8月に読んだ本
8月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2965
ナイス数:120
津軽の髭殿の感想
津軽の合戦譚です。地名が分からない、人名に馴染みがない。津軽の某家に血筋のよろしい男が入り婿します。最初は軽くあしらわれるが、こいつ、なかなかの男です。合戦を重ねて、頭角を顕わして行きます。合戦の規模は何百人の規模です。千人二千人の合戦となると大合戦です。次第に津軽一円を斬り従えて行きます。そこへ登場するのが豊臣秀吉、惣無事令を発します。トランプで言えばジョーカー、なんでもあり。一挙に読む気が消えてしまいました。読みたいのは国の果ての小さな合戦の行く末なんですよ。すまん、これ以上読む気がなくなりました。。
読了日:08月29日 著者:岩井 三四二
ノウイットオール あなただけが知っているの感想
松本清張賞受賞、受賞作で単行本デビュー。検索してみると、作者は男なのだ。5章プラスエピローグの構成。前の章の誰か別人が主人公で次の章が始まって行く。それぞれの章は無関係。第1章 推理小説「探偵青影の現金出納帳」第2章 青春小説「イチウケ!」楽に読めたのはこのふたつ、これらは日常の延長にあるから。他はぶっ飛んでいます。理解共感を越えていて、没入も何も歯が立たない。小松左京賞の間違いじゃありませんか。あるいは山田風太郎章。ノウイットオール あなただけが知っている Know It All 誰が何を知っっているん
読了日:08月26日 著者:森 バジル
八月の御所グラウンドの感想
「十二月の都大路上下(カケ)る」「八月の御所グラウンド」の二篇を収録。十二月のは、高校駅伝女子の部のお話し。隣のランナーとバチバチの争いをした。歩道では、新選組の隊士と一緒に走っているようだった。八月のは、たまひで杯を争って五チームが野球の対戦をする。借金のツケで、チームに加わることになった。えーちゃんという助っ人は沢村栄治ではないか。お盆の時期の対戦だからあの世から帰ってきているんじゃないか。万城目学の出世作の「鴨川ホルモー」の匂いがする。どっちの作品も、最近の作風ではなく、初期のころの匂い・味がある。
読了日:08月20日 著者:万城目 学
ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルトの感想
ザイム真理教とはオーム真理教のもじりです。ふざけた題名です。題名にも係わらず、内容は極めてマトモです。財務省のテーマは均衡財政、国債に頼らない財政ということです。大いに国債を発行すればええやん、国債は償還しなくてええやん。高橋洋一と同じ立場です。違うのは、高橋洋一は自公政権の立場に立ち、森永卓郎は立憲民主にアドバイスする違いです。同じ内容を語っても、二人のアナウンス力は大きく差が開きます。ザイム真理教、題名は激しく変化球ですが、内容は極めてストレートです。違う題名の本だったらもっと受け入れられたのかもしれ
読了日:08月18日 著者:森永 卓郎
あなたの日本語だいじょうぶ?の感想
副題に、SNS時代の言葉力。基本は「サライ」連載のコラムに埋め草の文章を加えたもの。ご本人、古希になって、今では名誉教授の身分なんだそうです。新しい言葉をピックアップするのは今でも目を広げている。なかなかのもんだ。わたしと同じような語句に反応している、そこに文明批評・文化評論を加える。それがヒットするか、的外れか、たいがい納得のいくコメントです。あなたの日本語だいじょうぶ?この題名は著者の意思かなぁ、出版社の意向かなぁ。そんなに意地悪な内容ではないから、出版社の[売らんかな]の意向でしょうね。肩の凝らない
読了日:08月16日 著者:金田一秀穂
てらこや青義堂 師匠、走る (小学館文庫 Jい 3-1)の感想
坂入十蔵は忍者の家の次男坊だ。忍者を辞して寺子屋の師匠になった。寺子屋の筆子に、鉄之助、御家人の子、吉太郎、商人の子、源也、大工の子、千歳、加賀藩上士の子、これらがキャラクター。それぞれ事件が起き、忍者の技で解決していく。十蔵は妻帯していた。事情があって離縁していた。四人の子のお供でお伊勢参りに行くことになった。幕府の忍者ではない野の忍者群がいる。人質の人質として、離縁した妻睦月を人質に取った。これ以上筋書きを述べるのはやめておきます。今村省吾、蘊蓄が深い。お話の途中に蘊蓄のあれこれを混ぜ込むと、面白いの
読了日:08月11日 著者:今村 翔吾
童の神 (ハルキ文庫 い 24-7 時代小説文庫)の感想
プロローグが取っ付きにくい。読むのを止めようかと思うが、本編に入るとスムーズに読める。平安の世の中です。都の殿上人が栄耀栄華、地方の民は飢えに瀕している。京(みやこ)人は、土蜘蛛、鬼、夷などを化外の民として、童(わらべ)と呼んだ。童とは尊称ではない、蔑称なのだ。藤原道長の指揮のもと、源満仲が首魁、源頼光、渡辺綱、坂田金時などが従う。歯向かうは、桜暁丸(おうぎまる)、袴垂、花天狗など。葛城山に拠り、畝傍山に拠り、大江山に拠る。京人からは酒呑童子と呼ばれる。悲劇で終わります。そういう史実だからね。そこは逆らえ
読了日:08月10日 著者:今村翔吾
チャンバラ (単行本)の感想
宮本武蔵のお話し。父、新免無二と、子、宮本武蔵のお話しだ。新免無二と吉岡憲法が戦う。六歳の弁之助もその試合に立ち会った。新免無二が勝った。その後弁の助も成長し、13歳となった。最初の試合は有馬喜兵衛、勝った。少年は宮本ムサシと名乗っていた。途中省略、23歳の宮本武蔵は吉岡清十郎と立ち会った。勝った。吉岡一門の恨みを買い、吉岡伝七郎を倒し、一門の百人以上を斬った。さらに途中省略、中年の宮本武蔵は佐々木小次郎を倒した。宮本無二と宮本武蔵が戦った。武蔵が勝った。五輪書などの宮本武蔵以外の姿です。勝つ手口、方法の
読了日:08月07日 著者:佐藤 賢一
三千円の使いかた (中公文庫 は 74-1)の感想
〇三千円の使いかた 孫美保、祖母が言った、三千円の使いかたで人生が決まるよ。〇七十三歳のハローワーク 祖母琴子 年金だけでは心もとない、もうちょっと金が欲しい。〇目指せ!貯金一千万円! 美保、もっと切り詰めて一千万円貯めようかな。〇費用対効果 祖母の知り合い安生、四十手前のプータローだが、やっと結婚に真剣になる。〇熟年離婚の経済学 美保の母智子、ガンの手術後でも夫は家事をしない、離婚を考える。〇節約家の人々 美保、結婚に踏み切ろうかな、恋人に奨学金返済問題が浮上。小説よりも証券会社のセミナーのネタのほうが
読了日:08月04日 著者:原田 ひ香
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