5月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:4309
ナイス数:132
魔女の盟約 (文春文庫 お 32-8)の感想
私は浪越島=地獄島を火の海にして脱出した。ヘリの行く先は韓国。韓国でもドンパチがあった。さらにここから中国へ脱出した。手引きしたのは白理、元警官、夫と子供を殺されて復讐に燃えている。北原が私の通名だが、仮の名前。中国に朝鮮族がいる。そこのマフィアが朝鮮族のマフィアを構想した。中国在住の朝鮮族、韓国人のやくざ、在日のやくざ、朝鮮族で固めた組織を作ろう。中国公安と日本公安、それに日本のやくざ組織が絡んだお話しになる。中国大使館の中国軍も。黄や金という名前の男がいるが、中国朝鮮族なのか韓国人なのか定かではない。
読了日:05月29日 著者:大沢 在昌
本のエンドロール (講談社文庫)の感想
慶談社の子会社で印刷会社の豊澄印刷の社員のお話し。浦本はロマンチスト、印刷会社はメーカーですと言い切る。先輩の仲井戸はリアリスト、注文された仕様をきっちり果たすだけ。二人とも営業。印刷職人もギリギリの納期で回している。慶談社の事情も語られるし、小説作家の事情も語られる。印刷会社の内情がこれほどルル細かく語られることは空前絶後だろうな。映画ならエンドロールにスタッフの細々が流れるでしょう。この本では異色、巻末に、実際の印刷会社は豊国印刷(株)印刷に関わった職人全員の名前が書いてあります。運送会社まで列挙して
読了日:05月24日 著者:安藤 祐介
あんまりな名前の感想
1章「バカマツタケ」食べてみませんか 2章きみって「ヘクソカズラ」みたいだね 3章「ピカソ」は、なぜ寿限無寿限無~より長い? 4章誤植じゃありません、「南あわじ市市市」 5章一体、どっちなんだ、「チビオオキノコ」!? 6章今晩の夕食は、「さつきみどり」の漬物です 7章「ウッカリカサゴ」に罪はありません 8章「東京ドイツ村」、さてどこにあるでしょう? 永年書き溜めたメモ帳、いや、筆者の職業からするとネタ帳からピックアップして書き上げたもの。イラストは庄野ナホコ、見開き2ページの左面にイラスト、四つに組んでい
読了日:05月23日 著者:藤井 青銅
ゆうびんの父の感想
前島密の物語です。さぞかし湯便事業の始まりから、と思うでしょ。550ページの分厚い本ですが、明治政府に出仕するのが391ページ。7割ほどのマクラがあって、3割の本編があるのです。産まれた名前は上野房五郎、武士の家に生まれたが、父親が亡くなって、今は百姓の身分です。運良くも漢籍を学び、長崎に留学して、オランダ語から英語に転じて語学を身に着けます。幕末の幕末、御家人の末期養子となって、前島房五郎と名乗る。のち、前島密と名前を改める。明治政府に出仕してからは、怒涛の勢いで働き始める。郵便を基礎から作り上げたのは
読了日:05月22日 著者:門井 慶喜
魔女の笑窪 (文春文庫 お 32-7)の感想
魔女シリーズの第1作目。ヒロインは水原、水原さえ仮名かもしれない。第1章から第10章までの連作短編小説集。読んで行くうち、作者の構想が分かってくる。これは復讐譚だ。売春の島への仕返しのお話しなのだ。浪越島は九州の島、そこは娼家の島、そこで娼婦として過ごして、延べ何千人もの客を取る。脱出したのだ。水原の現在の職業はコンサルタント、そして投資業、もちろん裏稼業。筋肉技は使わない。女の技と読みと知恵で世の中を渡っているのだ。題名の魔女の笑窪に深い意味はない。第1章のタイトルが魔女の笑窪、それを本の題名に採用した
読了日:05月15日 著者:大沢 在昌
台北アセットの感想
サブタイトルに、公安外事・倉島警部補 後輩の西本がゼロの講習から帰ってきた。台湾で日本の会社の台湾法人がハッカーに潜入された。公安総務課に作業にすると申し込んだ。相棒に西本を申請した。作業にすると決定した。二人は台湾に飛んだ。台湾法人のハッカーへのバリアが述べられます。ここは興味の惹かれるところ。サイバー防衛の技術者が殺された。台湾警察から排除されそうになる。台湾の公安部門からの後押しもある。ここは台湾警察の部門間のせめぎあい。今回、倉島警部補は生きるか死ぬかの攻防があるわけじゃない。頭脳警察だけのお話し
読了日:05月14日 著者:今野 敏
ゼロ打ちの感想
投票の即日開票のその時間直後に当選当確を打つことをゼロ打ちと言います。お話しの筋はふたつ。大和新聞で選挙本部が組織され、社会部遊軍の片山芽衣が配属された。衆議院東京一区に若山慶介が立候補した。前職は引退し、新参者候補だからスタッフ陣営は寄り合い所帯だ。中村圭二は茨城選出の代議士から応援に参加した。他には都会議員の秘書が別動隊で参加している。片山は都会議員が死亡したのは病気ではなく殺されたのではと疑問を持っていた。巻末で二つの事件が結び付きます。出し抜け感が拭えないな。まだ、きっぱりそうだとは言い切れない。
読了日:05月13日 著者:相場 英雄
アガタの感想
ヒーローヒロインがなかな見つけにくい。最初に登場するのは桜端道、彼は雇われスタッフ、コンピューター技術者。上司の鵜飼縣(あがた)見かけはコスプレイヤーのようだが、実は警視。お話し変わって殺しの現場、女子大生の美術学生が殺された。文学部出の東大生、青木一はノンキャリア身分で警視庁に就職した。頼りないけど、一生懸命、捜査に専念している。さては、青木が主人公か。そうでもない、実は鵜飼縣がヒロイン。ITを駆使して、真犯人を探り当てる。副産物として大物もヒットさせる。本の題名はアガタ、ヒロインは最初から打ち出してあ
読了日:05月05日 著者:首藤 瓜於
クスノキの番人 (実業之日本社文庫)の感想
直井玲斗はクスノキの番人になった。勤務先の機械を盗み、警察に捕まったのだ。知らない親戚が手を回し、示談に収めてくれたのだ。番人を断るわけにはいかない。雇ったのは、玲斗の母の姉、柳澤家の年老いた女主人なのだ。クスノキの番人の仕事は、依頼者が祈念をクスノキに託するのを世話することなのだ。依頼者は、深夜、クスノキに念を届ける、あるいは、念を受けるのだ。段々と、玲斗は成長し、祈念の依頼者と繋がることもある。おばの信頼も得るようになった。実に収まりのよいラストで、このようでなきゃならんよねぇ。大正や昭和でも似合う、
読了日:05月03日 著者:東野 圭吾
魔女の後悔の感想
魔女の笑窪(2006.1)魔女の盟約(2008.1)魔女の封印(2015.12)のシリーズ最新です。前作は読んでいない、シリーズ初読みです。表紙カバーの袖に主な登場人物が出ています。常にこれと引き比べないと、読むのに迷子になる。京都の庵主さんに命じられて、中学生の女の子を庵主まで連れて行く。その子が帰りに誘拐された。庵主に取り戻すよう依頼を受けた。裏事情があります。韓国で詐欺事件があり、2兆ウォン=2千億円が絡んでいるのだそうな。韓国情報局、韓国の軍事会社、日本の外務省、警察が組んずほぐれつのお話しです。
読了日:05月02日 著者:大沢 在昌
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