3月に読んだ本
3月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:4520
ナイス数:209
汚名の感想
伊東玄朴は牛痘を始めた人として知られています。一方で、金儲け医者、あきんど医者と世間から罵られています。全体にゆったりと起伏の少ない筆致です。波乱万丈の物語ではない。蘭方医としては、高野長英、松本良純、などが内容に出てくる。種痘は、蘭方医は牛痘、漢方医は人痘を旨とする。蘭方医の牛痘が認められると、漢方医の人痘は負けると予想されるので手を尽くして妨害するのだ。金儲け医者、あきんど医者と言い触らすのも漢方医なのだ。ついに、幕府将軍家から御殿医への要請があった。検校、法眼と出世していく。とうとう牛痘が認められた
読了日:03月31日 著者:和田 はつ子
おまあ推理帖の感想
おまあ、おりゅう、勝次、老士組と気取ってはいるが、もとは隠密。鳥舞いのおまあ、夜駆けのおりゅう、怒髪の勝次として、活躍していたのだ。おまあは寺の家作に住まいして、奉行所の助っ人をしている。捕物帳の形式だが、推理小説とは違うなあ。思い付きが当たっていたり、ものの弾みでうまくいったり、理詰めとは言い難い。なんか読んだことがあるぞ、と不思議だったが、それもそのはず、再読み本だった。シリーズ2冊目と思い込んでいたが、シリーズ最初の再読みだった。奉行所の若手、浅羽林之介、長屋のガキの乙吉など、若い芽が心地よい。再読
読了日:03月29日 著者:諸田 玲子
上月城忠義 北近江合戦心得 (〈七〉) (小学館文庫)の感想
浅井家の負けた武者、大石与一郎は羽柴家に仕える。羽柴小一郎長秀に配属される。毛利を攻める攻防で播磨にある。西播磨の上月城で手こずっている。城主は赤松一族。主君の羽柴長秀はここにはいない。よその攻め口を担当している。なら、なんで大石与一郎がこの上月城戦線にいるんだろ。それはさておき。大石与一郎は大筒を持っている。百匁筒、三十匁筒、これが大活躍する。ついに上月城を陥落させました。ここまで合戦の数々が小さいのだが、この先どうなるのだろう。羽柴・豊臣の手勢でいるはずはないよなぁ。いかなる人物に成りおおせるのやら。
読了日:03月28日 著者:井原 忠政
シスター・レイの感想
能條玲、離婚してフランスから帰国した女性。フランス警察の強襲隊のサブリーダーだった。腕に覚えあり。最初の事件はベトナム人の救出。次が日本人ボランティアの冤罪をすすぐこと。ベトナム人勢力あり、中国人勢力あり、ブラジル人勢力あり。さらに徳沢組というヤクザも絡んでくる。Um Mundo という謎の勢力もある。お話の展開がよく呑み込めない。理解できないままストーリーは先へ進んで行く。ただし、局面、場面の描写は生き生きしている。アクションに次ぐアクションで引っ張っていく。ヤクザや反社を越えている。中国の政府機関が乗
読了日:03月25日 著者:長浦 京
成瀬は都を駆け抜けるの感想
6篇の短編集で、1篇づつ紹介するのも何なので、流していく。サークル活動では成瀬は達磨研究会に入った。野外でも炬燵と炬燵布団を出して鍋を食べるのが活動なのだ。ユーチューバーとも出会う。立命館の学生で、ぼきののか、配信に参加する。母親が登場する。成瀬の成育歴を語るには母親をもって余人に代えがたい。広島の男子高校生、がんばって京大に合格した。やっと成瀬に出会えた。びわ湖大津観光大使、もう任期が終わる。最後は琵琶湖疎水を案内するのだ。ところが成瀬は盲腸を患う。助っ人に島崎を頼んだ。成瀬あかりをめぐって、次々と友達
読了日:03月21日 著者:宮島未奈
ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ 争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追うの感想
ウオード博士の脅威の「動物行動学入門」動物のひみつ 争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う これが正しい題名です。ウオード博士は英国生まれ、オーストラリアの大学の教授です。これは学術論文にあらず。エッセイ、読み物のたぐいです。9章に分かれているが、順番に読み重ねていくものじゃないです。どこから読み始めてもよろしい。飛ばし読みしたって問題はない。2章[シロアリはコロニーを守るため自爆する]全部シロアリについて書いてある、と思うでしょ。いいえ、シロアリについて書いてあるのは導入部、お話は他へ他へと展開していきます
読了日:03月19日 著者:アシュリー・ウォード
銀色のステイヤーの感想
競馬小説です。主人公はシルバーファーン、葦毛の馬です。白馬です。わたし、競馬はやりません。業界用語は分からないが、そこは伝わってくる。生まれは北海道日高の菊池牧場で生まれ、今は美浦トレセンの二本松調教師の馬房にいる。題名のステイヤーとは長距離レースのこと、競馬界で馬のデビューから引退までの物語です。牝馬(ひんば)牡馬(ぼば)ひんばはよく目にするが、ぼばはあんまり見ることがないなぁ。鞍上とは騎手のこと、へぇ、業界用語ではそう呼ぶのかい。この小説、悪人、根性悪は出てきません。馬の立身出世物語、実に清々しいかぎ
読了日:03月18日 著者:河崎 秋子
白露 警視庁強行犯係・樋口顕の感想
樋口顕は警視庁本部捜査一課捜査第三係、強行犯係に属している。位は警部。建物の建築現場で若い女性の死体が発見された。当然、犯人の行方を捜すわけだ。第一発見者はバングラデシュ人のラハマン。ネットの書き込みが乱暴だ、第一発見者が怪しい。ラハマンを犯人と断定し、住所氏名写真までネットに掲載した。小説の半分以上が外国人排斥、ヘイトクライム、そっちの方向にちからが割かれる。ラハマンの雇用主が樋口班長猛烈に抗議する。外国人排斥に世間が動くのを止めてくれよ。ただね、自分の心の中にも外国人を問題視する部分がチラリとあるから
読了日:03月13日 著者:今野 敏
コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)の感想
小学校のころ、男の子がけんかしている、止めるためにスコップで叩いた。社会生活の規範が分からない子だった。そのまま育った。就活に失敗し、今はコンビニでパート勤務している。コンビニにはマニュアルがあって、それに従っていればいい。実に安心して過ごせる。パートの同僚にコンビニのマニュアルさえ守れない男がいた。当然首になった。ものはずみでその男と同居することになった。飼うだけなのだ。男は浴槽の中で一日を過ごしている。ただ同居するだけで、交尾するわけでもない。コンビニの規範の中なら生きていける女と守れない男だ。最後は
読了日:03月07日 著者:村田 沙耶香
退職クロスロードの感想
3月31日、年度末で退職者が出ます。蔑称パトロール部長の佐和山が退職します。退職の日に外部清掃員の守田をヘッドハントする。退職後はビル清掃会社を起業する。その会社へ来てくれませんか。5年前、営業副本部長でブイブイ言わせていた。一転、パワハラという濡れ衣で、閑職に追いやられたのだ。同じ日、営業の源も退職する。イマワノキワに物騒なことを言い残した。会社には埋蔵金があってな、佐和山さんが部下のために一肌脱いでくれたんだよ。それを常務が嗅ぎ付けて降格に追い込んだんだよ。さあ大変、証拠物件を探せ。常務に突きつけろ。
読了日:03月06日 著者:安藤 祐介
夜明けのハントレスの感想
岸谷万智、陸上長距離を走っていたが、トレイルランニングに転向した。山を走っていて獣に目が行き、ハンティングに興味を持った。大学の近くの堀井銃砲店を訪ねた。そこでハンターの新田を紹介してもらった。父母の許可をもらい、ハンターの道に入った。新田の師匠の佐藤綾子、アヤばあちゃんを紹介してもらった。どのハンターもニコニコとしているわけではない。根性悪の三石修吾もいる。言葉を知らずに話す内容が悪態をつくことになるのだ。鹿を狩りした。たまたま若いヒグマも狩りした。ヒグマが集落を狙うようになった。狩りの応援に参加した。
読了日:03月05日 著者:河﨑 秋子
殺し屋がレジにいるの感想
[すみません]多めな女、もう還暦近いが[すみません]ばかり。離婚して、今はスーパーでパート勤め。そのパート先のレジでウザ絡みしてくるカスハラ客がいる。みごとに成敗してくれた。配達先の老人施設で成敗してくれた老女に出会った。コンビニの車庫裏でその老女が殺しをしているのを見た。弟子入りを志願した。もっと強くなりたい。この後は、マンガをノベライズしたような展開になる。荒唐無稽、疾風怒濤、あれよあれよ。最初は情けないヒロインだな、という鬱陶しさが、カタルシスに変わります。途中までは毒多めだが、最後は解毒で終わりま
読了日:03月03日 著者:榎田 ユウリ
たとえば孤独という名の嘘の感想
オール読物連載というから短編集だと思った。違った、長編小説の分載でした。三分の一くらいまでとっても読みにくい。話し手、主人公が入れ替わって、ひらりひらりと話についていけない。歯車が突然ピタリと合います。お話の展開がよく読める。中国人スパイと公安との攻防なんです。癒着しているから話が複雑になる。姫川シリーズ、ジウのシリーズとは違って、やたら泥臭い。今野敏の公安外事倉島警部補のようなカッコヨサは皆無だ。堂場瞬一の鷹のシリーズのような重い話ではない。中国人スパイ側と日本人公安、どっちにちからを置いているのでしょ
読了日:03月02日 著者:誉田 哲也
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