でね。あ、だめだめ、ここでは言えない。そこは読んでくれなきゃ
読了日:11月11日 著者:小路 幸也
帰ってきたK2 池袋署刑事課 神崎・黒木の感想
「K2池袋署刑事課神崎・黒木」の第2作です。小説で刑事のコンビものが多い。たいがい、悪徳刑事です。K2はそんなんじゃありません。神崎は極めて真面目、黒木はチャライ。管内でシングルマザーの殺人事件がある。捜査本部の陣容には加えてもらえない。同期の刑事の画策によるものです。黒木が女性関係で彼の反感を買ったのが原因です。泥棒や自殺志願者の救助など、雑多なお仕事が待ち構えている。いいえ、これが殺人事件のキーになるんですよ。捜査本部に召集されて、新しい見方を披露、見事に殺人事件の犯人に到達しました、K2の手柄です。
読了日:11月10日 著者:横関 大
悪魔には悪魔をの感想
麻取のお話し、潜入捜査のお話し、双子のお話し。これらがまぜこぜになっているお話しです。双子で、兄は加納良、弟は加納将、父母は幼い時亡くなって叔父夫婦に育てられた。成長して、兄は大学から麻薬取締官に、弟はアメリカに渡って、食い詰めて軍隊に入った。除隊して日本に帰って墓参りしているところでリクルートされた。君の兄は麻取で潜入捜査中に行方不明になった、身代わりで捜査を続けてくれないか。相手はベトナム人だった。クィーという名前の組織だった。クィーとはベトナム語で悪魔を意味する言葉だった。ベトナムマフィアの話の最初
読了日:11月07日 著者:大沢 在昌
マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (集英社文庫)の感想
東京バンドワゴンシリーズの番外編です。時代は終戦直後、進駐軍がたんまりいる時代のお話しです。語り手は亡くなったおばあちゃんのサチ、ほとんど出番がなくて不憫じゃありませんか。子爵の五条辻家の長女、咲智子、両親から小箱を預かります。中身は手紙、天皇陛下の書簡なのだそうです。絶対に奪われてはいけない。某所まで届けなさい。追手がかかって窮地に陥ります。その時、助けたのが堀田勘一、古本屋東京バンドワゴンに匿います。勘一と偽装結婚しなさい。サチと名前を変えて近所に取り繕いましょう。堀田一家と進駐軍の戦いが始まります。
読了日:11月04日 著者:小路幸也
渦 妹背山婦女庭訓 魂結び (文春文庫 お 73-2)の感想
道頓堀で育って、操浄瑠璃の竹本座に入り浸って育つ。作者部屋に入り浸って作者を目指す。近松半二と名乗る。同じような洟垂れ仲間は並木正三と名乗った。正三は歌舞伎のほうに移った。半二が最初に書いたものが「役行者大峰桜」評判はまずまず。客の好みは操浄瑠璃から歌舞伎に移っていった。「妹背山婦女庭訓」を書き上げて大当たりした。連続してヒットは叶わなかった。次第に歌舞伎が主流になっていった。それは始めて知った。小説の地の文がモノローグ、だれかのモノローグが別のだれかのモノローグに移っていく。心の内を丸出しにしてお話は進
読了日:11月02日 著者:大島 真寿美
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