10月に読んだ本
10月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2356
ナイス数:105
リミックス: 神奈川県警少年捜査課の感想
わが名はオズヌシリーズです。「わが名はオズヌ」「ボーダーライト」いつものメンバーに加えて一言主も参加します。今度の対象者は半グレ。半グレには違いないが、マットウな暮らしもしたい。今さらどうにも。残留中国孤児の子弟、オーバーステイのフィリピンの混血。言葉の問題なんですよ。育ちの中で教育をろくに受けずに育ってきた。そこで一言主、一言主は言葉の仲立ち者です。オズヌの言葉は半グレにも届く。飛鳥時代の超古語だが、それでもエッセンスは届く。ミサキは歌手だが、歌詞にオズヌの超古語を織り込む。一言主とは一言主神社のこと。
読了日:10月30日 著者:今野 敏
海風の感想
警察小説ではなく幕末ものだ。永井尚志、岩瀬忠震、堀省之介などは昌平黌学問所の同門で、年齢も近い。永井は目付の家柄だから、目付として城内に上がった。老中筆頭阿部伊勢守に可愛がられた。人使いが荒かった。お前は目付なんだからと海防掛目付を命じられた。長崎に行ってこい。長崎奉行が外国と折衝している。その後ろ盾をやりなさい。目付なんだから。岩瀬は蝦夷地が赴任先となった。ロシア相手に攻防の手を尽くさねばならぬ。永井玄蕃頭と名乗り、外国奉行となる。アメリカとの修好条約には、永井、岩瀬らの署名がある。堀の出番はどこだった
読了日:10月23日 著者:今野 敏
剛心の感想
明治の初期、建築業界の勃興期だ。絵巻物を見ているような気がする。初期の初期はイギリス流とドイツ流の争いだった。この小説の主人公、妻木頼黄は幕臣の流れ、大蔵省の臨時建築部にいる。議院を建築するのがこの小説の勘所です。広島に大本営が移り、そこに臨時の議院を建てる。半月で建てる。納期に間に合わせ、予算内に収めた。本の表紙に日本橋の麒麟像がある。その麒麟像も妻木が手掛けた。絵巻物となぞらえたのは、そのたびに話のハイライトがあるからだ。重量の中心が重心、強度の中心が剛心、小説の題名はここから。議院完成は昭和11年だ
読了日:10月16日 著者:木内 昇
青姫の感想
名は杜宇、甲斐の国の庄屋安住家の次男だ。村役人の久四郎を剣の稽古で叩き伏せた。恨まれて出奔した。流れ流れて山里に辿り着いた。そこには青姫の館があって、朔、分麻呂、などの家人がいる。市庭があって、市の人が大勢いる。青姫は杜宇に年貢として姫飯を申し付けた。姫飯を作るには米を作らねばならぬ。久四郎が流れ着いてきた。共に米を作ることになった。開墾から始まる。田を開き、水路を穿ち、初年度は四合の米を得た。実は、ここは草生水の里、燃える水が湧き出すのだ。時は寛永年間、徳川三代目の治世ですよ。語り口が古風で、御伽草子の
読了日:10月11日 著者:朝井まかて
ピースキーパー SST 海上保安庁特殊警備隊の感想
海上保安庁に秘密の武装制圧部隊があるのだ。日本海でイカ釣舟を急襲、自爆した。日本海海域でプレジャーボートが嵐に遭遇した。舟の乗組員はいなかった。オーナーは、海に突き落とされたか、拉致されたのか。北海道関東間を結ぶフェリーに爆破予告のが入った。プレジャーボートのオーナーが爆破物に結わえ付けられていた。爆破班が解除した。以上はこれから起こる事態への予告編です。SSTはそれに対処していく。全編、制圧作業の描写です。SSSTのことは詳細が公表されていない。国会で問題になる。折しも、豪華客船卑弥呼が乗っ取られる。。
読了日:10月08日 著者:麻生 幾
君のクイズの感想
これ、小説なんでしょうかね。テレビのクイズ番組で、まだ問題を読み上げてもいないのに、対戦者は早押しボタンを押した。それが正解。1対1の対戦で、6-6の接戦、最後の問題を正解したものが賞金一千万円を得る。最後の問題の答えは、[ママ、クリーニング小野寺よ]、問は、山形県のローカルCMのスポンサーは?これでも小説か、というのは、クイズ研究会で早押しの練習、クイズの問題造り、クイズ番組の分析。クイズ研鑽の過程が延々と描かれていることだ。ヤラセだインチキだ、そういう視点で読むと小説だよなぁ。犯罪小説だ、探偵小説だ。
読了日:10月05日 著者:小川 哲
バーニング・ダンサーの感想
異世界から百人のコトダマ遣いが地球に派遣された。コトダマ遣いと名前を付けたが、言葉関係ではない、アクション、感覚が特化して優れたヤツなのだ。コトダマ遣いの中にも犯罪者はいる。対抗して警察はコトダマ遣いをピックアップして専門の課を作った。犯罪者のコトダマ遣いと警察官のコトダマ遣いの戦いが始まる。犯罪者のコトダマの手口は[燃やす]なのだ。何人も人が焼け死ぬ。[バーニング・ダンサー]とは燃えて行く踊り子の意味なのだ。小説の書き方は、章立てせずに、節というか、項というか、区切りを立てる。その区切りが短い。シーンが
読了日:10月03日 著者:阿津川 辰海
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