六つの村を越えて髭をなびかせる者
「六つの村を越えて髭をなびかせる者」西條奈可 PHP
西條奈可は、稗史から始まって、長屋ものを経て、いよいよ正史の領域に入ってきました。
最上徳内の伝記です。
高宮伝吉は出羽の百姓の生まれで、算学が秀でていたので江戸に出た。
幕府から蝦夷への見分隊が出るので、下役の竿取として参加した。
足軽身分なので、名を最上徳内と改めた。
これから三度にわたり、蝦夷を探検することになるのだ。
最初の見分、アイヌの言葉を習った。エトロフ島に渡り、置き去りにされたロシア人からロシア語を習った。
松前藩の政治・仕置きは無慚でアイヌには過酷なものだった。
二回目の蝦夷見分、アイヌの反乱の調査だった。
松前藩の政治が過酷なので、たまりかねての反乱だった。
最初の成果、田沼意次から松平定信への政変で、見分隊は追放された。
二回目の成果、江戸に帰ると牢屋に入れられ、幹部は遠島、下役は解雇、松平定信の意向だった。
三回目の蝦夷行はこの本の範囲外のことなのだ。
題名にしては長いのは、アイヌのユーカラかことわざの一節。
その意味は、えーと、読み飛ばしてしまいました m(__)m
« ごろつき国家 ならずもの国家 | トップページ | 佳代のキッチン ラストツアー »
コメント