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2023年2月 2日 (木)

乱鴉の空

「乱鴉の空」あさのあつこ 光文社
「弥勒」シリーズの最新刊なんですが、「弥勒」シリーズとは名乗っていない。
設定も登場人物もシリーズそのままなんですが、なぜそう名乗らないんだろう。
冒頭、主人公の一人の小暮新次郎が行方不明になった。
手下の岡っ引き伊佐治も大番屋に引っ立てられた。
遠野屋清之介は伊佐治の釈放に動く。
小暮新次郎が姿を現すのは、物語の9割も進んだ頃に出てくる。
なんで隠れたのか狙われたのか、いまいち事情が呑み込めないなぁ。
まれ吉という新キャラクターが登場する。手妻を得意とする。
この巻だけの登場なのか、この先も活躍するのか。楽しみ。

あさのあつこは中国典籍の漢字を駆使すると、弥勒シリーズの「夜叉桜」で褒めました。
この巻でも、あさのあつこならではの言葉遣い。
地に滾(たぎ)る
身を暗(くら)ます
笑みを湛(たた)え
あっしの眼(まなこ)
言い包(くる)める
傍(かたわ)らに置いて
眦(まなじり)を吊り上げた
髷(まげ)は解(ほど)け
窘(たしな)められて
蛻(もぬけ)の殻(から)
仰(おっしゃ)って
詰(なじ)るつもりはなかったが
為人(ひととなり)も身上(しんじょう)も知らねえ
泡銭(あぶくぜに)
与(あずか)り知らぬ

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