コスメの王様
「コスメの王様」高殿円 小学館
利一はドブの落ちて気を失い、ハナに助けられた。
ハナは神戸の花隈花街のおちょぼだった。
ハナは家が没落して花街に身を売られ、利一も学校には行けず丁稚奉公をしている。
次に二人が会ったとき、利一は大分の問屋の神戸支店長となり、ハナも花千代として一本になっていた。
さらに利一は独立し、自分の商売を始める。
風呂での洗い粉でヒットし、従来の鉛の入ったおしろいから無鉛のおしろいを開発する。
ハナと利一はいずれ一緒になるものと世間からは見られていた。
ハナの兄はヤクザで、親戚になれば絶対利一の商売に食い込んでくるだろうと予想できた。
ハナは兄の縁を切ろうとアメリカに渡った。
クラブ化粧品=中山太陽堂がある。戦後、倒産した。
この小説では、ハート化粧品=永山心美堂と名乗っている。
エピソードの多くは重なっているだろうが、ハナは創作上の人物だろうな。
大企業の勃興も面白いが、少年と少女の結びつきがキーになっている、そういうロマンスなのだ。
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