4月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2676
ナイス数:97
ぜにざむらいの感想
岡源八、若狭の小領主のこども、朝倉が負けて所領を捨て逃げ出した。山に入って獣を狩り、浜の商人に売って金を得た。ちからになってくれたのは敦賀の商人、久治、久治の勧めで近江の蒲生家に仕官した。蒲生氏郷は伊勢松坂に転封になった。岡源八は金貸しを始めた。ぜにざむらいとそしられた。蒲生氏郷はさらに会津に転封になった。氏郷の死後、蒲生家は家中の統制が取れなくなり、転封になった。小大名に格下げとなった。岡源八は岡佐内と名前を変えていた。蒲生家を退去して会津に残った。新しい領主の上杉家に仕えた。上杉家は徳川家康に歯向かっ
読了日:04月30日 著者:吉川永青
誰に似たのか 筆墨問屋白井屋の人々の感想
第六話までの短編集です。白井家の人々が次々に出てきて物語を紡ぎます。商家の務めは身代の継続です。若い嫁は必ず後継を産まなきゃなりません。出来れば、控えとして次男まで欲しい。子供が産まれなきゃどうするか。妾を持つのも良しとします。妾から産まれた子を引き取るのです。語り口調が落語のままです。ぬるい口調で語っているが、語っている内容は決してぬるくはありません。横から見れば江戸落語だなぁ。もちろん、これは裕福な商家でのお話し、職人の世界では、妾などおととい来ゃがれ。カライ中身のお話ですが、面白いから読んでごらん。
読了日:04月27日 著者:中島 要
どんがら トヨタエンジニアの反骨の感想
トヨタの会長社長の伝記じゃありません。取締役にも就任しなかった主査の伝記です。しかも、量販車ではなく、スポーツカーを担当した男の伝記です。多田は三菱自動車から退社して起業した。そんな経歴の男がトヨタに入社した。トヨタには86(ハチロク)と呼ばれるスポーツカーの名車があった。再びスポーツカーを販売することを目指した。多田が起用された。傘下に加えたスバルで製造することになった。企業文化の違う両社でケンカしながら造ることになった。ノンフィクションなんですよ。骨法は小説と同様で、山場があって、対立と折り合いがあっ
読了日:04月21日 著者:清武英利
SGU 警視庁特別銃装班の感想
自衛隊レンジャー隊員の吉良と加成屋の二人は非番中に銀行強盗に遭遇した。二人は強盗団を殲滅した。世間の非難を浴びた。自衛隊員が殺した。退職するしかなかった。数年後、警視庁特別銃装班が創設された。二人はリクルートされた。日本は密輸銃であふれていた。特別銃装班は大っぴらに行動した。強盗団を殲滅するのに躊躇しなかった。世論は、今度は非難するどころか賞賛した。強盗団は行動を控えるようになった。首魁は元悪徳警官で、銃を梃子にしてやくざを支配している。銀行強盗団の最終目的は全銀システムのネット決済で、日銀を狙っている。
読了日:04月19日 著者:冲方丁
コスメの王様の感想
利一はドブの落ちて気を失い、ハナに助けられた。ハナは神戸の花隈花街のおちょぼだった。ハナは花街に身を売られ、利一も貧しく丁稚奉公をしている。次に二人が会ったとき、利一は大分の問屋の神戸支店長となり、ハナも花千代として一本になっていた。さらに利一は独立し、自分の商売を始める。風呂での洗い粉でヒットし、従来の鉛の入ったおしろいから無鉛のおしろいを開発する。ハート化粧品=永山心美堂とを設立した。ハナと利一はいずれ一緒になるものと世間からは見られていた。ハナの兄はヤクザで、ハナは兄の縁を切ろうとアメリカに渡った。
読了日:04月16日 著者:高殿 円
合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明の感想
前作「合理的にあり得ない好評で、シリーズ化したのかな。○○的にあり得ない、この縛りで、物理的にあり得ない、倫理的にあり得ない、立場的にありえない、の三篇。最初のは、レッドリストの希少動物を探す案件。2番目は、親権を取り戻す案件。最後のは、リストカットを繰り返す自殺願望者を引き戻す案件。合理的に、倫理的に、これらのストーリーは納得、立場的に、これは立場がどう絡むかは未消化。ストーリーを組んで、題名に「○○的にあり得ない」どう命名するかが問題ですねぇ。この先もこのシリーズを続けられるか、ネタ的にあり得ないか?
読了日:04月13日 著者:柚月 裕子
令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法の感想
絶対ギャグ満載だろうと読み始めました。違った。カライじゃないか。違和感満載で読みづらい、骨が折れる。一、動物裁判 礼和四年「動物福祉法」及び「動物虐待の防止等に関する法律」二、自家醸造の女 麗和六年「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達(通称:どぶろく通達)」三、シレーナの大冒険 冷和二十五年「南極条約の取り扱いに関する議定書(通称:南極議定書)」四、健康なまま死んでくれ 隷和五年「労働者保護法」あるは「アンバーシップ・コード」ここまで読んでギブアップしました。この続きは毒が満載です。これ以上はよう読めん
読了日:04月12日 著者:新川 帆立
94歳、自撮りおばあちゃん やりたい放題のひとり暮らしの感想
これ、書いた本じゃないでしょう。口述筆記、でもないな、インタビュー、ひとり語りを録音して文字起こししたものでしょう。72歳でカメラを始める。息子はカメラマン、アートディレクター、遊美塾を熊本で始めると、そこに混じってしまう。写真の処理にパソコンを始め、ソフト=フォトショップ、イラストレイターで写真加工を施す。ゴミ袋のばあさん、物干しざおのばあさん、空中遊泳、車にひかれる、これらは自虐写真として有名です。評判になり、アドビのCMに写真が掲載される、雑誌の表紙写真に掲載される。フォトショップでの作業手順まで順
読了日:04月09日 著者:西本 喜美子
文豪、社長になるの感想
菊池寛の一代記なんですよ。明治生まれの男で、社会に出たのが大正のころ。新聞記者から始まった。新聞への連載小説で評判を上げた。同人誌というのがあります。文士仲間のために同人誌を起ち上げた。文芸春秋。売れました。文芸だけでなく、社会評論も柱にして総合雑誌を目指す。社長になった。企画として、芥川賞・直木賞を設けた。二人とも同人なのだ。戦争の喧騒に抗したが、軍部に乗せられて、戦意高揚の片棒を担ぐことになった。戦争に負けました。戦犯となりました。文芸春秋社は解散し、文芸春秋新社を起ち上げた。菊池寛は文芸春秋を離れま
読了日:04月07日 著者:門井 慶喜
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