御坊日々
「御坊日々」畠中恵 朝日新聞出版
畠中恵には、しゃばけ、まんまこと、つくもがみなどのシリーズがあります。
これはちょっと流れが違う。
明治ものシリーズがあるが、そこから湧き出したものでしょうね。
主人公は冬伯、弟子が玄泉、檀家のない寺です。
師僧が亡くなって、寺が潰れた。その寺を買い戻して再興したのが冬伯です。
5篇の連作短編、明治の上野周辺の人情風景を描いたものです。
料理屋の再建、出産で取り違えたかもしれないお話し、徳川埋蔵金、などなど。
冬伯は檀家のない寺をどうやって維持しているのか。
相場師として働いて、得た金を寺につぎこんでいるのです。
寺を買い戻した資金も相場で得た金なのです。
明治も維新後20年、江戸が東京に変わって、時代に熟れた頃のお話しです。
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