8月に読んだ本
8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3226
ナイス数:111
武田の金、毛利の銀の感想
あれ、このメンツは「光秀の定理」の出演メンバーと同じじゃないか。破戒坊主の愚息と武芸者の新九郎。そうです、前作の続編なんです。信長に命じられて、光秀と愚息・新九郎は武田の金の算出を探りに甲州へ旅立つ。甲斐は武田家中に蔵前衆で仕えるもので、土屋十兵衛と名乗る男と知り合う。武田の金を探り、石見の銀を探ることを聞くと、武田の金については全部を教えよう。ついては、石見の銀を探るならわしも混ぜてくれぬか。この男土屋は徳川幕府の大久保長安なのではなかろうか。光秀と愚息・新九郎・土屋の四人はいざ、石見の国に入って行くと
読了日:08月24日 著者:垣根 涼介
Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たちの感想
副題に、物質主義に支配される韓国の若者たち 著者は韓国から脱出して日本国に帰化しています。Z世代とは20代30代を意味します。20代30代と40代50代とはどう違うかを述べています。結論、同じ。差はない。著者は物質主義を拝金主義と同一視しています。それ違うんじゃないの。全般にドグマが激しい。韓国では歯科医師であっただけに、医師の集団ストライキについて論じています。ストライキに賛成・反対を述べていません。立場を明快にし難いのかねぇ。著者は韓国を脱出して日本に帰化しました。それでも思考法は韓国人そのものです。
読了日:08月23日 著者:シンシアリー
60歳からの知っておくべき経済学 (扶桑社新書)の感想
一番チカラを入れているのは第2章、国債を発行して子孫に償還させるのか、この論議に終止符を打っている。国債は資産化して稼ぐチカラになっているのだ。もっと国債を発行して税金の依存度を減らしてもよい。東日本復興税というのがある。税金ではなく国債を発行して充当すべきだったのだ。国債の償還期限を100年200年にして年単位の償還を少額にすれば解決する。第5章 個人資産の形成と防衛術 終章 シニア読者に役立つ新視点 資産を持っている人なら迷うところだが、持たざる人は悩みようもない。最後は著者の論旨ではない、わたしの考
読了日:08月21日 著者:髙橋 洋一
惣十郎浮世始末 (単行本)の感想
木内昇はきうちのぼりと読みます。女流作家。服部惣十郎は北町奉行所の常町廻同心、妻郁が死んでから何年か経つ。薬種問屋興済堂が火事で焼け、焼け跡に主人と番頭の死体があった。赤根という医者が絡んでいることがわかった。全編、赤根、別名平埜という男を探すのが通しのテーマなのだ。インチキお札売り、間違い逮捕の真犯人を突き止める、などの別件も片付ける。もう一つのテーマは種痘、疱瘡の対抗策は種痘しかないのだ。その種痘に絡んでの漢方医と蘭方医の争い、種痘の術式の一番乗りの争い。果ては幕閣老中の政権争い、そんなものを背景に進
読了日:08月17日 著者:木内 昇
控えよ小十郎の感想
活字ポイントが小さい。ページ数の割に中身が詰まっている。佐藤小十郎は伊達政宗に仕えた。政宗はまだ六歳で梵天丸、小十郎年齢は十六。門閥も多数で、このなかから出頭して行くのはなかなかなのだ。政宗が伊達の総領として采配し、南奥羽を支配するようになった。居城は最初は山形県の南の某地だし、福島県の会津だったこともあるし、晩年は宮城県仙台に置くようになった。地名がよく呑み込めない。よく分からないまま読み進めていく。秀吉の小田原征伐、このへんから時代の波にアジャストできるようになる。控えよ、控えませんよ。宰相にまで登る
読了日:08月16日 著者:佐藤 巖太郎
うつけ屋敷の旗本大家 (幻冬舎時代小説文庫 い 71-1)の感想
三河雑兵心得が14巻、北近江合戦心得が4巻、他で書いている有名シリーズです。父の怠慢で十代で相続し、父は隠居、身代わりで甲州勤番となり、五年経って江戸に戻った。屋敷の庭には家が建て込んでいて、父は貸家を始めていた。店子には、ヤクザ一家、その他の問題ある店子たち、一番問題なのは老中の妾が住んでいること。この大問題を息子はどう乗り切って行くんでしょうね。書き下ろし時代小説文庫は読み切りです。読み切りなんですが、評判が上がれば続編がなんぼでも続いてくる。面白くて読み続けるのやら、癖で読み続けているのやら、どっち
読了日:08月10日 著者:井原 忠政
クスノキの女神の感想
前作「クスノキの番人」のシチュエーションを引き継いでいます。今度のヒロインヒーローは女子高校生と中学生くらいの男の子。二人は絵本を完成させようとしている。少年が絵をかき、少女が物語を綴るのだ。めちゃめちゃ真っ直ぐなお話しです。読むほうが打ちのめされるほどストレートなお話しです。絵本のテーマは、将来の姿をクスノキに教えてもらうこと。絵本の結末がどんなかはここでは語らない。自分で読んでね。クスノキの三作目はたぶんない。月郷神社のオーナーは千舟です。認知症が進んで老人ホームに入った。語り手の玲斗はどう生きるか。
読了日:08月08日 著者:東野 圭吾
首木の民の感想
被疑者久和秀昭武橋大学客員教授が警ら隊に逮捕され、志村署の刑組課に留置された。車の中に血の付いた財布が発見されたからだ。公務員全体と話したくない。警察も公務員、聴取を拒否する。ただし、経済についての話ならしてあげてもよい。本の半分を過ぎても経済講義は終わらない。主眼は国債についての話に集中する。誉田哲也については、血塗れ誉田か爽やか誉田しか知らない。新発見がありました、学びの誉田です。この学びの誉田、よく分かる。巻末に参考文献があるが、高橋洋一・三橋貴明・森永卓郎、彼らの見解に沿って語られる。それでよい。
読了日:08月07日 著者:誉田 哲也
三河雑兵心得 【十四】-豊臣仁義 (双葉文庫 い 56-15)の感想
大久保忠与が生死の境にいるそうな。家康は茂兵衛に死ぬ前に見舞いに行ってくるよう申し付けた。淀の城から小田原まで鉄砲百人組、総勢三百人が四日で駆けつけるのだ。箱根の山中で野武士に襲われた。反撃して蹴散らした。捕えてみると、首領は風魔の小太郎だった。小田原の牢に繋いだ。これは脇道のネタ、太閤秀吉と関白秀次の仲が急速に悪くなる。世子徳川秀忠が聚楽第にいる。人質になりはしまいか。茂兵衛は家康に命じられて救出に向かう。その後、太閤と関白の仲は最悪となり、高野山で腹を切った。茂兵衛の立場での歴史談、どこまで続くんだろ
読了日:08月04日 著者:井原 忠政
詐欺師と詐欺師 (単行本)の感想
わたしは伏見藍、本職は詐欺師です。たまたま上条みちると出会った。両親は会社の金を使い込んだということで、行方不明。両祖父母からの援助もなく施設で育った。会社オーナーの戸賀崎一族を恨んでいる。とりわけ長老の喜和子を恨んでいる。詐欺事件ではないね。たまたま詐欺師が登場したということ。内容は復讐譚です。復讐の仕掛けです。幾何の回答のようで、論理の展開力はあるが、説得力があるか、それは別のお話し。法医昆虫学者シリーズや仕立て屋探偵シリーズでも、虹のようなデザインを述べるが、実際こんなことあるかな。好みかどうかそこ
読了日:08月02日 著者:川瀬 七緒
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