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2021年9月17日 (金)

「違和感」の日本史

「違和感」の日本史 本郷和人 産経セレクト
第1章、江戸時代に鎖国はなかったのか
第2章、2代将軍が天皇に激怒の「違和感」
第3章、信長の「天下」とは京都周辺だけか
第4章、なぜ西郷(せご)どんは大隈重信を嫌うのか
第5章、「男と女」の立ち位置の行方
第6章、天皇をめぐる歴史の謎
第7章、夏目漱石のワケありな門人たち
第8章、人物を語らない歴史研究でいいのか
産経新聞連載中の「本郷和人の日本史ナナメ読み」から出来ています。
月一連載なのですが、毎回楽しみに読んでいます。
新聞連載が成り立ちですから、四面四角なことを書いても読んでもらえない。
かなりクダケタ筆致で書いています。
なんで夏目漱石の門下生に注目したのか。
東大の資料編纂所、ここの設立者に門下生がいたのですね。そうか、職場の回顧談なんですね。
東大の資料編纂所では、山本博文さんが有名だが、二人が同時にテレビで同席することがない。
気が付くと、山本さんは今年三月亡くなっていた。
もう同席することは果たせないのだ。

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2021年9月14日 (火)

暮鐘 東京湾臨海署安積班

「暮鐘 東京湾臨海署安積班」今野敏 角川春樹事務所
短編集なんですよ。超短編で10篇が集まっている。
必ずしも捜査捕物に集中しているわけではない。
班員相互の関係に光を当て、人柄が浮かび出るように書き込んでいる。
湾岸書強行犯係は安積班と相楽班に分かれている。
相楽は安積と張り合い、安積に勝つことに終始している。
相楽が安積に心を開く篇がある。相楽もそんなに悪いやつではないのだ。
表題の篇が暮鐘、自首してきた容疑者が夕方の音楽を聞いた、だから、犯行時刻は夕方のチャイムの頃だ。
須田が反論する。犯行現場のチャイムは音楽じゃありませんよ、ウェストミンスター寺院の暮鐘です。
須田の指摘は当たった。身代わりの自主なのだ。
安積の読み方は、あずみ、あさか、地名からあさかだろうと思ったが、奥付の題名にはあずみとふりがながしてあった。

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2021年9月10日 (金)

赤の呪縛

「赤の呪縛」堂場瞬一 文芸春秋
滝上は警視庁の刑事だ。
学生のころ、薬物に溺れたことがある。
それで、父親から勘当された。
亡くなった母の姓に替えさせられた。
立ち直って、警視庁を志望して採用された。
父親は静岡県の知事なのだ。名前は喜多。
銀座のバーで放火事件があった。ママが死亡、火をつけた女も死亡。
男が拳銃で射殺された。被害者は知事の元秘書だった。
滝上は知事の関連だと狙いをつけて動き始める。
赤とは血を指しているのだ。血筋のことなのだ。
設定に納得がいかないのですよ。
勘当だ。上等だ、出て行ってやるよ。
死んだ母親の戸籍にどうやって移動できるのでしょう。
放火事件で、父の関連を疑うのは唐突です。

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2021年9月 4日 (土)

婿どの相逢い席

小さな楊枝屋の四男坊が見染められた。鈴之介。
大きな仕出し屋の長女に惚れられたのだ。お千瀬。
婿入りして、女将大女将から申し渡されたのは
あんたは商売に口出すことは禁じます、子供のタネだけおろしていればよろしい。
することなく、ぶらぶらしている毎日です。
料理屋の伊那月から嫌がらせを受けているのが分かってきた。
お話しの筋の基本は、伊那月から嫌がらせを受けていて、それを跳ね返すのが主眼です。
ほんとは、お話しの芯は他にあります。
あんたは、子供のタネだけおろしていればよろしい、ここにあります。
さて、その展開はどんなこと。

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2021年9月 3日 (金)

高瀬庄左衛門御留書

「高瀬庄左衛門御留書」砂原浩太朗 講談社
楷書の小説、藤沢周平を読んでるような気がする。これは誉め言葉。
高瀬庄左衛門、郡方勤めの下士なのだ。
妻に先立たれ、息子は不慮の事故で亡くなり、息子の嫁は去るしかなかった。
たまたま若い男と知り合った。
弦之介、目付役・立花監物の弟なのだ。
支配下の村で強訴が起きる。
探査に行って、群衆に捕らえられた。
お歴々の政争があって、庄左衛門は巻き添えにあったのだ。
途中省略、清々しい巻末を迎える。
若い男は庄左衛門の養子に迎えることになる。
めでたし、めでたし。
付け足し、御留書(おとどめがき)とは役所で言えば業務日報、個人宅のものならメモ、その程度のことみたい。

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2021年9月 2日 (木)

生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班

「生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班」似鳥鶏 河出書房新社
花人(かじん)という新人類が生まれました。
日本では全体の2%程度。普通の会話以外に超音波で会話できます。頭がよくて勉強ができるので出世しやすいです。
ただ、花人はユリの体臭がします。それで常人からは花人と悟られます。
常人はひがみ、嫉妬し、花人を圧迫し、排除しようとします。
火口竜牙、警視庁本庁勤務、水科此花、警視庁翻訳センター勤務、草津佳久、警視庁本庁班長。
水科だけが花人、他は常人。
連続して殺人事件が3件起きる。いずれも密室殺人事件。
草津が解決する。犯人はそれぞれ花人だった。
話しはこれでは終わらない。
どうひっくり返るのかがこのお話しのキーポイントなのだ。

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2021年9月 1日 (水)

8月に読んだ本

8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2586
ナイス数:73

君と歩いた青春-駐在日記 (単行本)君と歩いた青春-駐在日記 (単行本)感想
駐在日記の3作目です。妻は外科医、患者から逆恨みで襲われた。もうメスは握れなくなった。夫は刑事だったが、駐在所勤務を志願して、妻の癒しを優先した。タイトルは、〇曜日の何々はあれこれ。中編4篇で、駐在所管内で事件が起きます。どれも、警察案件ではない。相続、スキャンダル、幽霊、埋蔵金、警察の立ち入る範囲ではありません。その全部に絡んで、見事に事件を終結させます。駐在さんは優秀なんです。小説の時代は、ザ・ピーナッツが引退する頃、ロッキード事件があった頃。そりゃ、一昔も二昔も昔の頃だ。小路幸也、14歳か15歳の頃
読了日:08月27日 著者:小路 幸也


([お]12-1)みつばの郵便屋さん (ポプラ文庫)([お]12-1)みつばの郵便屋さん (ポプラ文庫)感想
ぼくの名前は秋宏、年子の兄がいて、名前が春行、名前の知れたタレントなのだ。二人はよく似ている。蜜葉市の埋め立て地みつばと高台の四葉が郵便配達の受け持ち区域なのだ。郵便物を配るから、そのぶんだけ事件がある。洗濯もののパンティが飛ぶのを目撃したり、ハガキが脅迫状だったり、誤配だと決めつけられたり。段々と配達先と馴染みになってくる。出版社がポプラ社ということは、これは児童書なのだ。ヤングアダルト向けかも。みつばの郵便屋さんシリーズで、6冊出版されているのだそうだ。配達人と配達先、いくらでもストーリーが紡げそうだ
読了日:08月23日 著者:小野寺 史宜


天下商人 大岡越前と三井一族天下商人 大岡越前と三井一族感想
徳川の世は、米経済から貨幣経済に移行して行く。米は新田開発などで増産し、消費より生産のほうが増していく。米で扶持をもらっている武士は手取りが減ってくる。将軍吉宗は米価の値上げを政策の基本にする。大岡越前は米価ではなく、貨幣の流通を増やすことを主張する。小判を改鋳して、流通量総量を増やすことが基本だと考える。吉宗は押し切ろうとし、大岡は必死に抵抗する。江戸は金遣い、上方は銀遣い。通貨の本位制がダブルなのは矛盾を孕む。改鋳で、金銀の比率を調整するべきなのだ。大岡越前はただの町奉行ではない。勘定奉行の職責まで踏
読了日:08月22日 著者:高任 和夫


零から0へ零から0へ感想
まはら三桃(みと)は「鉄のしぶきがはねる」で発見、以来、ファンになっています。これは児童書、中学生ぐらいが対象かな。戦後まもなくのころ、聡一は国鉄鉄道技術研究所に就職した。そこは、鉄道生え抜きと軍出身の飛行機の技術者が混在していた。鉄道生え抜きは安全第一がモットー、飛行機の技術者は美しくと唱える。聡一は軍の技術者に親近感を持つ。零(ゼロ)はゼロ戦、0(ゼロ)は新幹線0系電車を指す。初代の新幹線。聡一の恋愛が微笑ましい。これくらいの恋愛ストーリーは中学生向きだよなぁ。これは小説だが、いろんなトラブルや衝突は
読了日:08月20日 著者:まはら 三桃


ショローの女ショローの女感想
女性公論に連載のエッセイ集。各篇4ページで、ほぼ5年間連載です。タイトルは全部俳句、本編を読み終わって、タイトルの俳句に立ち返る。内容とタイトル、合うや合わざるや。本職は詩人なんだそうな。さぞや詩人とは暇だろうと思いきや、意外に忙しいようだ。けっこう、仕事に締め切りに追われている。カリフォルニアと熊本を往復する暮らしを経て、今は熊本住まいなのだ。熊本に住んで早稲田大学に通っている。3年間期限付きの教授なのだ。連載開始の時は62歳と書いている。それでショローなのだそうな。取り止めのないないお話しが続きます。
読了日:08月15日 著者:伊藤比呂美


麻薬捜査の裏舞台麻薬捜査の裏舞台感想
著者の警察での職務歴は刑事畑・公安畑で主に勤務。伊勢谷友介=大麻、沢尻エリカ=MDMA、押尾学=MDSA、槇原敬之=覚醒剤、ピエール瀧=コカイン、田代まさし=覚醒剤、清原和博=覚醒剤、ASUKA=覚醒剤、高知東生=覚醒剤、酒井法子=覚醒剤、小向美奈子=覚醒剤、田口淳之介=大麻、研ナオコ=大麻、美川憲一=大麻、井上陽水=大麻。なんでバレたか、何がキッカケで捕まったか、このへんを語っています。覚醒効果のある薬物は、覚醒剤、MDMA、コカイン、JSD、タバコ。鎮静効果のある薬物は、アヘン、ヘロイン、大麻、お酒。
読了日:08月13日 著者:北芝健


噂を売る男 藤岡屋由蔵噂を売る男 藤岡屋由蔵感想
街の噂を売る商売がある。他店の軒下にムシロを引いただけの店だ。自分に関する噂、会話を円滑にするネタ、を売っている。有料ネットニュース、そんな現代ビジネスが江戸時代にあったと考えましょう。てっきり、各章が独立の連作短編だと思っていました。違った、伊能忠敬の大日本沿海輿地全図がシーボルトによって国外に持ち出された、この経緯を探るお話しだった。これが全編を貫くメインストーリーなのだ。こんな噂を手繰り寄せるのは大変だよ。梶よう子は、長屋もの、お店ものを得意にしている。ふむ、武士ものも巧妙で、続篇に期待が持てます。
読了日:08月11日 著者:梶 よう子


フィールド言語学者、巣ごもる。フィールド言語学者、巣ごもる。感想
ネット記事の採録ではないようです。ちゃんとこれ一本に書き下ろしたもののようです。学術書じゃないと断っている、一般書として書いています。一般書にしては、なかなか咀嚼しにくい。読み続けていると、日頃から頭の中で噛み合わないところがピシャっと噛み合ってくる。頭の中の整理を促してくれる。骨格肉付きは固いのだが、皮膚体毛に柔らかさがまぶしてあって、読み進められます。そもそもこの本を手に取ったのは、シャレ、引っ掛け、言葉遊びがあったからです。それぞれ、章の末に注釈がいっぱいありますが、ここまで読んではいられないなぁ。
読了日:08月10日 著者:吉岡 乾


宴の前 (集英社文芸単行本)宴の前 (集英社文芸単行本)感想
県知事を四期務めて引退しよう。後継は副知事なのだが、いまいち気に染まない。決断しかねているうちに、急死してしまった。他の候補は、女性問題を抱えていたり、妻が病気だったり、誰もいない。五選目に打って出るか。対立候補が現れる。アルペンスキーで銅メダル、県内出身の女性だ。オリンピック誘致を公約に、評判がよろしい。モデルは新潟県だな。新潟県に当て嵌めて書いている。公開討論会では新人候補の勢いがよい。選挙戦突入。へぇ、こういう選挙になるとは思わなかったな。エピローグ、宴の後。選挙後、さらにこのような展開になるとは思
読了日:08月07日 著者:堂場瞬一


江戸のジャーナリスト 葛飾北斎江戸のジャーナリスト 葛飾北斎感想
ほう、北斎はジャーナリストだったのかい、どれどれ。読み始めたが、普通の略伝じゃないか。どこにジャーナリストと書いてあるんだろう。北斎は長崎のカピタンと親交があった。海外に興味があるのだからジャーナリストの精神を持っている。何を言うてますか。詐欺とまでは言わないが、中身と看板が大違いだ。鳥観図を得意にしている。大空高くに視点を置いて、地上を見下ろして書いている。これがジャーナリスストにの視点だ。はい、はい、そうですか。シーボルトは大量の日本の文物を持ち帰っている。シーボルトがジャーナリストだったのじゃありま
読了日:08月04日 著者:千野境子

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2021年8月23日 (月)

みつばの郵便屋さん

「みつばの郵便屋さん」小野寺史宜 ポプラ社
ぼくの名前は秋宏、年子の兄がいて、名前が春行、名前の知れたタレントなのだ。
二人はよく似ている。
蜜葉市の埋め立て地みつばと高台の四葉が郵便配達の受け持ち区域なのだ。
郵便物を配るから、そのぶんだけ事件がある。
洗濯もののパンティが飛ぶのを目撃したり、ハガキが脅迫状だったり、誤配だと決めつけられたり。
段々と配達先と馴染みになってくる。
出版社がポプラ社ということは、これは児童書なんです。ヤングアダルト向けかも。
みつばの郵便屋さんシリーズで、6冊出版されているのだそうです。
配達人と配達先、いくらでもストーリーが紡げそうですね。

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2021年8月22日 (日)

天下商人 大岡越前と三井一族

「天下商人 大岡越前と三井一族」高任和夫 講談社
徳川幕政の世は、米経済から貨幣経済に移行して行きます。
米は新田開発などで増産し、消費より生産のほうが増していきます。
米で扶持をもらっている武士は手取りが減っていきます。
将軍吉宗は米価の値上げを政策の基本にします。
大岡越前は米価ではなく、貨幣の流通を増やすことを主張します。
小判を改鋳して、流通量総量を増やすことが基本だと考えます。
吉宗は押し切ろうとし、大岡は必死に抵抗します。
江戸は金遣い、上方は銀遣い。
通貨の本位制がダブルなのは矛盾を孕みます。
改鋳で、金銀の比率を調整するべきなのです。
大岡越前はただの町奉行ではありません。
勘定奉行の職責まで踏み込んでいるのです。
メインのストーリーが大岡越前、裏のストーリーが三井一族。
波乱万丈なのが大岡越前、きわめて順調なのが三井一族。
お話は波乱万丈のほうへ傾きます。

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2021年8月20日 (金)

零(ゼロ)から0(ゼロ)へ

「零(ゼロ)から0(ゼロ)へ」まはら三桃 ポプラ社
まはら三桃(みと)は「鉄のしぶきがはねる」で発見、以来、ファンになっています。
これは児童書、中学生ぐらいが対象かな。
戦後まもなくのころ、聡一は国鉄鉄道技術研究所に就職した。
そこは、鉄道生え抜きと軍出身の飛行機の技術者が混在していた。
鉄道生え抜きは安全第一がモットー、飛行機の技術者は美しくと唱える。
聡一は軍の技術者に親近感を持つ。
零(ゼロ)はゼロ戦、0(ゼロ)は新幹線0系電車を指す。初代の新幹線。
聡一の恋愛が微笑ましい。
これくらいの恋愛ストーリーは中学生向きだよなぁ。
これは小説だが、いろんなトラブルや衝突は、虚実どっちか、あっただろうな。

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