ワトソン力
「ワトソン力」大山誠一郎 光文社
ワトソンとは、シャーロック・ホームズの相棒ワトソンのことです。
主人公は警視庁捜査一課の和戸宋志、彼がいると周囲の推理が活発化し、検挙率十割を誇っています。
和戸はこの作用をワトソン力と呼んでいます。
ホームズとワトソンが出る時代に帰って、この小説はえらくクラシックなんですよ。
密室もの、アリバイ崩し、どれもこれもスタイルが古い。
甚だしきは、アメリカへ渡る旅客機内で殺人事件が起きている。
究極の密室です。
わたしが思うには、松本清張以来、探偵小説は推理小説に進化してしまいました。
動機、事件の背景、これが小説の主眼になってきました。
密室もの、アリバイものに特化した小説、これではわくわくするようなものにはなりませんねぇ。
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