6月に読んだ本
6月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2384
ナイス数:103
まいまいつぶろの感想
徳川吉宗、三人の子がいる。長男家重、この子は出産時にへその緒が巻き付いて酸素不足となり、話す言葉が聞き取れない。足に障害、手にも障害があり、筆を持てない。膀胱にも障害があって、常に垂れ流しとなる。小便の濡れた跡が残るので、口の悪い大名はまいまいつぶろ(かたつむり)と噂する。秀忠の次期将軍を家康は長子相続と祖法を定めた。祖法に従うか、現実を優先させるか。旗本の子弟の上様拝謁の折り、ひとりの若者が家重の言葉が聞き取れるのが分かった。さっそく、登用して、小姓に任命、通訳者とする。名前が大岡忠利、大岡忠相のはとこ
読了日:06月27日 著者:村木 嵐
藩邸差配役日日控の感想
「高瀬庄左エ門お留書」や「黛家の兄弟」と同様に、海山藩でのことだと思って読み始めました。違った、神宮寺藩七万石、江戸藩邸のことと書いてある。主人公は里村五郎兵衛、差配役を勤めている。オール読物連載の短編で五篇。差配役とは会社でいえば総務、いろんな事件が巻き起こります。若君が一晩行方不明になったり、江戸家老と留守居役の派閥争いがあったり、台所にベッピンの女中を雇って男どもが騒いだり、奥方様の猫が行方不明になったり、江戸家老と留守居役との政争がさらに激しくなったり、差配役の日常にしてはいささか激しすぎるものが
読了日:06月24日 著者:砂原 浩太朗
徳川家康 弱者の戦略 (文春新書 1389)の感想
各所への連載の寄せ集めではありません。書き下ろしかな、徳川家康に集中した考察です。徳川家は最初から揺るぎない体制ではなかった。かなり危ういとところを切り抜けてきたのだ。NHKの大河ドラマ「どうする家康」に心を寄せながら、そうなんだよと語っています。本来、歴史論文は一次資料に拠らなければならない。二次・三次資料には嘘・捻じ曲げが介在している。それでも、時代の空気感はそこにはある。数十年後、百年後に書かれた書物でも、後講釈と読むか、時代の潮流と読むか。最新の学術書、啓蒙書を紹介しながら、徳川家康の業績を語っ
読了日:06月23日 著者:磯田 道史
警官の道の感想
警察小説のアンソロジーです。
知ってる作者の小説は面白く、嫌いな作者の小説は嫌いで、知らない作者の小説は興味が湧きません。
短い小説だから、すぐにストーリーを終えなきゃなりません。
クローゼット(深町秋生)、聖(柚月裕子)、短い中にどんでん返しがあって、さすがは好きな作者の作品だ。
知らない作家のもので、これは追いかけてみようという気にさせるものはありませんでした。
読了日:06月14日 著者:呉 勝浩,下村 敦史,長浦 京,中山 七里,葉真中 顕,深町 秋生,柚月裕子
署長シンドロームの感想
隠蔽捜査シリーズのスピンオフです。大森署の竜崎署の後任に藍本小百合署長が赴任してきた。新任署長、とにかく美人です。美人なら仕事ができないか。いいえ、恐ろしく切れ者です。湾内沿岸でヘロインの取引があると情報があります。東南アジア系の半グレと中国マフィアの取引だということです。情報の出先はCIAだとか。捜査本部ならぬ前線本部が大森署に置かれます。大森署、本庁組対本部、公安、海上保安庁、などが組み込まれます。とにかく署長がベッピンということで、何度もクスクス笑いが起こります。前任の竜崎署長と同様に原理原則派なん
読了日:06月11日 著者:今野 敏
鬼哭の銃弾の感想
22年前、東京府中でスーパーいちまつで売上金強盗があった。巻き添えで店長と女性従業員二人がピストルで殺された。22年後、川の堤防で発砲があり、銃弾の線条痕はスーパーいちまつでの線条痕と一致した。日向は捜査一課に所属している。この件の捜査に携わった。父親の影が浮かんできた。父は警視庁の警官でいちまつの捜査にも参加していた。父親はひどいDV野郎で、妻も息子も虐待を受けながら暮らしていた。母は亡くなり、父は離れていった。捜査にあたって再び父とまみえる。退職後もずっと個人的に犯人を追って的を絞るところまできていた
読了日:06月07日 著者:深町 秋生
中国人が日本を買う理由 (日経プレミアシリーズ)の感想
プロローグ 富裕層が日本に移住する理由 第1章 安心できる国、不安になる国 第2章 留学、起業、そして----彼らが日本を選ぶ理由 第3章 日本のビルは、上海のマンション1室の価格 第4章 中国人を悩ます母国のモーレツ主義 第5章 「日本式おもてなし」の危機 第6章 日本人が知らない、日本文化の底力 エピローグ 豊かになった中国人は幸せか 1~4章はよく聞いたことがあるでしょう。5、6章は始めて聞いたこと。ある中国人の言葉、日本の不動産の買いあさりは恐怖かもしれません、それだけ価値があることに自信を持たな
読了日:06月04日 著者:中島恵
トランパー 横浜みなとみらい署暴対係の感想
みなとみらい署の諸橋警部と城島警部補、県警本部の二課長から依頼を受けた。詐欺事件で、容疑者が暴力団だから力を貸してほしい。詐欺事件は解決するが、現職の刑事が殺された。県警本部の暴対を巻き込むは、公安も巻き込むは、本部の捜査一課まで巻き込んでしまう。本部で各課長を勢ぞろいさせるのが見物です。中国の公安だか国家安全部だか、面倒なヤツも巻き込んでしまう。国際的なコンテナ不足、コンテナを寄せ集めてひと儲けを図るのが発端です。題名を解き明かすと、定期船がライナー、不定期船がトランパー、コンテナから連想した題名です。
読了日:06月03日 著者:今野敏
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