我、鉄路を拓かん
「我、鉄路を拓かん」梶よう子 PHP
平野屋弥市の物語、弥市は入り婿で、商いの店を出していたが、土工の請負の仕事に転じた。
幕末には、品川沖、横浜沖に台場造りを請け負った。
明治政府になり、新橋横浜間に鉄道を敷く計画が持ち上がった。
兵部省が反対で、線路は海中に建設されることのなった。
台場建設の経験があり、平野屋弥市も参加することになった。
六章仕立てだが、四章は建設のやり取りが割かれ、すっかりビジネス小説になっている。
梶よう子のこれまでの得意は長屋ものだが、サクセスストーリーだから、変わりはない。
お雇い外国人のモレルだが、現場好きで、好感の持てる人物なのだ。
請負元締めが年若なのだが、だんだんと人間が練れてくるところなどは、こうでなくっちゃ。
モレルでさえ、海中に鉄道線路を建設することは初めてなのだ。
自然の猛威を排し、地元の嫌がらせに抗して、鉄道線路は完成したのだ。
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