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2019年4月14日 (日)

コヨーテの翼

「コヨーテの翼」五十嵐貴久 双葉社
東京オリンピックの開会式で阿南首相を衆人環視の中で狙撃する。
ゾアンベ教国がゾアンベ教の発揚を図って計画します。
コヨーテがその狙撃手に選ばれます。
警察庁は警備を強化し、偶然の交通事故からその計画を察知します。
警察対コヨーテの対決です。
途中省略、省略した途中が面白いのです。
ちょっとダレ場があるが、そこは我慢してね。
はみだし刑事がいます。一糸乱れぬ統制がある一方、視点の違う見方の者がいるほうがよろしい。
それが成功します。
結果、計画は失敗します。包囲されます。
で、コヨーテの正体は?
え、そんなのありぃ?
伏線が全部覆るじゃないか。
もう一回最初から読み直さなきゃ。

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2019年4月 9日 (火)

麒麟児

「麒麟児」冲方丁 角川書店
主人公は勝海舟、勝安房と安房守の官職名で呼ばれている頃のお話しです。
サブは、山岡鉄太郎、大久保一翁、西郷隆盛、こういう面々でお話しが進みます。
大久保一翁、てっきり老人と思い込んでいました。
ウィキで調べると、勝と五歳年上のほぼ同年齢です。
時代は、官軍が江戸に進撃して来る頃のことです。
徳川宗家、徳川慶喜を官軍から御赦免を得ることが使命です。
江戸無血開城、西郷と勝の会談は江戸城であったものと思い込んでいました。
何度も会談している。
東海道の宿場の一室だったり、薩摩の藩邸だったり、江戸城で対面する場面はなかった。
江戸城の接収は無事に終わった。
徳川慶喜に経過を報告したが、出過ぎ者と叱られた。
勝と慶喜には通じるものがなかった。
罵って去っています。
それでも徳川宗家からは依頼が来るし、新政府からも依頼がやってきます。

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2019年4月 3日 (水)

駅物語

「駅物語」朱野帰子 講談社
朱野帰子と書いて、あけのかえるこ、と読みます。彼女、覚えといてね。絶対、お薦め。
朱野帰子は大概お仕事小説です。これもお仕事小説。
職場は東京駅、新人でここに配属されます。
職場はプラットホーム、あるいは、料金窓口。
よく調べているねぇ。作家自身がここで働いていたことがあるかのようだよ。
リサーチにリサーチを重ねて書くべき焦点を見つけたんだろうがね。
鉄オタもいます。本来、鉄オタは職員に採用されないはずなんだけどね。
ヒロインにはそんなに上昇志向はない。でも、駅員でいたい、駅員を貫く。
その意思は強くアピールしています。
乗客が線路に転落して、救出するため、線路に飛び込んだ。
死にそうになって、燃え尽き症候群、同期同僚の助けでなんとか平常運転に戻った。
これが主題じゃありません。
もっと些細なことがら、できごとが大問題なんです。
些細というか、見方によっては巨大というか、がぶり、真正面に取り組みます。
お仕事から逸れたところに一生懸命になる、そういうお仕事小説なんです。

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2019年4月 2日 (火)

3月に読んだ本

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読んだ本の数:7
読んだページ数:2524
ナイス数:83

青光の街(ブルーライト・タウン) (ハヤカワ・ミステリワールド)青光の街(ブルーライト・タウン) (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
お話しが複線で語られます。一本は、連続殺人事件、殺人現場にクリスマス電飾が落ちています。連続殺人です。警察はブルーライト殺人事件と呼んでいます。もう一本は、ブルーライト探偵社、代表の携帯に「たすけて」とメールが来た。女子大当時の友達なのだ。さらに別の筋のお話しが語られる。これ、誰のお話し?どういう関係があるんだろう。読んでいて、とても疲れます。とにかく犯人は逮捕されました。犯行の動機が納得いくものじゃない。起訴する前に精神鑑定があるだろうなぁ。これでは公判が維持できるものやら。読後感、不完全燃焼、消化不良
読了日:03月30日 著者:柴田 よしき


W県警の悲劇 (文芸書)W県警の悲劇 (文芸書)感想
W県警についての連作短編です。6篇ありますが、主人公はそれぞれ別々です。警察では女性がないがしろにされている。わたしが天井を破る。ただいまは警視、警視正を目指しています。各篇それぞれ、伏線を張ってあって、あっと驚く解決です。中には、主人公は警察犬だったというどんでん返しもあります。連作と言う意味は、各篇それぞれに伏線が埋設されているのです。最後の篇で、あっという解決、あらま、そういうことだったの。W県警とは、和歌山県警のことではありません。P県警とか、Q県警、X県警にしておけばよかったのに。
読了日:03月24日 著者:葉真中 顕


天命天命感想
毛利元就の一代記です。厳島での陶晴賢との決戦、尼子を滅ぼす月山富田城での殲滅、ここがハイライトです。でも、わたしの一番面白いと思うところは、まだ国人領主にすぎなかった頃のこと。幼い当主の後見人として武田家と戦って、初戦で名を挙げたところ。尼子が軍勢を率いて郡山城を襲い、国人領主の同盟の旗頭として尼子を撃退したところ。そのあたりが、読んで血が騒ぐなぁ。そこを過ぎればトントン拍子なんですよ。巻末で、亡くなる直前に夢を見ている。幼いころ、知行の猿掛城を国人領主に奪われ追い出されてしまった。夜露をしのぐ屋根もなく
読了日:03月19日 著者:岩井三四二


会社を綴る人会社を綴る人感想
何一つ期待することなく本を手に取りました。おや意外に面白い。引きまれてしまいました。紙屋(仮名)は物の弾みで面接に受かってしまった。製粉会社に入社した。配属は総務だが、物の役には立たない。自分の取り柄は文章を書くこと。予防接種の案内、営業文書のプロポーザル、心を砕いて推進した。隣席にブロガーがいる。彼女はブログを書いている。自分は身元を秘して、紙屋(仮名)のことをネタにして貶めている。貶めることでブログのカウントを稼いでいる。一挙に波乱万丈になるのですよ。製粉会社が資本提携する。身売りする。この先は読んで
読了日:03月14日 著者:朱野 帰子


室町無頼室町無頼感想
主人公は才蔵、赤松家浪人の子で、まだ少年、天秤棒を使う。お話しの狂言回しは二人。片や、骨皮道賢、浮浪人の首魁で伏見稲荷の峯に巣くっている。もう片方、蓮田兵衛、浮浪のなかで名高い。才蔵は見込まれて、道賢から兵衛に渡されて、琵琶湖畔で棒術の稽古に励む。一年後、吹き流し才蔵と異名を取る武芸者に成長した。兵衛は一揆を組織し、幕府に歯向かう。道賢は幕府の雇いとして取り締まりにあたる。幕府だの大名だの比叡山の高僧だの、権威側の登場人物はいない。登場人物は全部化外の者。秩序から外れた化外の者が秩序を揺るがす時代の始まり
読了日:03月13日 著者:垣根 涼介


南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる感想
南極越冬隊の調理隊員を志して、毎年応募して、3回目でやっと最終面接を通った。調理隊員は2名、交代で隊の食事を調理する。仕事は調理だけじゃない、いろんな応援もある。女でも力仕事もある。始めて知ったこと、排水、ゴミも出してはいけない。浄化槽がある。南極の環境を汚してはいけない。調理ゴミや洗い物の汚れは出さないように段取りを考えなきゃならない。死にそうな危険には遭遇しなかったが、隊員の中には切迫した危険と向き合った人もいる。一年間食糧補給がないのです。最初は甘かったキャベツが一年経つと苦くなる。へぇぇそうなのか
読了日:03月04日 著者:渡貫 淳子


ねこ町駅前商店街日々便りねこ町駅前商店街日々便り感想
楡周平の「プラチナ・タウン」星野伸一「限界集落株式会社」と同じく、町づくり村づくりのお話しです。いなか町の終着駅、根古万知(ねこまんち)駅、しゃべる時には、ねこまち駅という。猫が突然現れて、一日猫駅長にしてみる。たいそう人が集まった。寂れた商店街をなんとか再生できないか。再生できるのです。再生するまでのストーリーです。ラーメン屋の娘がキッカケを作った。祭りを作ろう。文化祭を作ろう。限界集落、限界商店街、これを活性化するお話し、必ず成功するのです。ハッピーエンドが約束されているから、読み続けられるのです。
読了日:03月03日 著者:柴田よしき

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2019年3月30日 (土)

青光の街(ブルーライト・タウン)

「青光の街(ブルーライト・タウン)」柴田よしき 早川書房
お話しが複線で語られます。
一本は、連続殺人事件、殺人現場にクリスマス電飾が落ちています。
連続殺人です。
警察はブルーライト殺人事件と呼んでいます。
もう一本は、ブルーライト探偵社、代表の携帯に「たすけて」とメールが来た。
女子大当時の友達なのだ。
さらに別の筋のお話しが語られる。
これ、誰のお話し?どういう関係があるんだろう。
読んでいて、とても疲れます。
とにかく犯人は逮捕されました。
犯行の動機が納得いくものじゃない。
起訴する前に精神鑑定があるだろうなぁ。
これでは公判が維持できるものやら。
読後感、不完全燃焼。消化不良。胸焼け。
柴田よしきの作風はこんなじゃなかったはずなのに。

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2019年3月24日 (日)

W県警の悲劇

「W県警の悲劇」葉真中顕 徳間書店
W県警についての連作短編です。
6篇ありますが、主人公はそれぞれ別々です。
警察では女性がないがしろにされている。わたしが天井を破る。
ただいまは警視、警視正を目指しています。
各篇それぞれ、伏線を張ってあって、あっと驚く解決です。
中には、主人公は警察犬だったというどんでん返しもあります。
連作と言う意味は、各篇それぞれに伏線が埋設されているのです。
最後の篇で、あっという解決、あらま、そういうことだったの。
W県警とは、和歌山県警のことではありません。
P県警とか、Q県警、X県警にしておけばよかったのに。
作者の葉真中顕、はまなかあきと読みます。
女性なのかい、道理で女性警官ばかり登場すると納得です。

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2019年3月19日 (火)

天命

「天命」岩井三四二 光文社
毛利元就の一代記です。
厳島での陶晴賢との決戦、尼子を滅ぼす月山富田城での殲滅、ここがハイライトです。
でも、わたしの一番面白いと思うところは、まだ国人領主にすぎなかった頃のこと。
幼い当主の後見人として武田家と戦って、初戦で名を挙げたところ。
甲斐の武田家じゃありませんよ。安芸の守護の武田家です。
さらに、尼子が軍勢を率いて郡山城を襲い、国人領主の同盟の旗頭として尼子を撃退したところ。
そのあたりが、読んで血が騒ぐなぁ。
そこを過ぎればトントン拍子なんですよ。
巻末で、亡くなる直前に夢を見ている。
幼いころ、知行の猿掛城を国人領主に奪われ、追い出されてしまった。
夜露をしのぐ屋根もなく、途方に暮れていたことがある。
なんとか助けがあったが、そのことを夢に思い出す。
わたし、山歩きや自転車で各地を巡っているが、城跡や街道・宿場には見覚えがある、馴染みがある。
準地元として、とてもよくわかるお話しです。

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2019年3月14日 (木)

会社を綴る人

「会社を綴る人」朱野帰子 双葉社
何一つ期待することなく本を手に取りました。
おや、意外に面白い。引きまれてしまいました。
紙屋(仮名)は物の弾みで面接に受かってしまった。製粉会社に入社した。
配属は総務だが、物の役には立たない。
自分の取り柄は文章を書くこと。
予防接種の案内、営業文書のプロポーザル、心を砕いて推進した。
隣席にブロガーがいる。彼女はブログを書いている。
自分は身元を秘して、紙屋(仮名)のことをネタにして貶めている。
貶めることでブログのカウントを稼いでいる。
一挙に波乱万丈になるのですよ。
製粉会社が資本提携する。身売りする。
重役会議の議事録を命じられ、議事録の正編と改ざん版を二種類作るように命じられる。
紙屋(仮名)は全社員のメールアドレスに二つの議事録を送信した。
この先は粗筋の紹介はやめておきます。
紙屋(仮名)は本名で身を晒しています。ブログでは紙屋(仮名)とあるから、それに沿ってお話しを展開してきました。
生身の人間は強いねぇ。これは小説だからできることでしょうね。
会社で、その立場に立ったとしたら、とてもできることではないよ。

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2019年3月13日 (水)

室町無頼

「室町無頼」垣根涼介 新潮社
主人公は才蔵、赤松家浪人の子で、まだ少年、天秤棒を使う。
お話しの狂言回しは二人。
片や、骨皮道賢、浮浪人の首魁で伏見稲荷の峯に巣くっている。
もう片方、蓮田兵衛、浮浪のなかで名高い。
才蔵は見込まれて、道賢から兵衛に渡されて、琵琶湖畔で棒術の稽古に励む。
一年後、吹き流し才蔵と異名を取る武芸者に成長した。
兵衛は一揆を組織し、幕府に歯向かう。
道賢は幕府の雇いとして取り締まりにあたる。
幕府だの大名だの比叡山の高僧だの、権威側の登場人物はいない。
登場人物は全部化外の者。
秩序から外れた化外の者が秩序を揺るがす時代の始まりなのだ。

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2019年3月 4日 (月)

南極ではたらく

「南極ではたらく」渡貫淳子 平凡社
サブタイトルに、「かあちゃん、調理隊員になる」
南極越冬隊の調理隊員を志して、毎年応募して、3回目でやっと最終面接を通った。
調理隊員は2名、交代で隊の食事を調理する。
仕事は調理だけじゃない、いろんな応援もある。女でも力仕事もある。
始めて知ったこと、排水、ゴミも出してはいけない。
浄化槽がある。南極の環境を汚してはいけない。
調理ゴミや洗い物の汚れは出さないように段取りを考えなきゃならない。
死にそうな危険には遭遇しなかったが、隊員の中には切迫した危険と向き合った人もいる。
発電棟が故障したのが危機だった。
そもそも一年間食糧補給がないのです。
計画的に備蓄食料を消化していかねばならない。
最初は甘かったキャベツが一年経つと苦くなる。へぇぇ、そうなのか。

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