元彼の遺言状
「元彼の遺言状」新川帆立 宝島社
宝島社の「このミステリーが凄い!」の受賞作です、2020年。
作者は東大法学部卒の現役弁護士です。
ヒロイン剣持麗子は元彼の遺言状を執行する依頼を受けた。
僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る。
三ケ月以内に犯人が特定できなければ国庫に帰属させる。
自然死だったら国庫に帰属する。
犯人が遺産を相続する、これは公序良俗に違反するので、そもそも遺言状は否定される。
ヒロインは高額な報酬を得るべく依頼を受けた。
筋書きのフォーマットがあるんですよ。
最初のフォーマットが破綻すると、第二のフォーマットが繰り出される。
筋書きは面白いが、登場人物の作り込みが手荒い。誰がしゃべっているのかよく分からない。
それでもえええのですよ。
特異なフォーマットを繰り広げるので、そっちに視線が行ってしまうから。
二作目の「競争の番人」は登場人物が躍動しています。
初作のこの本と比べて、格段の進歩があります。
そういうことなら、三作目は、大傑作を披露するんじゃないでしょうか。知らんけど。
テレビドラマで公開されたんだそうですね。見ていません。
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