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2018年2月25日 (日)

象の墓場

「象の墓場」楡周平 光文社
ソアラとあるけど、どこから見てもコダックをモデルに書いているね。
主人公は、ソアラ・ジャパンのデジタル部門で営業職にある。
銀塩フィルムで世界に冠たる巨人だが、日本では東京フィルム(富士フィルム)に競り負けている。
先行きの投資を狙って、デジタル部門を立ち上げた。
音立てて、銀塩フィルムがデジタルに侵食されて行くんですよ。
ウィンドウズ3.0から3.1、ウィンドウズ95が認知され始める時期です。
決定的だったのが、携帯電話、写メが銀塩フィルムに止めを刺した。
よくあるビジネス小説では、悪役が、悪辣な上司が出てきます。
ここではそんな人物はいない。
悪役なのは時代の流れです。
最後は主人公、ソアラを退職することになる。

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2018年2月16日 (金)

いちのすけのまくら

「いちのすけのまくら」春風亭一之輔 朝日新聞出版
週刊朝日の連載です。
「ああ、それ私よく知ってます」のタイトルで連載してます。
落語家とは口が達者が当然ですが、この一之輔、筆も達者です。
落語のまくらで、くすっとしたり、じわっと来るもんですが、読んでいても、やはり、くすっと来る、じわっと来る。
実は、わたし、生の春風亭一之輔を知らない。
テレビラジオで見聞きしたことがない。
本の表紙で、丸刈りの落語家が高座で頭を下げている。へぇ、こういう人なの。
歌舞伎役者みたいじゃないの、こんな二枚目が落語をやるの。
なんか、びっくりするなぁ。

あ、そうそう、わたし、週刊朝日読んでいません。
従って、連載中のこのシリーズ、知りませんでした。
惜しかった、かな。

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2018年2月14日 (水)

駐在日記

「駐在日記」小路幸也 中央公論新社
昭和50年と指定したお話しです。43年前。携帯電話はない時代、看護師を看護婦と呼んでいる時代のお話しです。
逆恨みを受けて、妻が襲われて傷を受け、外科医としてはメスを持てなくなった。
夫は、妻のリハビリのために、刑事から駐在所勤務を希望して、雉子宮駐在所に赴任した。
事件にはならない事件、大岡政談のようなお話しです。
ヤクザから逃げて来た事件、寺の仏像が盗まれた事件、やたら蛇が増える事件、見たことない人間が病死している事件。
背景はありますよ。全部を明らかにする必要はない。
駐在日記には書き留めないこともあるのです。
本署には報告はしていないが、これは妻が私的にメモしたものです。

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2018年2月13日 (火)

殿様の通信簿

「殿様の通信簿」磯田道史 朝日新聞社
元ネタは土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)幕府隠密の秘密レポートです。
この本は世の中に一冊しか存在しません。東大の図書館に収録してある。
大部分は雑誌「小説トリッパー」に連載したものを収録したものです。
小説ではないね、史談というか、エッセイというか、読み物です。物語り仕立てなのです。
隠密の報告だから遠慮がない。
殿様を、馬鹿だ、間抜けだ、女狂いだとぼろかすです。
9篇のうち、4篇が前田家です。
やはり、隠密の標的は大大名が対象なんですね。
隠密に色ボケとぼろかすに言われたのが、岡山藩の池田綱政、女といえば手当たり次第で、子供が70人。

徳川光圀ーひそかに悪所に通い、酒宴遊興甚だし
浅野内匠頭と大石内蔵助ー長矩、女色を好むこと切なり
池田綱政ー曹源公の子、七十人おわせし
前田利家ー信長、利家をお犬と申候
前田利常1-家康曰く、其方、何としても殺さん
前田利常2-百万石に毒を飼うべきや
前田利常3-小便こらえ難く候
内藤家永ー猛火のうちに飛入りて焚死す
本多作左衛門ー作左衛門砕き候と申されよ
あとがき

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2018年2月 8日 (木)

暗闇のアリア

「暗闇のアリア」真保祐一 角川書店
経済産業省のキャリア官僚が自殺した。
妻は自殺などありえないと警察に訴えた。
警察はくすぶっている元刑事に扱いをゆだねた。今は署内の事務職。
元刑事は事情を探った。
妻も関係者に聞き歩いた。
行き当たる先々で、関係者が自殺している。
本の半分も行ったところで、犯人側からの叙述に変わる。
自殺したそれぞれの関係がわかってくる。
自殺を装った殺人なのだ。
警察の追求と、処刑者側の暗殺と、どちらが早いか。
読みながら、警察側に肩入れしたり、犯人側に肩入れしたり、応援する視点が変わってくる。
この結末はハッピーエンドなのだろうか、バッドエンドなのだろうか。

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2018年2月 4日 (日)

緑の窓口

「緑の窓口」下村敦史 講談社
区役所の異動で緑の窓口に配属になった。
区民からの苦情に対応する係なのだが、手に余るので、樹木医の手を借りることにする。
窓口の係員二人、未婚の好青年、樹木医は若い美女、舞台はそろっています。
雑誌連載の短編で、市民の苦情があって、1篇1篇、解決に奔走するお話しです。
どれもこれも、ほっこりするお話しです。
下村敦史、初読みです。
ホラー、ミステリーの畑の人で、「緑の窓口」は突然変異の系列のようです。
続いて読んでみたいですが、ひょっとして、本流はバイオレンス系じゃないでしょうね。
最初に出会った下村敦史が柔らかすぎたのかもしれません。

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2018年2月 2日 (金)

1月に読んだ本

1月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1842
ナイス数:47

徳川がつくった先進国日本 (文春文庫)徳川がつくった先進国日本 (文春文庫)感想
2011年10月にNHKEテレで4週に渡って放送した内2011年10月にNHKEテレで4週に渡って放送した内容のレジュメです。テレビ番組の構成とは思えないほど、内容豊富です。第1章「鎖国が守った繁栄」1806年(文化3年)露寇事件起きる。第2章飢饉が生んだ大改革 1783年(天明3年)浅間山噴火・天明の飢饉。第3章宝永地震、成熟社会への転換 1707年(宝永4年)宝永の地震・津波。第4章島原の乱「戦国」の終焉 1637年(寛永14年)島原の乱起こる(~38年)。
読了日:01月31日 著者:磯田 道史

 

風神雷神 雷の章風神雷神 雷の章感想
本阿弥光悦の門を離れ、義父に俵屋の相続を願い出た。快く受け入れられられ、これからは宗達の名を襲名するよう勧められた。烏丸光広がやってきた。公家殿上人で権中納言従三位、これからは烏丸光広のプロデュースで動くことになる。ここで花開くのは、養源院の板戸絵、白象の図、醍醐寺の舞楽図屏風。誰の注文かも不明の、風神雷神図屏風。司馬遼太郎によくある、作者のモノローグを挿入すること。これが、風の章、雷の章、どちらにも挿入されてきます。邪魔じゃない。それどころか、安土桃山時代と現代とを行ったり来たりする手助けになります。
読了日:01月30日 著者:柳 広司

 

風神雷神 風の章風神雷神 風の章感想
主人公は俵屋伊年(いねん)後に宗達、家業は扇屋で、扇、短冊、などを商う。豪商角倉の嫡男で与一、紙屋の次男で宗二、子供の頃からの顔なじみだ。伊年は厳島の平家納経を補修して名を上げる。与一が嵯峨野に印刷所を開いた。豪華な料紙に(宗二)下絵を描いて(俵屋)本阿弥光悦の文字を木版活字で印刷する。嵯峨野本として名を挙げた。以来、本阿弥光悦プロデュースの世界に参加した。家康ににらまれ、今日から鷹峰の田舎に本阿弥光悦は身を隠す。紙屋宗二も同行する。伊年はん、あんたも一緒に来てくれるやろな。折角ですがお断りもうしあげます
読了日:01月29日 著者:柳 広司

 

国士国士感想
国士、国土じゃないよ。プラチナタウン、和僑に続くシリーズ3作目。前2作とは違う舞台、カレーのチェーン店です。創業者は歳を取り、海外に展開したいと思うが、ちからが足りない。身を引いて、後任にコンビニ業界を席巻したプロ経営者に託する。ここからがむちゃくちゃ読みづらい。やりかたがえげつないのですよ。フランチャイズ店の近隣に直営店を開店して、需要を深掘りすると強行する。楡周平にバッドエンドの小説はない。必ずハッピーエンドに持って行くはずだ。8割がた読み進めたところで、やっと救いがある。ハッピーエンドです。
読了日:01月25日 著者:楡 周平

 

警視庁 生きものがかり警視庁 生きものがかり感想
著者は警視庁生活安全部生活環境課所属です。テレビドラマに[警視庁いきもの係]がありますが、どうやら無関係みたいです。テレビドラマのほうが先発で、本のほうが後発のようです。若いころ、上司に十八番を作れ、と言われて、これが専門分野になりました。ワシントン条約が締結され、動物植物の密輸・密売買が取り締まることになりました。最初の頃は、生活安全部でも主力は覚せい剤・麻薬で、生きものは重視されませんでした。環境省、動物園などとの共同作業で、ペット業者、マニアの取り締まりがはかどるようになりました。密輸、密売買が窮屈
読了日:01月09日 著者:福原 秀一郎

 

信長私記信長私記感想
古書に「信長公記(しんちょうこうき)」がる。そこで「信長私記(しんちょうしき)」の題名なのかな。信長の少年後期から弟を殺して覇を建てる時期までのことだ。母から疎まれていること、愛されていないことが底流にある。うつけを装ったのも敵味方を見分けるため、斉藤道三と面会して以来、うつけを装うことは放棄する。山落(やまおとし)で藤吉郎と顔を合わせる。「太閤私記」がその後執筆されるが、キャラクターはそのまま引き継いでいる。信長はマザコンだった、のだろうなぁ。背中以外の紙の断面が赤く染色されている。装丁が異様なので内容
読了日:01月05日 著者:花村 萬月

 

絶望の歌を唄え絶望の歌を唄え感想
題名が[絶望の歌を唄え]よっぽど辛いお話しかとビクビクだったが、テンポ歯切れの良いお話しでした。安宅は警視庁の外事に所属している。東南アジア某国で、選挙がある。その監視維持活動で派遣された。この国でもイスラム過激派の活動がある。爆発のテロがあって、遭難した。帰国後、警視庁を退職した。その後、神田神保町で喫茶店を経営している。家の裏手で自動車が突っ込んで、爆発があった。町内で政治のフィクサーが殺された。街を守らなきゃならない、と自警団にも入り、裏を探り始めた。イスラム過激派の仕業か。さらに二度目の爆発炎上も
読了日:01月02日 著者:堂場瞬一

 

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2018年1月31日 (水)

徳川がつくった先進国日本

「徳川がつくった先進国日本」磯田道史 文春文庫
2011年10月にNHKEテレで4週に渡って放送した内容のレジュメです。
テレビ番組の構成とは思えないほど、内容が充実しています。

第1章「鎖国が守った繁栄」1806年(文化3年)露寇事件起きる
第2章飢饉が生んだ大改革 1783年(天明3年)浅間山噴火・天明の飢饉
第3章宝永地震、成熟社会への転換 1707年(宝永4年)宝永の地震・津波
第4章島原の乱「戦国」の終焉 1637年(寛永14年)島原の乱起こる(~38年)
時代としては、第4章、第3章、第2章、第1章の順序になります。

第1章ペリー来航より前なので練習になった。国民保護が疎かだったことを反省した。
第2章愛民の施策が優先されるようになった。
第3章人口減少時代。それであるのに、農業収入増加時代。
第4章戦国の気風が一掃された。

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2018年1月30日 (火)

風神雷神 雷の章

「風神雷神 雷の章」柳広司 講談社
本阿弥光悦の門を離れ、義父に俵屋の相続を願い出た。
快く受け入れられられ、これからは宗達の名を襲名するよう勧められた。
烏丸光広がやってきた。公家殿上人で権中納言従三位、これからは烏丸光広のプロデュースで動くことになる。
ここで花開くのは、養源院の板戸絵、白象の図、醍醐寺の舞楽図屏風。
誰の注文かも不明の、風神雷神図屏風。
司馬遼太郎によくある、作者のモノローグを挿入すること。
これが、風の章、雷の章、どちらにも挿入されてきます。
邪魔じゃない。それどころか、安土桃山時代と現代とを行ったり来たりする手助けになります。

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2018年1月29日 (月)

風神雷神 風の章

「風神雷神 風の章」柳広司 講談社
主人公は俵屋伊年(いねん)後に宗達、家業は扇屋で、扇、短冊、などを商う。
豪商角倉の嫡男で与一、紙屋の次男で宗二、子供の頃からの顔なじみだ。
伊年は厳島の平家納経を補修して名を上げる。
与一が嵯峨野に印刷所を開いた。
豪華な料紙に(宗二)下絵を描いて(俵屋)本阿弥光悦の文字を木版活字で印刷する。
嵯峨野本として名を上げた。
以来、本阿弥光悦プロデュースの世界に参加した。
家康ににらまれ、今日から鷹峰の田舎に本阿弥光悦は身を隠す。
紙屋宗二も同行する。
伊年はん、あんたも一緒に来てくれるやろな。
折角ですが、お断りもうしあげます。
ここまでが風の章。

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