「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
覚えていますか、一世を風靡したサラダ記念日です。
ふと思い出しました。
ちょうどよく七月六日に思いだすとは、あまりにもピッタリで、思いだした偶然に驚いています。
<万智の一人百首>
http://www.gtpweb.net/twr/sakuhin.htm
ぶっぼっぶっぼっぶっぼっぶっぼっぶっぼ
このフレーズは、小説「ブラバン」で読んだものと思い込んでいました。
読み終えて、ページをパラパラとめくって、ぶっぼっぶっぼっぶっぼっぶっぼっぶっぼ、を探しました。
みつからなかった。
今夜わかりました。
NHKBS3番「どれみふぁワンダーランド」で耳にしたところです。
番組の中で
「ビオラは陰の薄い楽器というのは本当なの?」
「そう、オーケストラの予算がはみ出すと、真っ先に削られる楽器だね」
「別の意味で影の薄い楽器があるんだよ、ファゴット」
ぶっぼっぶっぼっぶっぼっぶっぼっぶっぼ
「他の楽器はメロディーを奏でるのに、曲の最初から最後までずっとこれ」
あのね、小説「ブラバン」を読んだのは先月でしょ。
さっき聞いた、ということは、時間の系列が狂っているんじゃないの。
いやいや、「どれみふぁワンダーランド」はBS2番で土曜日に先に放送しているんです。
あれはもっと前だな、春ごろに聞いたような気がする。
繰り返してBS3番で放送し直しているんですね。こっちは金曜日。
ちゃらっちゃちゃっちゃちゃちゃ ちゃらっちゃちゃっちゃちゃちゃ ちゃらっちゃちゃ
ぶっぼっぶっぼっぶっぼっぶっぼっぶっぼ
「くるみ割り人形」のメロディーにかぶせて、ファゴットの音が流れます。
いたく印象に残った音でした。
小説「ブラバン」の中に出てきて当然の場面です。
そりゃぁ錯覚するよなぁ。
解決して、よかった、よかった。
服部真澄の「エクサバイト」を読んでいます。
お話しの展開で、本筋か横道か、それは知りませんが、へぇぇと納得しましたので採録しておきます。
そうそう、ここは2025年でのお話し、現在と未来と、比較想像しながら思い浮かべてね。
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「この国の人口がもっと減ったらいいのに」
「何と、極端に話しが飛ぶじゃねえか」
日本の人口減少には歯止めがかかっていない。そのぶん、税の負担は若い世代に重くなっている。
政府は人口の回復に躍起だ。二十年来、同様のことが続いている。2020年代に入り、ゆるゆる減り続けた人口は、一億人そこそこまで落ちていた。
「これ以上人が減ったら、きつくなるばっかりだ。皆、そういっているぞ。このまま進めば、2100年には3500万人くらいまで下がっちまうそうじゃねえか」
伸太朗は手酌で酒をつぎ直し、くいと盃をあける。ナカジは異論を吐いた。
「ネガティブな情報に踊らされてるだけだ。平安時代の人口、知ってるか。全国の人を合わせても、700万人もいなかった」
「嘘だろ。いまの十分の一以下か」
「それだって、皆がすごく不幸だったわけじゃないだろう。江戸時代になって、ようやく3000万人台になった。それでもいまの三分の一だ。むしろ、現状が異状だともいえる」
ナカジは自分の論で押し進めてゆく。
「といったってさ。結局はみんな昔の話だろうに」
「現代の話もある。ノルウェーなんかは日本と同じくらいの面積だけど、人口は500万人弱だぜ」
「あと70年ばかりで江戸時代なみに人口が戻ると思えば、気が楽だよな。なのに、しきりに危機感あおるのは、政府のやり口さ。政府が生めよ殖やせよっていうのは、予算獲得のためでしかないんだ。人が減って税収が減るのを恐れてのことなんだよ」
「そうはいっても、金がなけりゃ、国は動かねえだろ」
「政治家たちは、金がないと国が維持できないと思っている。だけど、それは思考回路が凝り固まっているせいだ。ちょっと観点を変えれば、コストは削減できると思うね。たとえば、花のお江戸は100万都市だったが、お上の警察メンバーは、なんと、たったの24人だぜ。いまの警視庁に何人いると思う。4万5千人を超えているんだ」
「嘘だろ。100万人を24人で、どうやって取り締まってたんだ」
「自治組織が補ってた。つまり、警護の主体はご近所だったんだ。お裁きだって似たようなもんだ。白か黒かを断じるだけじゃない。まずは話し合い、調停、和議の世界さ。法曹もかたなしだし、町の整備なんかにも、金を出し合ってた。この伝でいくと、官僚組織なんかは、とてつもなく減る。ちょっと時代を遡っただけで、応用できる手法はいくらでもある」
「あんた、詳しいんだな」
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