7月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2960
ナイス数:98
隠居おてだまの感想
「隠居すごろく」では孫の千代太がお話しの芯になっていたが、娘のお楽がお話しの芯になる。亭主と死別して帰ってきたが、男漁りの行儀が悪い。とうとう孕んでしまった。相手は錺職の職人で、ええ男をヒットしたもんだ。新しい道具を考案して、これはモノになるぞ。これはぜひとも娶(めあ)わせて、商売でも一山築こう。隠居の嶋屋徳兵衛に内緒で話を詰めているのだが、ばれそう、あ、ばれそう。隠居がへそを曲げると、お話は全部潰れてしまいそう。そんなこと言っても、最後はハッピーエンドで終わるんだろう。いいえ、バッドエンドになってしまい
読了日:07月27日 著者:西條 奈加
ペニー・レイン 東京バンドワゴンの感想
東京バンドワゴンシリーズ18作目です。年一回、毎年四月になると出版されます。春夏秋冬、4作の中編から成り立っています。秋篇、ペニー・レイン、隣接する元風呂屋が売りに出されようとしています。青は貯蓄をはたいて買い取ろうとします。スタジオにしたり、教室にしたり、文化系の会社を設立しようとします。「東京バンドワゴン」を発見して読み始めたのが2021年10月です。なんだか満腹感があるな。もう、極めた、という気がするのですよ。周辺の人物も退場し始めています。来年の4月になって、次も読みたい、という気になるかしら。
読了日:07月21日 著者:小路 幸也
三河雑兵心得【十一】-百人組頭仁義 (双葉文庫 い 56-12)の感想
植田茂兵衛、侍大将になるはずだった。どこで横槍が入って、足軽大将のまま据え置かれた。鉄砲百人、槍組、弓組、荷駄隊、合わせて300人の軍勢を預かる身分になった。真田への対応は植田がええ。真田を徳川に引き付ける策はなにかあるか。真田の総領の源三郎様に縁組してはいかがでしょう。本多平八郎様のご息女、於稲様ならいかがでござろう。とんとん拍子に事は進んで、この縁組は無事できました。時代は秀吉の小田原征伐の直前なんですよ。真田と北条の領地争いで秀吉の介入は間近い。真田の去就が問題なのだ。真田を徳川の陣営に引き込みたい
読了日:07月19日 著者:井原 忠政
機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ文庫JA)の感想
機龍警察シリーズの4作目です。前3作を読まずに取り付いてしまいました。舞台はチェチェン、チェチェン国家とロシアによって、チェチェンの民族はボロボロにされました。チェチェンの女は組織して、武装しました。黒い未亡人という軍団を結成しました。一方、日本では、警察に改革が始まっている。特捜部が新設された。龍騎兵を擁し、メカニックと外国人傭兵を抱えているのだ。その黒い未亡人が日本に現れた。だしぬけ感があるが、読み進めると、理由があるのだ。特捜部と黒い未亡人との戦いが始まる。ガンダムのようなスーツマシン同士での対戦で
読了日:07月17日 著者:月村 了衛
限界国家の感想
これは小説だが、本来なら、新書本で解説書・啓蒙書として出版されるべき本だ。財界の大立者が半年後にはわたしは引退する、それまでにレポートをいただきたい。コンサルタント会社に依頼が届く。内容は、出生率がこんな状態では、20年後、30年後の日本はどうなっているだろう。依頼を受けて、調査が始まる。このような低い出生率では人口減少は避けられない。コンピューターや機械に置き換えられて、職業寿命が到来する。職業が消滅するのだ。人口が減れば患者も減少する。医者も必要な人数が減少する。国民健康保険が破綻する。収支がアンバラ
読了日:07月11日 著者:楡 周平
にべ屋往来記の感想
徳川家康の息子信康が切腹を強いられた。家康の老臣の平岩親吉は若君を守り切れなかったのを慚愧して自家を絶やすことを図った。妻・お蕗は出ていき、その時は懐妊していた。平岩親吉の家臣・鞆之助は主家を出奔してお蕗を助けに走った。お蕗・鞆之助は夫婦の体を装って、この地まで流れてきた。駿河の東海道、身延道が始まる宿場が万沢宿、そこへはたご屋のにべ屋を開いた。にべ屋を開いたころは武田を織田・徳川が撃破したころ、今は大坂の陣がはじまろうとするころ。みごもったまま去ったのち、生まれた子は智吉という名前で、にべ屋の主人なのだ
読了日:07月08日 著者:村木 嵐
青光の街(ブルーライト・タウン) (ハヤカワ・ミステリワールド)の感想
再読本。題名にブルーライト・タウンとルビがある。世間では連続殺人事件が起きる。ブルーライト殺人事件と呼ばれる。青壁ユナはブルーライト探偵社の所長。ユナのPCに「たすけて」と主題だけのメールが来る。主題だけで本文はない。大学時代の友達だ。調査に取り掛かる。最初は、生活感がないなぁ、と架空のお話しのように遠かった。段々と、これは探偵小説じゃないか、大正昭和の探偵小説の骨法じゃないか。巻末になって、生活感が書かれていに理由が分かりました。連続殺人の犯行動機が理解できない。松本清張以前の小説です。満足感が湧かない
読了日:07月06日 著者:柴田 よしき
八本目の槍 (新潮文庫)の感想
賤ケ岳七本槍、豊臣秀吉が柴田勝家と覇を争った戦場でのこと。秀吉の小姓七人が手柄を立てた。この小説は、賤ケ岳合戦の記述はない。小姓時代の日常、朝鮮出兵、関ケ原のことを描いている。虎之助、助右ヱ門、甚内、助作、孫六、権平、市松。加藤清正、糟屋武則、脇坂安治、片桐且元、加藤嘉明、平野長泰、福島正則。戦場働きはなかったが、佐吉がいる。佐吉、のちの石田三成がこの小説のキーパーソンなのだ。有名な武将は加藤清正、福島正則ぐらい。他はよく知らない武将ばかり、それぞれの成り行きを語る。七篇の短編小説を語るようで、長編小説を
読了日:07月02日 著者:今村 翔吾
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