11月に読んだ本
11月の読書メーター
読んだ本の数:11
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ナイス数:88
三河雑兵心得 【十】-馬廻役仁義 (双葉文庫 い 56-10)の感想
前巻で植田茂兵衛は討ち死にしたはず。負傷して捕らえられ、真田軍の土牢に閉じ込められていた。戸石城、城主は真田源三郎、後の信之で(次男の信繁ではないよ)茂兵衛とは昵懇の仲なのだ。地震があり、内緒で解放してくれた。信州総奉行の大久保忠世のもとまで帰ってきた。植田茂兵衛討ち死にということで、鉄砲大将の後任は埋まっていた。浜松に帰るしかない。家康は茂兵衛を身辺に置くことにした。馬廻役なのだ。秘書なのだ。軍令の裏にある本音を知る立場になる。軍制改革をする。茂兵衛は番頭を仰せつかった。物頭ではないぞ。旗頭の立場なのだ
読了日:11月30日 著者:井原 忠政
啓火心 Fire's Outの感想
著者の名前は[たちもりめぐみ]。俺は大山雄大、六本木の飯倉消防出張所の消防士だ。絵巻物を広げるようにお話しが連なって行きます。織り込まれるのは、違法薬物の製造拠点が次々と火事に遭うことだ。出会った男は、【長髪てかり男】と【も顔の男】、危険を感じる。もう一人【残念コラージュ男】がいる。仲間割れしている。薬物事件です。こんなにオオゴトな事件を世間に伏せたまま解決していく。スーパーマンが過ぎるよ。会話ばっかり。会話だけでお話しが運ばれていく。題名の啓火心、禅語かしら、解釈が述べてないので、意味はよく分かりません
読了日:11月28日 著者:日明 恩
タクジョ! みんなのみちの感想
前作に「タクジョ!」があります。評判が良かったんでしょうね。続けて書いて、と注文が入ったのでしょうね。前作のヒロインが高間夏子、東央タクシー。東央タクシーの勤務繋がりで章ごとに中心人物は変わる。タクジョとはタクシー女子を指すが、女ばかりではない、事務所勤務の男も出る。争いはない。争うほど人と人との繋がりが濃くないのだ。そんな薄い人間関係で面白いの。けっこう面白いのだ。主人公にはならないが、お客も俎板に乗ってくる。世間とは、いろいろあるもんですねぇ。最期の章は高間夏子、大トリだよ。内容は、日常、日常、普通に
読了日:11月25日 著者:小野寺 史宜
埋み火の感想
著者の名前は[たちもりめぐみ]。俺は大山雄大、赤羽台消防出張所の消防士だ。老人家庭から出火するのが頻発する。俺は勤務の明けの日に探ってみた。おかしいいぞ、火が出た家の住民は知り合いのようじゃないか。しかも、チビの少年が関係者に混じっている。出火して死亡した老人たち、命を取り留めた人も、事情が共通している。我が子のためを思ったり、恨みがあったり、親子の問題なんですよ。チビは中学生、こいつも親子関係で悩んでいる。失火で処理されているが、実は放火なのだ。俺の時間外の活動なのでそこは明らかにはしない。親子がテーマ
読了日:11月23日 著者:日明 恩
天国の修羅たち (角川文庫)の感想
「ヘルズドッグ地獄の犬たち」「煉獄の獅子たち」の最終篇。これまでに、警視庁はヤクザの東鞘会に警官を潜入させてきた。最初の潜入警官が居直って、ヤクザに成り代わり、ヤクザのトップに立った。続いて警官を送り込んだが、やはり裏切ってヤクザの幹部に登ったのがこれまでの経緯だ。前巻、前々巻では潜入警官の立場でお話しが展開していた。この巻では、若手女子警官がヤクザに反撃するお話しだ。警察の上層部できなくさい動きがある。それを暴くお話しだ。警官の名前が神野真利亜。これは絶妙な命名だ。腐っていない警察の部分が勝利するわけだ
読了日:11月20日 著者:深町 秋生
鎮火報 (双葉文庫)の感想
著者の名前は[たちもりめぐみ]。俺は大山雄大、赤羽台消防出張所の消防士だ。夜明けに一軒のアパート火事があった。鎮火するまでに天井で爆発があった。明け番でうろうろしていて夜中、またアパート火事に遭遇した。非番だけれど協力したよ。その時も爆発の気配を感じた。放水するな。爆発するぞ。アパートの住民は不法滞在の外国人ばっかりだった。入管の職員が付きまとって邪魔をする。このケースは、「警官は」シリーズの「そして、警官は奔る」の外国人不法滞在問題と同じじゃないか。お仕事小説は好きですよ。とりわけ、制服ものは大好物です
読了日:11月19日 著者:日明 恩
やがて、警官は微睡る<新装版> (双葉文庫 た 35-10)の感想
日明恩はたちもりめぐみと読みます。武本巡査部長は見合いで横浜に出かけた。見合いの後、ホテルはギャングに襲われた。武本も巻き添えになった。潮崎警視は神奈川県警本部に向かった。非番中なのに出勤した。無線から漏れる音は武本のものだった。潮崎が捜査に参加した。神奈川県警は手を出せなかった。武本が武装ギャング団を制圧していくのだ。このへんは、ブルース・ウィリスの映画、ダイ・ハードを連想してみてちょうだい。もともとは、見合いするためにこのホテルに来たのだったね。見合いのの成果はどうだったの。どうだったんだろうね。
読了日:11月15日 著者:日明 恩
そして、警官は奔る (双葉文庫)の感想
作家の名前はたちもりめぐみ。重い小説だよ。武本巡査部長は幼い子を救う。フィリピンの子で人身売買で買い取ったのだ。もちろん、児童ポルノ。これを手始めに、不当滞在の外国人が大勢出てくる。日本で生まれた子供は無国籍、子供が無国籍では母親も強制送還できない。前作でコンビだった潮崎はキャリアの試験に受かっている。半年後、警察のキャリア官僚に就任するのを待っている。武本と潮崎のデコボココンビが始まるのだが、警察のタガから外れた事件だもの。どうする、お二人。鎌田署での武本のコンビが冷血と呼ばれる和田なのだ。それぞれ警官
読了日:11月12日 著者:日明 恩
それでも、警官は微笑う (双葉文庫)の感想
作者はたちもりめぐみと読む。警官コンビ、武本巡査部長、潮崎警部補、理想的なデコボココンビ。事件現場で麻取の捜査官と遭遇する。麻薬とピストルを探っているうち出会ったものだ。小説の途中から書き方が倒叙法になる。犯人は中国大使館出の中国人。中国スパイは一掃したものの、その中国人は海に落ちて行方不明なのだ。次作に繋げる作戦なのやら。女流作家なんだが、細部に詳しいし、骨太だし、もっと多作であってほしい。神南署湾岸署の安積警部補、新宿署の鮫島警部、犯人側のモズ、こんな名前が会話の中にでてくる。饒舌過ぎて、空気がゆるむ
読了日:11月09日 著者:日明 恩
語学の天才まで1億光年の感想
筆者は冒険家、クレージー・ジャーニーにゲストで出たこともあります。アフリカ、インド、南米、辺境を行くので、現地の言葉が話せなきゃ身動きがとれない。必然的に、現地語は上達します。英語、フランス語、リンガラ語、ボミタバ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語、ビルマ語、シャン語、中国語、ビルマ語、ワ語。現地語を身に付けるには、とコツを説いているが、とてもとても、その通りには振る舞えません。最初、インドで詐欺に遭い、身ぐるみ剥がれる、これが海外旅の注意どころ、10代での経験です。冒険家として名をあげます
読了日:11月04日 著者:高野 秀行
鷹の系譜の感想
殺人事件、被害者は鉄パイプで目茶苦茶殴られて死亡していた。昭和天皇が崩御された日で、過激派の活動があると公安は緊張している。公安部の事件ではないと刑事部に渡された。捜査一課の高峰と公安一課の海老沢は同じ大学出身で警察同期なのだ。うまがあって、たまに一緒に酒を呑む仲なのだ。高峰は海老沢に連絡を入れた。ここから刑事と公安が末端で共同捜査するかたちになる。過激派も老齢化しているのですよ。ネタバレするわけにはいかないが、ヒントはこれです。高峰の父は刑事、海老沢の父も公安、双方の父親が仲が良かった。鷹の系譜の由縁
読了日:11月02日 著者:堂場 瞬一
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