1月に読んだ本
1月の読書メーター
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ナイス数:118三河雑兵心得 : 6 鉄砲大将仁義 (双葉文庫)の感想
植田茂兵衛立身出世物語です。いよいよ織田徳川連合軍が武田甲斐へ討ち入ることになった。穴山梅雪が徳川に投降してきた。茂兵衛は梅雪の与力に付けられた。人質に出している梅雪の妻子の奪還に成功した。戦の描写が血沸き肉躍る。梅雪の甥に投降を誘った。断られて乱戦になった。撃ち果たして甲州進軍、武田勝頼は自刃して、武田軍は敗れた。戦勝祝いに家康と梅雪は安土に呼ばれた。茂兵衛も従軍する。茂兵衛に織田信忠は、わしの家臣にならぬかと誘いをかけてきた。考えた末、断った。その夜、本能寺の変が起こった。堺にいる家康目指して茂兵衛は
読了日:01月30日 著者:井原忠政
三河雑兵心得 : 5 砦番仁義の感想
内憂があるのだ。岡崎の西三河の衆が不満を抱えている。ないがしろにされている、殿は直轄の浜松衆ばかり多用される。総領の信康にも気を遣わなけばいけない。与力先の松平善四郎は岡崎赴任を命じられた。植田茂兵衛は浜松に残されて一本立ちの大将に任じられた。高天神城へ補給する付け城を撃破する。補給路を断つ。信州国境の青崩峠のパトロールに精を出している。高根城。大幹部の大久保忠世から年の離れた弟を与力に付けられた。後世、大久保彦左衛門と名を上げる人物なのだ。今は、頭が高くて使いにくい。矯正に手を焼く。家康と信康の桎梏が深
読了日:01月29日 著者:井原 忠政
三河雑兵心得 : 1 足軽仁義の感想
足軽立身出世物語のスタートです。三河は渥美半島の植田村、茂兵衛はそこの百姓だ。弟が馬鹿で村の若者から虐められる。仕返しに薪で殴ったら一人が死んでしまった。弟の丑松を連れて村を出た。夏目次郎左衛門に拾われて足軽小者になった。一向宗一揆で夏目党は松平家康に歯向かうことにした。一揆は負けた。夏目次郎左衛門は茂兵衛ら三人を家康に推挙してくれた。家康も自分の親衛隊を大増員しなければならないのだ。今後は家康傘下の直参なのだ。被官・またものの足軽とは大違いなのだ。名前を考えてくれた。村の名前を名乗ればええ、植田茂兵衛と
読了日:01月28日 著者:井原 忠政
歌舞伎座の怪紳士 (文芸書)の感想
就職先でセクハラに遭った。以来、パニック障害を患い、家にいる。父方の祖母から歌舞伎座のキップが送られてきた。お小遣いプラスで、観た感想を送ること。ためらったが承知した。意外にも面白かった。隣席は白髪の紳士だった。世間話をした。次も歌舞伎座、その次は国立劇場でオペラ、さらにその次は小劇場で普通の演劇。どの演目でも白髪の紳士にであった。歌舞伎座の怪紳士、タイトルに意味があるんです。ここではくどく解説しないけどね。第一章第二章との筋立てです。第一幕第二幕のほうがよかったかな。あるいは、第一場第二場でもよろしい。
読了日:01月27日 著者:近藤史恵
帰還 (文春文庫 と 24-19)の感想
東日新聞四日市支局長の藤岡が亡くなった。津支局での同期の、松浦、歩美、本郷は葬式に向かう。藤岡は泳げない、水を怖がっていた。水死するなどあるはずがない。松浦はどうも腑に落ちなくて再び四日市に引き返した。ここから地方政界の闇が暴かれ始める。バブル期に氷漬けになっていたサイエンスパーク跡地が運送会社の流通センターに一変している。津中央高校のOB会に、正規なものとは別のひそかな秘密結社がある、民教研。この三人、新聞記者としてはもう袋小路に入っている。定年間近。真相に辿り着きます。新聞記事にするのか、できるのか。
読了日:01月26日 著者:堂場 瞬一
三河雑兵心得 弓組寄騎仁義 (双葉文庫)の感想
植田茂兵衛の徳川家康陣営での足軽出世物語です。松平連枝の松平善四郎の寄騎として付けられた。善四郎は信頼して、姉を嫁にどうかと話を向けてくれた。長篠城の救援に向かった。鳥居強右衛門のお高名はここに揚がる。設楽ヶ原の合戦となる。織田軍は馬防柵を巡らせた。鉄砲斉射で武田騎馬隊は殲滅した。百姓上がり、足軽上がりで、松平に連なる嫁を貰うとは、男の嫉妬を買う羽目に陥った。植田茂兵衛は百貫に加増された。現代に換算すると年収一千万円。枝葉のサブストーリーが面白い。足軽をリクルートするところとか、手下に自分の妹を嫁に世話す
読了日:01月25日 著者:井原 忠政
三河雑兵心得(3)-足軽小頭仁義 (双葉文庫)の感想
徳川家康陣営での足軽出世物語です。植田茂兵衛は徒侍に取り立てられて、足軽10人を束ねている。本多平八郎に仕えているが、この若者に付いてやってくれととレンタルされた。松平連枝だが、没落家系で、まだ少年の松平善四郎なのだ。家来は誰もいない。盛り立てて育てていかねばなるまいて。武田信玄が攻めてきて、三方ヶ原で決戦となる。大負けに負けた。敗戦の逃亡中、家康を見つけて浜松城への逃げ道を探し出す。松平善四郎が足軽大将に任用された。植田茂兵衛は副将として、騎乗の身分になった。本筋は立身出世物語だが、枝葉の話が面白い。
読了日:01月24日 著者:井原 忠政
三河雑兵心得-旗指足軽仁義 (双葉文庫)の感想
足軽仁義シリーズの2巻目。植田茂兵衛は徳川家康直属の足軽で、本多平八郎のところへ宛がわれた。背丈も高いし、本多平八郎の幟の鍾馗の旗印を掲げる役目に任じられた。常にお頭の背後にいるのが役目だ。乱戦では、幟に弓矢鉄砲弾が集中する。遠江の掛川城を攻略する。攻城中に背後から肩を鉄砲で狙撃された。疑わしいのは横山左馬之助、どうもこいつにやられた気がする。第1巻で、左馬之助の父親、横山軍兵衛を討ち取っていた。それを恨みに付け狙っていたのだ。この決着はお頭本多平八郎に預けることにする。功を立て、徒侍に引き立てられた。
読了日:01月23日 著者:井原 忠政
硝子の太陽R-ルージュの感想
誉田哲也には血まみれ誉田と爽やか誉田があります。これは血まみれ誉田のほう。出だしがベトナム戦争の時代のころ、横田基地の近くで一家惨殺事件が起きる。時代は現代、姫川玲子班は一家惨殺事件を追っている。帳場は行き詰っている。姫川たちは別の帳場へ追われた。フリーライター殺人事件、姫川たちは現場ではなくパソコンの中身を探るように命じられた。端緒を得て、過去の一家殺人事件と今の一家札事件の共通点が見つかってきた。前の帳場へ連絡を入れる。勝俣警部補(ガンテツ)の策謀で、こっちの帳場から追っ払われた。両方の一家殺人事件は
読了日:01月21日 著者:誉田哲也
硝子の太陽N - ノワールの感想
誉田哲也には、血まみれ誉田と爽やか誉田があります。これは血まみれ誉田のほう。出だしがいきなり強姦の場面から始まります。この段階で、読み続けるか読むのをやめるか、決めたほうがええ。行動を追うと、主人公は警視庁捜査一課の東警部補だ。ほんとの主人公は歌舞伎町セブン、歌舞伎町を護る行動なのだ。敵対組織は沖縄から米軍を追い出す組織、新世界秩序のようなのだ。最後、制裁が下されます。東警部補の手ではない、歌舞伎町セブンの制裁なのだ。姫川玲子もちょっと顔を出すが、ここでは脇役の顔出しなのだ。勝俣警部補(ガンテツ)も顔出し
読了日:01月20日 著者:誉田 哲也
新・国債の真実の感想
こんなに借金を重ねて日本は大丈夫なのか、と心配している人。高橋洋一の語ることは本当じゃないかと思えてきたが、その内容をうまく他人に語れない人。こういう人がこの本を読むべき対象者です。国債で裏打ちされている資産はあります。立派に稼働している資産です。国家はいつなんどきでも国債を償還できる金融資産を持ち合わせています。なぜ財務省、各省庁は金融資産を国債と相殺しないのか。自分の天下り権益を確保するため、株券・基金を維持し続けるからです。こんな低金利で発行しても、常に国債は完売し続ける、国家の信用は分厚いのです。
読了日:01月17日 著者:高橋洋一
アンフェアな国 (刑事 雪平夏見)の感想
アンフェアだったか、刑事雪平夏見だったか、そういうテレビドラマがあったよなぁ。出版物では5作目なのか。前作までに雪平、安藤、平岡、林堂のチームの繋がりは生きているのだ。日韓問題が底にあるのだ。アンフェアシリーズだが、アンフェアな国際関係にまで踏み込むとは驚きだ。日韓関係とはアンフェアだねぇ。同じ刑事ドラマで、姫川玲子シリーズの姫川と菊田のコンビはお馴染みだが、雪平とコンビはテレビドラマでは誰だったのだろう。いたのかしら。。テレビと小説は別物だからねぇ。読んでいない前四作に濃い関係性が描かれているのだろうな
読了日:01月16日 著者:秦 建日子
吾妻おもかげの感想
吉兵衛は安房の縫箔屋の息子だ。縫箔、刺繍修行に江戸に出た。仕送りはたっぷりあるが、みな吉原につぎ込んでしまう。絵については腕に覚えがあるのだ。狩野派の門に入門の願いをした。手ひどく断られた。それからは吉原に沈み込んで放蕩を尽くす。版元に頼み込んで絵草紙を始める。次第に評判を上げ、菱川師宣という雅号で売り出す。工房を構え、分業体制で絵をさばく。いつのまにか、狩野派の体制と同じことをやっている。この先、破綻するバッドエンドを予想するでしょ。そう、その泥沼にはまります。気が付いて、気を取り直し、ハッピーエンドに
読了日:01月14日 著者:梶 よう子
ロミオとジュリエットと三人の魔女の感想
ここはイタリア、シェイクスピアはイングランドで食い詰めて、イタリアの小島にいる。イングランドとスペインが戦って、イングランドがスペインの無敵艦隊に勝った。兵士三名を追って、スペインの傭兵が島に上陸してきた。そこでシェイプスピアが策を練って、芝居を上演することにする。ロミオとジュリエットがここにいる、本人が本人を演じてロマンスを演じよう。スペインの傭兵の隊長の名前がイアーゴー、オセロでの敵役。イングランドの兵士がフォルスタッフ、ヘンリー四世に登場。妖精パック、夏の夜の夢に登場。シャイロック、ハムレットもあり
読了日:01月12日 著者:門井 慶喜
100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集の感想
福井県立図書館がレファランスで本を探してとの依頼で、こんな間違い相談がありました。Q 夏目漱石の「僕ちゃん」A「坊っちゃん」Q 宮部みゆき「ソロモンの秘宝」A「ソロモンの偽証」Q「ゴリラ爺さん」A「ゴリオ爺さん」Q「トコトコ公太郎」A「とっとこハム太郎」Q「100万回死んだねこ」A「100万回生きたねこ」Q「ひとりになりたい」A「ひとりたりない」Q「これこれちこうよれ」A「日日是好日」Q「オニのいましめ」A「老いの戒め」Q「そらからおちる」A「空が落ちる」Q「いろんな客」A「うろんな客」Q「痔」A「痣」
読了日:01月08日 著者:福井県立図書館
花歌は、うたうの感想
祖母はうた、母は花子、高校生の自分は花歌。父は7年前に出て行った。有名なシンガーなのだ。ハルオ。花歌は歌ってみる。ひょいと歌う歌がとても良いのだ。同級生の睦美は採譜し、アレンジを加える。これ、YOUTUBEで流そうよ。花歌のお父さんに届くかも知れないよ。届けば帰ってくるよ。YOUTUBEで流し始めた。一方、ハルオは九州にいると噂で聞いた。花歌の周囲の人が探しに行った。バッドエンドを予想するでしょう。小路幸也は必ずハッピーエンド。その通りに展開して行きます。花歌はどう読むのか。はなか。巻末の奥付にふりがなが
読了日:01月07日 著者:小路幸也
マル暴総監 (実業之日本社文庫)の感想
これはコメディです。夜更けにケンカしている半グレを分けるように言われた。終わろうかというところを、白いスーツの男が煽ってきた。なんとか分けて引き取らせた。翌日、その中の一人が殺されていた。捜査本部の帳場が立って、警視総監が視察にやってきた。甘糟は一目見て、この前の白いスーツの男だ。総監は甘糟を外に呼び出して、俺のことは黙っていろよ。総監は夜の巷に繰り出して、けんかを納めているのだそうな。あちこちの繁華街で白いスーツの男のことが噂になっている。総監から口止めされたら、誰にも言うわけにいかない。どうする、甘糟
読了日:01月05日 著者:今野 敏
マル暴甘糟 (実業之日本社文庫)の感想
これ、コメディーです。刑事ものというと捜査一課、強行犯係が主流です。組織犯罪対策係、刑事四課、通称マル暴が舞台です。多嘉原連合の構成員の一人が殺された。殺人事件の帳場が立って、マル暴の甘糟も召集された。当然、相棒の郡原も召集された。甘糟が組むのは捜査一課の警部補なのだ。位は上だが、総務担当、捜査経験はない。強行犯係は組織で動く。マル暴は個人で動く、一人一人が頭を使うのだ。これだけ警察文化が違うのだ。これは喜劇になるよねぇ。マル暴刑事の郡原の無理な指導・突き放しに耐え、乗り越えて、犯人逮捕に突き進んで行く。
読了日:01月04日 著者:今野 敏
黄金の刻 小説 服部金太郎の感想
セイコー 服部時計店創始者、服部金太郎の物語です。小説には大概主人公に対して敵対勢力があるもんだ。これにはそんなものはない。山あり谷ありではなく、ずっと上り調子のお話しです。そんなええことばっかりで面白いの。それが面白いのです。主人公が苦境に立つと、読むほうも苦しくなります。そんなストレスはなし。丁稚修行を脱して、自分の時計店を開いたのが明治18年。順調に船出したが、火事が延焼して丸焼けになってしまった。再起して、順調に店を伸ばし、関東大震災で丸焼けになってしまった。火事では苦労したが、人で苦労していない
読了日:01月03日 著者:楡 周平
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