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2025年11月 3日 (月)

10月に読んだ本

10月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:4492
ナイス数:131

真田武士心得〈一〉 右近純情 (文春文庫 い 114-1)真田武士心得〈一〉 右近純情 (文春文庫 い 114-1)感想
わずか6歳の鈴木小太郎、真田家の嫡男信幸の小姓になった。父鈴木主水は名胡桃城の城代だったが、城を奪われた咎を負って切腹した。城を奪ったのは父主水の実弟中山九兵衛なのだ。遺児は父の敵討ちを目指す。中山九兵衛は小早川秀明秋の傘下にいる。一旦は真田信幸のもとを辞す。敵討ちで主家に迷惑を慮ってのこと。17歳で鈴木右近(小太郎から改名)は真田信幸のもとへ帰参した。それまで柳生宗章のもとで野太刀の研鑽を積んでいたのだ。野太刀=超長尺の太刀。これから関ケ原の合戦が始まります。大阪冬の陣夏の陣しか戦闘は残っていません。。
読了日:10月29日 著者:井原 忠政


夫婦じまい えにし屋春秋夫婦じまい えにし屋春秋感想
才蔵が手詰まりになりお初が肩代わりする。御蔵屋のお蘭は吉井屋の重松に嫁いだ。突然離縁して里に帰ってきた。以来、鬱々として家に閉じこもっている。えにし屋に次の縁談を斡旋してほしいと依頼があった。えにし屋は縁を繋ぐのが商売だ。なぜ離縁したかを突き止めないと話の次が進められない。話の節々、仕草のひとつひとつを広げたり丸めたりと点検していく。このような心理戦・筋読み戦のお話の進め方はじれったくていけない。とうとう、離縁を決意する真相にたどりついた。それはね、そこは読んでね。多分これでシリーズは打ち止めになると思う
読了日:10月27日 著者:あさの あつこ


光のしるべ えにし屋春秋 (ハルキ文庫 あ 23-4)光のしるべ えにし屋春秋 (ハルキ文庫 あ 23-4)感想
えにし屋に依頼があります。5年前火事で行方不明になった息子を探してほしい。えにし屋は浅草浅草寺の裏手にあります。浅草寺の境内で物乞いしている子供の首の後ろに火傷の跡がある。息子の特徴として聞いていた話と符合します。この夫婦、どこか不自然だ。夫婦それぞれ、事情を伏せているように見える。失踪した子供、夫婦の子供なのだろうか。ほかの種なのじゃないだろうか。亭主にしてもどこか様子がおかしい。人を殺していたからだ。今回は、お初が一人で片づけた。客の依頼に、めでたいのとめでたくないのがあります。今回は極めてめでたくな
読了日:10月26日 著者:あさの あつこ


えにし屋春秋 (時代小説文庫 あ 23-3)えにし屋春秋 (時代小説文庫 あ 23-3)感想
えにし屋は漢字で書くと、縁屋、えにしを繋いだり切ったりするのが仕事。演歌歌手の座長芝居のように人情味たっぷりのお話が繰り出されます。祝言を目前にして花嫁が逐電してしまった。そうだ、身代わりを出そう。その祝言にえにし屋が絡んでいるのです。万事めでたしめでたし。いえ、実はね、えにし屋に問題があるのです。老人のあるじの才蔵と店の者のお初、実は盗賊の脱走者なんですよ。盗賊の一味をお上にチクッテ一網打尽にした。お初は女のなりをしているが、実は若い男です。他には女中のお舟、幼い子供の太郎丸、それで全部です。
読了日:10月25日 著者:あさの あつこ


蜻蛉の夏蜻蛉の夏感想
道士がいる。止観を行う。流派があって、水観、炎観、月観、風観の四派がある。最後の風観は朝倉家滅亡の折、ともに滅んでしまった。円四郎は水観の流れ、師匠の承元が反信長についたので従った。平助は炎観の流れ、師匠果心居士が信長についたので信長に従った。信長の意に反して追放され、反信長に与した。桂月は月観の流れ、彼女も反信長派。止観の戦いは猛烈を極める。垣根涼介の[光秀の定理][信長の原理]の同じ時代なのだが 将兵の戦いより止観の戦いを中心に描いている。[蜻蛉]は[かげろう][とんぼ]だ。ここは[かげろう]として取
読了日:10月20日 著者:垣根 涼介


中華くらげ、とびっ子を世に出した男中華くらげ、とびっ子を世に出した男感想
28歳でサラリーマンから独立して大栄フーズの会社を立ち上げた。食品加工の会社だ。カズノコ、するめなど食品の世界は先発の秩序が確立している。新しい商品を開発するしかない。それが、中華くらげであり、トビウオの魚卵のとびっ子なのだ。福島県双葉町に東北工場を立ち上げ軌道に乗っていた。突然、東日本震災が起こり、原発事故で工場を放棄しなきゃならなくなった。代替の工場を千葉県に立ち上げ、その場を切り抜けた。販路を国内から海外にも広げ、それが当たった。HACCP の国際規格の取得も業界一番だった。ハラル認証も。80歳にな
読了日:10月18日 著者:岡 康人


帰化人問題 - 帰化18年、愛する日本のための提言 -帰化人問題 - 帰化18年、愛する日本のための提言 -感想
[石平の参議院出馬から見た帰化人問題] [古代史から見た帰化人の役割とあるべき姿] [帰化人・在日外国人問題にどう対処すべきか] [対談 ペマ・ギャルボX石平] [対談 宮崎正弘X石平] 第1章、帰化人一世が国会に出るのは違和感。意識・思考法は完全に外国人、これが国民の代表と言えるか。第3章が一番重要。母国の風習習慣をそのまま日本でも広げるヤカラがいることだ。一世は馴染む気がない、二世三世でやっと日本の色に染まってくる。中国の国防動員法・国家情報法は帰化人にまで及んでくる。スパイ防止法の制定と帰化の厳格化
読了日:10月17日 著者:石 平


新装版 京都 ものがたりの道新装版 京都 ものがたりの道感想
既出の「京都ものがたりの道」があって、それに数篇を加えて再出版したもの。各篇4ページから6ページくらいの小篇。おそらく毎日新聞京都版に連載したもの。通りの地図があって京都人以外にも理解しやすい。ひとり歩きではなく、そこは皇族だから皇宮警察の側衛か府警の担当がつく。彬子女王、けっこう長距離を歩くのだそうな。お付きの側衛なりなんなり、一緒に思いがけない長距離を歩くことになるのだそうな。オックスフォード大学での博士号を取得して、立命館大学のポストドク研究員を勤める。以後、立命館大学特別招聘教授、他大学の特別教授
読了日:10月15日 著者:彬子女王


アラートアラート感想
都倉響子、彼女が防衛大臣を経て総理大臣に就任する物語です。新聞の外信面・政治面を読み続けるような感覚です。小説なんだが、好きだ嫌いだ、滑った転んだ、などのお話は出てきません。真っ向から政治のお話、国家対国家の駆け引きが出てきます。日米安保条約があるのに、米軍は日本から撤退する。北朝鮮は新潟本土にミサイルを撃ち込む。辛うじて迎撃ミサイルで撃退する。次は東京湾にミサイルを撃ち込む。これは迎撃に失敗、タンカーは破壊して乗員が大勢死亡する。これを機に現職の総理大臣には引退を迫り、都倉大臣が総理大臣への道が開ける。
読了日:10月12日 著者:真山 仁


信念の経営者・小原鐵五郎信念の経営者・小原鐵五郎感想
信用金庫界の帝王、小原鐵五郎の伝記です。知りたければ城南信用金庫社史を読めばよろしい。これは小説なんです。小原鐵五郎については事実を曲げたところはないだろうが、周辺については眉唾です。小原鐵五郎が亡くなったあと、理事長に就任したのはかなりのクセモノでした。院政をしいて、傀儡の理事長を立てて城南信用金庫を私物化した。小原鐵五郎の死後のことですからね、小原鐵五郎の評判を引き下げるものでもない。わたし、そんな業界ゴシップは知りません。江上剛の小説なんですね。戦後の資金枯渇期に信用金庫が生まれたんです。史伝とは違
読了日:10月09日 著者:江上 剛


楽園の瑕楽園の瑕感想
瑕は[きず]と読みます。金融コンサルタント古賀は引退して山梨県の田舎に引退した。隣の町でムラオコシが始まった。耕作放棄地を農耕地に復活させるのだ。事業主体はリエゾン(パソナ)、兵頭孝吉(竹中平蔵)カッコ内は実在のモデル。怪しい。古賀は真相を探る。一方、山梨県警、刑事部長樫山がその動きを見張っていた。汚職、その手口を解明しなきゃならない。古賀と樫山がタイアップする。一網打尽にする。古賀の出演作品、不発弾、Exit、この作品で死ぬからこの先はない。樫山の出演作品、覇王の轍、東京転勤が内示されるから次の作品は?
読了日:10月07日 著者:相場 英雄


ブラックスワンブラックスワン感想
ボディガードを一件引き受けた。台湾から沖縄へ、不正規のルートで渡った。祖母の墓参りをガードする案件だった。墓参りをすませた。彼女は祖母の肖像画の写真をスマホに持っていた。肖像画を見たい。ボディガードの条件を越える依頼だった。断ってもよいが、あえて城戸は引き受けた。東京の画商へ、そこから、信州上田の博物館に行くことになった。警視庁公安の志水が付け狙っている。中国大使館も追いかけている。ブラックスワンという言葉が闇の世界で取り沙汰されている。それは全固体電池のこと、クライアントはその開発のキーを握っている。。
読了日:10月05日 著者:相場 英雄


職分職分感想
警視庁捜査第三課、そこは窃盗犯を担当する。萩尾警部補と武田秋穂は、相棒というか、師匠弟子というか、そんな間柄だ。短編が7篇、表題[職分]について紐解いてみましょうか。目黒署の盗犯係、本庁の捜査三課、詐欺が絡んでいるということで本庁捜査二課が出張ってきた。職分なんですよ。捜査もさることながら、それぞれの職分を立てながらやらなきゃならない。普通なら大変だ。しかし、萩尾の前では職分などあんまり関係ないね。TVドラマに、吉田栄作・内村里奈があるが、そっちは見ていない。高橋克実・榮倉奈々のコンビのシリーズなら見た覚
読了日:10月03日 著者:今野敏


飛博 (単行本文芸フィクション)飛博 (単行本文芸フィクション)感想
<とばく>と読みます。鳩レースのお話しです。鳩のレース、きわめてマイナーなレースです。そのレースに賭ける。主人公は平凡な青年、父親はテキヤの親分です。父が亡くなった。父は鳩を飼っていた。レースで勝って、賭け金を得ていたのだそうな。鳩のクラブに入って、鳩の世話をする仕事についた。このクラブ、台湾のマフィアに乗っ取られて、さらにアメリカのマフィアに乗っ取られた。鳩は血統を選別して強化していく世界なのだ。この青年が見込まれたのも、テキヤの親分の子だから。血統重視なのだ。楡周平の出発はピカレスク、その世界に帰って
読了日:10月02日 著者:楡周平

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