乱鴉の空
「乱鴉の空」あさのあつこ 光文社
「弥勒」シリーズの最新刊なんですが、「弥勒」シリーズとは名乗っていない。
設定も登場人物もシリーズそのままなんですが、なぜそう名乗らないんだろう。
冒頭、主人公の一人の小暮新次郎が行方不明になった。
手下の岡っ引き伊佐治も大番屋に引っ立てられた。
遠野屋清之介は伊佐治の釈放に動く。
小暮新次郎が姿を現すのは、物語の9割も進んだ頃に出てくる。
なんで隠れたのか狙われたのか、いまいち事情が呑み込めないなぁ。
まれ吉という新キャラクターが登場する。手妻を得意とする。
この巻だけの登場なのか、この先も活躍するのか。楽しみ。
あさのあつこは中国典籍の漢字を駆使すると、弥勒シリーズの「夜叉桜」で褒めました。
この巻でも、あさのあつこならではの言葉遣い。
地に滾(たぎ)る
身を暗(くら)ます
笑みを湛(たた)え
あっしの眼(まなこ)
言い包(くる)める
傍(かたわ)らに置いて
眦(まなじり)を吊り上げた
髷(まげ)は解(ほど)け
窘(たしな)められて
蛻(もぬけ)の殻(から)
仰(おっしゃ)って
詰(なじ)るつもりはなかったが
為人(ひととなり)も身上(しんじょう)も知らねえ
泡銭(あぶくぜに)
与(あずか)り知らぬ
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