プリンシパル
「プリンシパル」長浦京 新潮社
戦争が終わる頃のこと、ヤクザの水嶽(みたけ)本家の親分、水嶽玄太は亡くなった。
水嶽商事(株)と表の看板は掲げている。
水嶽綾女は女学校教師の身分だが、水嶽商事(株)の会長兼社長を引き受けることになった。
長兄の水嶽鱗太郎がシベリアから復員するまで預かろう。
戦後のヤクザは水嶽商事が席巻した。
GHQとも結んだ。
公設市場=マーケットを作り、競輪・競艇を始めて実権を握った。
長兄の水嶽鱗太郎が復員して、会長兼社長に就任した。
ヘタという声が上がって、鱗太郎が綾女を襲撃し、返り討ちになった。
旗山市太郎(鳩山一郎)と吉野繁実(吉田茂)、両方とも水嶽組と利害で結ばれていたが、綾女は旗山を選んだ。
最後は勧善懲悪です。勧善懲悪とはなぁに。勧善懲悪です。
ヤクザが上場会社を持つとは聞いたことがない。
そう、ヤクザが会社を上場するなどと、荒唐無稽なお話しなんです。
東映ヤクザ映画ではない、別のヤクザのお話しなんです。
プリンシパルとは主役、表紙にはバレーの主役の絵が描いてあります。
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