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2022年7月 1日 (金)

6月に読んだ本

6月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3260
ナイス数:72

草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌II (文春文庫 し 34-20)草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌II (文春文庫 し 34-20)感想
前作の続きです。ヒロインは菜穂。お話しの芯は森野大地に移る。祖父がこの地で森野ワイナリーを経営していた。突然畳んで都会に出た。大地はロックのバンドに入った。曲の大部分は大地が作った。売れたが解散した。ボーカルが自殺した。大地はここ百合が森でブドウ畑を作りワイナリーを開くと決心した。菜穂たちの引き入れで大地は次第にムラに受け入れられて来始めた。菜穂はプロポーズを受け入れた。最終章で菜穂は牧場のアズマヤで結婚式を挙げる。コック・オー・ヴァンとは、雄鶏の赤ワイン煮。菜穂はメニューに、大地は赤ワインを作ることを目
読了日:06月30日 著者:柴田 よしき


風のベーコンサンド 高原カフェ日誌 (文春文庫 し 34-19)風のベーコンサンド 高原カフェ日誌 (文春文庫 し 34-19)感想
菜穂は長野県の百合が原高原のペンションを買い取った。カフェSon de Ventとして開店したのだ。ペンション村だったが、撤退があいつぎ、営業店は少なくなった。地元のひよこ牧場などの知己を得てがんばろうとする。メニューの講釈がよみものなのだ。これはレシピか、というくらい、料理の手順を書きつけてある。そういうの嫌いじゃないです。むしろ好き。夏の黒字を過ぎて、冬の赤字の期間がある。銀行預金の残高がいくらになったら店を閉めようと区切りを付けている。離婚の係争中なのだ。モラハラ夫と離婚したい。夫は離婚を承知しない
読了日:06月29日 著者:柴田 よしき


奇想天外な目と光のはなし奇想天外な目と光のはなし感想
著者は芝浦工業大学教授で電気工学科卒なんですよ。専門は視覚心理、照明環境。当然、そのハタケで話しが語られると思うじゃないですか。違った。昆虫の目、魚類の目、動物学と生理学の世界から説いているのですよ。うん、面白いよ、こんな視点から語られることはないからね。でもね、自分の専門に飽いて、別の何かを語られているような気がするのですよ。順番に章立てに従って読まなくてよろしい。飛ばして読んだり、引き返して読んだり、それでもOK。イラストが秀逸、彼女も動物学生理学がよく分かっているのかもしれない。すごく達者ですばらし
読了日:06月28日 著者:入倉隆


ほたる茶屋 千成屋お吟ほたる茶屋 千成屋お吟感想
基本は捕物帳なのに、地味、捕物帳特有の派手さがありません。稼業は岡っ引きなのに、亭主がお伊勢参りに出たまま蒸発してしまった。四篇の中編で出来ています。どれがお勧めか、最後の「海霧」かなぁ。捕物帳というより、二万石のお家騒動かなぁ。藩主の跡継ぎ問題です。ちゃんと同心取り方が出動するから、捕物帳の体裁を食み出してはいません。千成屋の本業は何でも屋です。どうやって稼ぎになっているのか、そこがよくわからない。捕物は余技です。稼ぎにはなりません。亭主の蒸発が未解決、伏線のまま回収されていません。次はこの問題かな。
読了日:06月25日 著者:藤原 緋沙子


元彼の遺言状元彼の遺言状感想
ヒロイン剣持麗子は元彼の遺言状を執行する依頼を受けた。僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る。三ケ月以内に犯人が特定できなければ国庫に帰属させる。自然死だったら国庫に帰属する。犯人が遺産を相続する、これは公序良俗に違反するので、そもそも遺言状は否定される。ヒロインは高額な報酬を得るべく依頼を受けた。筋書きのフォーマットがあるんですよ。最初のフォーマットが破綻すると、第二のフォーマットが繰り出される。筋書きは面白いが、登場人物の作り込みが手荒い。誰がしゃべっているのかよく分からない。それでもえええのですよ。特異
読了日:06月21日 著者:新川帆立


弊社は買収されました!弊社は買収されました!感想
お仕事小説です。著者にはスポーツものがありますが、それだってお仕事小説かも。ある朝、テレビに自分の会社=花森石鹸が外資に買収されたとニュースに出ています。主人公は真柴忠臣、総務課所属です。買収先はブルーア、アメリカ企業です。新社長が乗り込んでくる。側の秘書は、あれ、同じアパートに最近引っ越してきた台湾人じゃないか。ここから両社の融合、なかなかうまくいかない。すったもんだがあって、小説ではそこがおいしいところなんだよね、やっと融けこむ。めでたしめでたしのお話しです。そうだよ、悲劇じゃないよ。ハッピーエンドだ
読了日:06月18日 著者:額賀 澪


菜の花の道 千成屋お吟菜の花の道 千成屋お吟感想
千成屋お吟シリーズの2冊目。中編小説3作。うば桜:足を挫いた老女を世話する世話焼きばなし。菜の花の道:呉服屋の借金の世話、入り婿に縁を切るお話し。葛の裏風:さる小藩の汚職をあばくお話し。千成屋は何でも屋が商い、口入屋も兼ねているから、その縁で話しが舞い込む。本来は岡っ引きが稼業、いつも退役同心が遊びに来ている。岡っ引きの手下をそのまま何でも屋稼業に雇っている。書き下ろし時代劇文庫の雰囲気、登場人物が同じだから馴染みやすい。うば桜は人情噺だが、菜の花の道、葛の裏風は捕物帳風。捕物帳がこのシリーズの目玉なのだ
読了日:06月16日 著者:藤原 緋沙子


競争の番人競争の番人感想
公正取引委員会が舞台です。公取を舞台にって、そんなお話しは今まで読んだことがない。ヒロインは白熊楓、任官五年目のまだ青二才です。今度の摘発は、北関東のホテルでブライダル料金のカルテル。乗り込んで、ホテル社長に拒否されて玉砕する。なにしろ公取には逮捕権がないのだ。強制力がないのだ。周辺を洗っていて、ブライダルの花屋関係で新規参入拒否の不正競争を発見する。一気呵成にホテルのカルテルも解明し、立件する。調査中に、冬の川に落ちるは、倉庫の密室に閉じ込められるは、崖下に落ちるは。公取とはこんなに危険な官庁だったとは
読了日:06月15日 著者:新川帆立


山狩山狩感想
千葉県警安房署の小塚巡査部長、県警本部の山下警部補、この二人が主人公。ふたりとも生活安全部。小塚は伊予ヶ岳頂上で死亡者を発見している。ストーカー殺人だと捜査している。容疑者として門井彰久に接近した。安房署刑事課は捜査を妨害した。亡くなった若い女性の祖父が元警官で副署長まで務めた人物だ。小塚たちとタイアップすることにした。これは裏事情があるお話しなのだ。県警トップから下まで情実に絡め取られた背景がある。元副署長がライフルで容疑者を襲撃する容疑で山狩りを始める。勧善懲悪で無事解決するのだが、そのまま押し切られ
読了日:06月12日 著者:笹本 稜平


小説 日本博物館事始め小説 日本博物館事始め感想
主人公は薩摩士族の町田久成、不興を買って外務省の籍を失った。文部省を斡旋された。大学南校、東京帝国大学の前身なのだ。町田には癖があって、仏像を収集することだ。廃仏毀釈の嵐で、寺は破却され、仏像は放り出されている。町田は藩名で英国に留学したことがある。大英博物館にはえらく打たれた。日本にも博物館は必要だ。大久保利通が手を回して、町田の身分は文部省から内務省に移った。条件がある。薩摩の島津久光を東京に引っ越しさせること。廃藩置県で旧藩主が旧藩に残ったままでは不都合なのだ。こんな経過があって日本博物館は完成した
読了日:06月11日 著者:西山 ガラシャ


孤独の宰相 菅義偉とは何者だったのか (文春e-book)孤独の宰相 菅義偉とは何者だったのか (文春e-book)感想
著者の柳沢高志とは日本テレビの政治記者、菅総理から携帯に電話がかかってくる仲。飲食も共にし、総理のグチも聞き、巷の情報を伝える仲なのだ。番記者には違いないが、入れ込んで、応援団化してはいないか。昔々の自民党と新聞記者の関係はこのようなもので、昔気質の関係なのだろう。官房長官の菅義偉から総理大臣の菅義偉には変身しなきゃならなかったのだが、ついに変身できなかった。総理大臣の菅義偉は大いに仕事をした。仕事をしたがそれは国民に伝わらなかった。伝わればあのような低い支持率であるはずがない。菅義偉はそんな芸当ができな
読了日:06月06日 著者:柳沢 高志

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