3月に読んだ本
3月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3744
ナイス数:110リペアラーの感想
通常は、題名の意味はこれこれだと明かします。でも、この場合は明かせない。ネタバレになってしまう。俺は五頭想一、イラストレイターだ。高校の時の同級生に穴川雅がいる、ミヤビと読む。ドキュメンタリの著作あり。ミヤビに雇われた。六本木の古いビルの屋上で死んだ人がいる。昭和60年(1985年)のこと。死んだ人が誰か、死んだ事情は。ミヤビに依頼した人がいる。調査する関係者に魅力的な人物がたくさんいる。占い師、アメリカ人のピアノ弾き、昭和60年当時、銀座ママだった人。二人は麻酔薬を打たれて監禁される。スパイ、国家機密が
読了日:03月28日 著者:大沢 在昌
暗黒戦鬼グランダイヴァーの感想
題名の意味を先に言ってしまう。グランド、偉大なるとかでっかいの意味、プラス、ダイヴァースーツ。泳ぐダイヴァースーツじゃないよ、海底で労働する潜水夫のダイヴァースーツ。深町辰矛、主人公、最初は警視庁公安部の制圧隊ででかいダイヴスーツを着ている。敵は異人、外国人で日本に住み着いて棲み家を拡大して行く。反撃されて怪我した。入院中にリクルートされた。民間のグランダイヴァーとしてだ。遠い近未来ではなく、近い近未来の出来事のようだ。深町は異人退治にいそしむ。誉田哲也にしては珍しい本を書く。今までの路線とは離れている。
読了日:03月27日 著者:誉田 哲也
墜落の感想
富永検事は那覇地検に転勤になった。前作[売国][標的]では東京地検特捜部で指揮を執った。沖縄最初の事件が殺人事件、妻が夫を刺し殺して現行犯逮捕された。同じころ、自衛隊の戦闘機が墜落して、落下地点にタクシーがいて巻き添えになった。殺人事件の捜査、犯人が妻なのは疑問がある。戦闘機の墜落、操縦ミスではなく、機体に問題がある疑いが濃い。二つの事件は富永検事のもとに集約される。米軍基地の地主は反戦傾向で、それが沖縄の気分。中学生で妊娠出産するのも沖縄気分。特捜部から沖縄とは、懲罰人事かと思ったが、沖縄を書きたかった
読了日:03月20日 著者:真山 仁
初瀬屋の客 狸穴屋お始末日記の感想
浮気と借金を繰り返す亭主と離縁に成功、公事宿の狸穴屋に雇ってもらう。これが前作。[祭りぎらい]娘の婿を離縁したい、女房が笛吹と駆け落ちした、婿の笛の上手が腹が立つ。これが離縁したい理由。[三見の三義人]今回の公事は離縁ではない、播磨の沖の漁場の争い。公事に負けて駕籠訴にまで及ぶ。[身代わり]評定所留役の家で養子が養い親からの離縁を訴えるお話し。[夏椿]老いた妻が離縁を申し出るお話し。[初瀬屋の客]公事宿の知人に初瀬屋がある。泊まり客に何やら難しい公事がある。[証しの騙し絵]前編の続き、これには策略がある。
読了日:03月18日 著者:西條 奈加
風待荘へようこその感想
突然夫から離婚を宣言された。「もう、きみのことは愛していない」すでに次の妻が待っている。娘を渡して出て行くしかなかった。幸い、財産分与と慰謝料はもらった。両親とはギスギスしている。旧姓に戻るのはやめた。京都へ移った。シェアハウスとゲストハウスの二棟を経営する先に移った。ここからは、シェアハウスに住む長期滞在者と、ゲストハウスの旅行者との日常です。シェアハウスのメンバーの紹介もしたいが、とりとめもなくなりそうなので、そこはカット。元の夫が訪ねてきます。サイテー、どう最低かは書きたくもない。明るい未来が見えて
読了日:03月16日 著者:近藤 史恵
酒を主食とする人々: エチオピアの科学的秘境を旅するの感想
エチオピアに酒を主食とする民族がいるそうな。案内として高野が行き、スタッフが随行するカタチが出来上がった。クレージー・ジャーニーとはドキュメンタリーがやらせとばれて放送が打ち切りとなった。ハイランドのコンソ、ここで小手調べ。いよいよローランドのデラシャに入る。どうも変、民族資料館にでも案内されたような気がする。そうなのだ、やらせで失敗した番組がやらせの仕込みにだまされたのだ。これではいかんと、ハイランドとローランドの中間の村に移動する。水を飲むのに酒を飲み、酒が主食なのだ。それは子供でも同じなのだ。薄めて
読了日:03月14日 著者:高野秀行
新章 神様のカルテ (小学館文庫 な 13-6)の感想
主人公は栗原一止(いちと)、新章というのは、信濃大学の大学病院に入局し、同時に大学院に通っている。消化器と腎臓を担当する第四内科に所属している。第三班にいるが、二番手の位置だ。班長が出来物で忙しいから、実質的に班を統括している。若い主婦で、膵臓癌患者のお話しが全編通してある。同時並行して、違う症状の患者が挟み込まれる。著者は現役の医者だから、病状把握、治療過程の語りが豊富に出てくる。同時に医局の中での軋轢が出てくる。端的に言うと、病床管理なのだ。病床の都合によっては、まだ回復していない患者も追い出さなきゃ
読了日:03月10日 著者:夏川 草介
図解で学ぶ めくるめく日本語史の世界の感想
絵図があるからスペースが多いだろう、それは間違い、ぎっしりと文字が詰まっています。感動でメクルメクのではなく、字面を追うのに目がクラクラしてきます。おおざっぱに言うと、日本語は、上古から室町時代の古代語、江戸時代から現代までの近代語に分かれます。ポルトガルのバテレンが本国への報告で、ふぁしばふぃでよし、と書き付けています。羽柴秀吉のこと。古代語ではは行はふぁ行でした。母音は5音ですが、古代語では7音でした。ゐ、ゑ、これは い、え、とは違う発音でした。近代語篇になって、納得、なるほど、と共感出来てきます。。
読了日:03月08日 著者:今野 真二
おれは老人?平成・令和の〝新じいさん″出現!の感想
著者は77歳なのだそうな。自分のことを語っている。明治に言文一致体が現れたが、これは脳文一致体だ。思ったことがそのまま文に流れ出ている。ひとりごととも言うし、一人語りとも言う。壁に向かっていたり、どこかに相手がいたり、そこは変幻自在だ。[私は老人ではない][平成・令和時代の新じいさん][みんな好きに生きている][心は若いが、身体は老けている][二回目の救急車と道路顔面突入][ちょっと前向きな話][ニュース絶ち][テレビ断ち、芸人断ち、CM断ち][意味も価値もない人生を生きていく]イラストはカツヤマケイコ、
読了日:03月07日 著者:勢古浩爾
感染症の日本史 (文春新書 1279)の感想
パンデミックを歴史的に追及しています。最大なものはスペイン風邪、100年前に最大の被害を与えました。その経験があって、世界でも日本でも隔離の鉄則が徹底されました。磯田道史のNHKBSの番組に「英雄たちの選択」があります。2020年8月に、「シリーズ感染症との闘い1 衛生国家への挑戦~3人の先覚者たち」「シリーズ感染症との闘い2 100年前のパンデミック~“スペイン風邪”の教訓~」連続して放送しています。この本の第6章「患者史のすすめ」にもスペイン風邪で罹患した女学生の日記が記載されています。放送とこの本が
読了日:03月05日 著者:磯田 道史
日本語界隈 (一般書)の感想
川添愛は九州大学大学院出、現在津田塾大学特任准教授。ふかわりょうはお笑い芸人出、音楽関係テレビ司会者。お笑いから外れた道に進んで正解だと思います。だいたい、ふかわりょうがトスを上げて川添愛が突っ込むパターンが多いです。逆の場合、ふかわりょうもなかなかのトスを上げます。言語学者だから、フィールド観察の手持ち材料は川添愛の方が多い。[なぜ、日本人は曖昧を選ぶのか][なぜ、秋だけが深まるのか][なぜ、口にしたくなる言葉があるのか][なぜ、感情むきだしの言葉は不快なのか]章立てのまとめは編集部のものでしょうね。。
読了日:03月03日 著者:川添 愛,ふかわ りょう
京屋の女房の感想
第1章 タバコ道具屋京屋伝蔵は後妻をもらう。後添えに入るのは吉原の花魁、名前は玉の井、本名はゆり。亭主は戯作者の山東京伝。第2章 時は14年遡ります。山東京伝は吉原の花魁菊園にほれた、本名菊。まだ蔦重は存命中で、滝沢馬琴は修行中のころだった。喜多川歌麿、東洲斎写楽の時代です。第3章 寛政の改革で、京伝は手鎖50日の処分を受けます。ここでは前妻お菊のころ。第4章 タバコ道具屋を開いた。お菊が亡くなった。第5章 後妻おゆりの時代。家の中の前妻の気配に怯える。第6章 おゆり、お菊の気配を受け入れる。出来た女房の
読了日:03月02日 著者:梶 よう子
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