八本目の槍
「八本目の槍」今村翔吾 新潮社
賤ケ岳七本槍、豊臣秀吉が柴田勝家と覇を争った戦場でのことだ。
秀吉の小姓七人が手柄を立てた、と言い伝えがある。
この小説は、賤ケ岳合戦の記述はない。
小姓時代の日常とか、朝鮮出兵、関ケ原のことを描いている。
幼名を、虎之助、助右ヱ門、甚内、助作、孫六、権平、市松。
名乗りを、加藤清正、糟屋武則、脇坂安治、片桐且元、加藤嘉明、平野長泰、福島正則。
戦場働きはなかったが、もうひとり、佐吉がいる。
佐吉、のちの石田三成がこの小説のキーパーソンなのだ。
加藤清正、福島正則ぐらい、有名な武将は。
他はよく知らない武将ばかり、それぞれの成り行きを語る。
七篇の短編小説を語るようで、一篇の長編小説を語っているのだ。
今村翔吾の構想はユニーク、このような設定は読んだことがない。お勧めです。
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