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2020年1月25日 (土)

テレビ探偵

「テレビ探偵」小路幸也 角川書店
中編が5篇、初篇で事件が起きます。
テレビ生放送中に、天井から滑り降りてくるロープが切れてしまう。
ロープにナイフで傷を入れてあった。
付き人のチャコは探偵を頼まれます。
次からは犯罪に絡むものは出てこない。
バンドの名前が、ザ・トレインズ、リーダーがカンスケさんで、次の重鎮が銀さん、ナベちゃん、たいそうさん、ピーさん。
なんだなんだ、ドリフターズじゃないか。
巻末に全て作者の創作でフィクションです、とある。
なんぼそう断っても、そう読んでしまうよねぇ。
双子の歌手の片方が売れっ子歌手と結婚したいという。
そこに尾ひれが付けてある。このへんはフィクションなのやらリアルなのやら。
女性トリオの一人が新興宗教の教主の娘だ。これは創作だろうなぁ。
銀さんが脱退していって、チャコが新加入する。
これはリアルだぞ。
そのへんの事情背景はフィクションなんだろうなぁ。
どうしても、今読んでいるページと芸能ゴシップとを結びつけながら、読んでいく。
けったいな読書の経験をしました。

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2020年1月22日 (水)

香港の甘い豆腐

香港の甘い豆腐
「香港の甘い豆腐」大島真寿美 理論社
モノの弾みで香港に行くことになった。
どうせ父親も知らないわたしですから。
母は黙りこくった。
香港に行くよ。そこにはあんたの父親がいる。
香港の友達のところに置いて、日本へ帰ってしまった。
夏休み中、香港に馴染んでいると、広東語を覚えるようになった。
何度か会っているいるうちに、この人が父親だと心に納まるようになった。
夏休みが終わるころ、日本に帰った。
日々の過ごし方がちょっと変わった。
不登校になりかけていたが、無事に卒業できた。
香港の甘い豆腐とは、豆腐花のこと、小説の題名に意味はありません。
ただ、印象的なオブジェクトを取り上げただけ。
香港の山に飛び飛びで6年通って登ったことがあります。12座登った。
主に九龍の安いホテルに泊まっていたから、香港描写はそうだそうだと納得できる。
そんな風景だよなぁ。

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2020年1月16日 (木)

焦土の刑事

「焦土の刑事」堂場瞬一 講談社
昭和20年、空襲で東京は焦土と化していた。
その中で、2件の連続殺人が発生する。
京橋署の高峰刑事は殺人事件の捜査に取り掛かっていた。
上からの命令で差し止めとなった。
終戦で、警察は変わった。特高が廃止された。
本庁の捜査一課に転勤となった。
また殺人事件があった。今度は差し止め命令はない。
さらに殺人事件が起きた。
どうも演劇の昭和座の関係者に何かがありそうだ。
元特高の検閲をやっていた海老沢を引き込む。小学校の同級生なのだ。
わたし、戦中戦後の事情には疎いけど、そうかもしれない、そうなのだろうな、と納得です。
ここでの昭和座とは、劇団新派や新国劇をイメージしての架空のものでしょうかね。

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2020年1月 7日 (火)

競歩王

「競歩王」額賀澪 光文社
競歩はマイナーなスポーツです。
語り手の榛名忍は高校生作家として文壇にデビューした。
その後、ヒットには恵まれていない。
むしろ、書くことが苦痛になってきている。
同じ大学の八千代篤彦に出会った。
競歩の選手なのだ。
箱根駅伝を目指して、芽が出ず、競歩に転向したのだ。
この小説は、ハウツー競歩の本でもあります。
読んでいくと、競歩の競技が判ってくる。
彼は東京オリンピックに出る意気込みで競歩を続けている。
現実は、とてもとても、平凡な競歩ランナーなのだ。
出版社に競歩の小説を書くと宣言して、八千代のサポートに専念する。
榛名は競歩のヒット作を書き、八千代は競歩のオリンピック選手になれるか。

あらら、小説では、東京オリンピックの競歩の試合会場は東京になっている。
出版日は去年の9月30日、札幌に会場が変わったのが10月、こんな展開があるとは!

ところで、ノートPCにキーボードで書く小説は、縦書きなのか、横書きなのか。

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2020年1月 4日 (土)

雲の果

「雲の果」あさのあつこ 光文社
弥勒シリーズ、第8作目、たぶん、これが最終巻。
なぜならば、雑誌連載がもうないから。
遠野屋清之介、同心小暮信次郎、岡っ引き伊佐治のトリオでのお話しです。
7作目、8作目で、同心小暮信次郎が芯になってお話を運んでいる。
ずっと遠野屋清之介が中心で回していたが、ここへきて、主役が逆転した。
林の中の仕舞屋が焼けた。中に焼け死んでいる女がいる。
同心小暮信次郎は不審に思った。
犯人探しがお話しの運びです。
捜索の段取りはよく出来ている。
とんとんとお話が運ぶわけはありません。
遠野屋清之介、同心小暮信次郎、岡っ引き伊佐治が顔つき合わせるからお話が運ぶ。
魅力はそのへんにあるのですねぇ。

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2020年1月 3日 (金)

冬天の昴

「冬天の昴」あさのあつこ 光文社
弥勒シリーズの内です。
いつもなら遠野屋清之介が主人公で回して行くのが通常ですが
この巻では同心小暮信次郎が主人公。
出会茶屋で酌婦と奉行所の同心との心中が発見された。
ただの心中と処理されるところだったが、同心小暮信次郎は疑った。
裏を暴き、核心に迫るのがこの小説のキーです。
もちろん、本筋にまつわるサブストーリーがあって
遠野屋清之介の見せ場もあります。
お話しの運びもよく出来ているが、単に筋を追うだけではつまらない。遠野屋清之介、同心小暮信次郎、岡っ引き伊佐治のやり取りがあって、くつろげるのです。

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2020年1月 2日 (木)

12月に読んだ本

12月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:3347
ナイス数:66

木練柿 (光文社時代小説文庫)木練柿 (光文社時代小説文庫)感想
こねりがきと読む。4篇の中編集。弥勒シリーズで、それぞれ脇役がスピンオフしたものです。〇楓容(ふうよう)の客:遠野屋の女中頭おみつ、盗賊の仕掛けに掛からず、盗賊を退ける。〇海石榴(つばき)の道:同業者の帯屋の三郷屋の主人が人殺しの容疑で獄門になるかも。〇宵に咲く花:岡っ引き伊佐治の息子太助の嫁おけい、おけいは夕顔が嫌い、これが事件の引き出し。〇木練柿:これはスピンオフじゃないように見えて、スピンオフ。遠野屋の赤んぼが攫われる。タイトルが内容の雰囲気を表しているが、木練柿は印象描写、意味が伝わりにくい。
読了日:12月30日 著者:あさの あつこ


夜叉桜 (光文社時代小説文庫)夜叉桜 (光文社時代小説文庫)感想
弥勒シリーズの2作目です。隠売婦が連続して殺される。一方、別件、遠野屋清之介が攫われる。清之介は元は武士だが、父が暗殺団を組織していて、今は清之介の兄が暗殺団の元締めにいるのだ。家老を斬れ。断ります。別件の方はこの先、シリーズを通して絡むようだ。隠売殺し、意外な方向で下手人が上がる。あさのあつこは独特な漢字を使い、文脈を操る。その一部を抜き書きすると、春を鬻(ひさ)ぐ、窘(たしな)める、手刀を項根(うなね)に叩き込む、滅鬼積鬼(めっきしゃっき)は凄まじかった、大蚊(ががんぼ)が一匹、生々しく露(あらわ)で
読了日:12月27日 著者:あさの あつこ


弥勒の月 (光文社時代小説文庫)弥勒の月 (光文社時代小説文庫)感想
弥勒シリーズの初篇です。遠野屋清之介の妻が川に身投げして死んだ。この件を取り扱うのは北町常廻り同心小暮信次郎、岡っ引き(親分)伊佐治。江戸で次々に人が死ぬ。同心小暮は遠野屋に何かがあると探りを入れる。小間物問屋遠野屋の主だが、武士だった昔があるのだ。その当時は父に命じられて暗殺に精を出していた。父を殺して脱藩した、という過去がある。武士だった頃のことはともかく、江戸で次々と人が死ぬのは遠野屋とは関係ない。人を殺したくなる誰かがいるのだうっかり読み飛ばしたが、弥勒にどのような寓意が込められていたのかしら。
読了日:12月24日 著者:あさの あつこ


「韓国大破滅」入門 どこへ向かうのか? いつ何が起こるのか? どう対処すべきか?「韓国大破滅」入門 どこへ向かうのか? いつ何が起こるのか? どう対処すべきか?感想
この本の出版日は9月30日です。GSOMIA は破棄されるという前提で書かれています。ほぼ我々も知っている内容が書かれていますが、おこれは、の一項。ノージャパンで日本商品が売れなくなった。日本の韓国支店は閉鎖撤退するでしょう。韓国従業員として韓国人留学生は雇用されることがなくなりました。日本政府は韓国人の学生ビザを絞るでしょう。日本の銀行も、貸し剝がしに態度を変えるでしょう。日本から韓国には、ヒト、モノ、カネ、供給雇用が途絶えるでしょう。ノージャパンで気炎を上げているが、こういう潮流は読めているでしょうか
読了日:12月21日 著者:渡邉哲也


花を呑む (光文社時代小説文庫)花を呑む (光文社時代小説文庫)感想
主人公は、北町常廻り同心小暮信次郎、小間物問屋遠野屋の主人清之介、岡っ引き(親分)伊佐治。油問屋東海屋の主人が殺された。死体には牡丹の花が口いっぱいに詰め込まれていた。タイトルの「花を呑む」そのままの世界です。同心小暮の狷介な性格はそのままですが、遠野屋の過去が語られてきます。町人になる前は武士で、父に命じられて何人も暗殺したということ。弥勒シリーズはこれで2冊目ですが、同心小暮は遠野屋の過去を知っているのか。並外れた腕の冴えはよく分かっています。花の香り、においがキーになります。
読了日:12月18日 著者:あさの あつこ


地に巣くう (光文社時代小説文庫)地に巣くう (光文社時代小説文庫)感想
北町常廻り同心小暮信次郎、小間物問屋遠野屋の主人清之介、岡っ引き(親分)伊佐治。小暮は夜道を襲われて傷を負った。ここから紐を手繰り始め、父親、同心の小暮右衛門が抜け荷に加担していたことを探り出す。こう書いてしまえば単純だが、巻頭から巻末までを一挙に圧縮すると、こういうことなのだ。三人とも只者ではない。話す言葉、語る口跡が魅力的なのだ。あの、バッテリーのあさのあつこが時代小説に達者なのにびっくりする。弥勒シリーズの一つなのだ。読んで、毎回唸るのは、漢字の使い方が達者なこと。漢籍にも詳しいのじゃなかろうか。
読了日:12月16日 著者:あさの あつこ


中国でいま何が起きているのか 米中激突、香港デモ、経済ショック…激動の中国社会を現地レポート中国でいま何が起きているのか 米中激突、香港デモ、経済ショック…激動の中国社会を現地レポート感想
日中両方を往復している人だそうです。中国では上海に家があると語っている。中国国籍で中国政府を罵るのは度胸がいることでしょうね。必ず統計の出元を示して、それを根拠に主張するように書いている。それでも、中国のイミグレーションを通ると、どんな処分が待っているか危ういと思います。序章、1章、2章はつまらん。斜め読みで飛ばしてケッコウ。3章以下の各論に入ると面白くなる。羅列的な話題なので、次々とコラムが並べてあるような記述方法なのだ。自分の興味のあるところだけ読み拾って、他は読み捨て、こんな読み方になってしまう。
読了日:12月14日 著者:邱海涛


夏服を着た恋人たち マイ・ディア・ポリスマン夏服を着た恋人たち マイ・ディア・ポリスマン感想
「マイ・ディア・ポリスマン」「春は始まりのうた メイ・ディア・ポリスマン」の続編です。設定は前作と同じです。初篇は覚えていない。春篇は幽霊が出るというお話。特殊詐欺、外国人研修生からの搾取、それにはヤクザが絡んでいるらしい。市長もつるんでいるそうなので、取り扱いに注意しなくては。交番のお巡りさんを取り囲んで、チームが出来上がります。この調子では、秋篇、冬篇も続くみたいだね。WEBマガジンに連載の小説だそうです。ネット連載なら、一度に大量の文章は提供できないし、小刻みに連載するからそこはコツがあるんでしょう
読了日:12月09日 著者:小路幸也


春は始まりのうた マイ・ディア・ポリスマン春は始まりのうた マイ・ディア・ポリスマン感想
「マイ・ディア・ポリスマン」という前作がありまして、これはその続編です。関東某県某市に交番があります。東楽観寺前交番。そこの若いお巡りさんが主人公です。幽霊が出没しているらしい。そういう噂が交番に集まってきます。このお巡り、もとは刑事で、交番に左遷されたものらしい。そのへんの事情がお話の芯になります。お話はゆるい。常に切迫感なく語られます。節ごとに、姓名・職業がタイトルで、その人の視線・主観で語られます。常に、話し言葉、つぶやき言葉で、全体として、ゆるいお話が広がっていきます。そこがええのよ。
読了日:12月06日 著者:小路幸也


百舌落とし百舌落とし感想
百舌シリーズ第八弾です。百舌が生きたまま両目をテグスで縫い合わされ、木の枝に結わえ付けられてバタバタ暴れているのが見つかる。百舌落としという技法なのだそうな。かっての<百舌>は死んだのに、<百舌>と名乗る殺人犯がいる。警察の公安を退職した大杉は調査会社を開いている。上司の倉木は公安畑に在職している。新聞記者の残間も<百舌>を追う。いったい、<百舌>とは誰なのか。<百舌>は殺されます。誰かはここでは語れません。この中の二人が死にます。誰かは明かせないけどね。主要人物が死んでしまったから、もう<百舌>の続編は
読了日:12月04日 著者:逢坂 剛

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2020年1月 1日 (水)

東雲の途

「東雲の途」あさのあつこ 光文社
しののめのみち、と読みます。弥勒シリーズの内です。
遠野屋清之介の生まれ故郷の嵯波藩の武士が切られて死んだ。
同心小暮信次郎は死体の傷口から瑠璃のかけらをほじくり出した。
以来、遠野屋は嵯波藩から狙われるようになった。
事を根元から明らかにするには嵯波藩へ行かねばなるまい。
遠野屋清之介は瑠璃を探しに嵯波藩へ向かう。
ここから先は語れない。読んでくれなきゃ。
題名の東雲の途、いかにも東へ向かうようでしょ。
嵯波藩は西国にあります。内海に面している。
当然、架空の地です。
シリーズもこれだけ読んでくると、遠野屋清之介、同心小暮信次郎、岡っ引き伊佐治の味わいが深い。

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2019年12月30日 (月)

木練柿

「木練柿」あさのあつこ 光文社
こねりがきと読む。
4篇の中編集。
弥勒シリーズで、それぞれ脇役がスピンオフしたものです。
〇楓容(ふうよう)の客:遠野屋の女中頭おみつ、盗賊の仕掛けに掛からず、盗賊を退ける。
〇海石榴(つばき)の道:同業者の帯屋の三郷屋の主人が人殺しの容疑で獄門になるかも。
〇宵に咲く花:岡っ引き伊佐治の息子太助の嫁おけい、おけいは夕顔が嫌い、これが事件の引き出し。
〇木練柿:これはスピンオフじゃないように見えて、スピンオフ。遠野屋の赤んぼが攫われる。
タイトルが内容の雰囲気を表しているが、木練柿は印象描写、意味が伝わりにくい。
遠野屋清之介と同心小暮信次郎の、踏み込んだり引き下がったりの関係を楽しむのもよし。
岡っ引き伊佐治の心情に沿ってみるのもよし。

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2019年12月27日 (金)

夜叉桜

「夜叉桜」あさのあつこ 光文社
弥勒シリーズの2作目です。
隠売婦が連続して殺される。
一方、別件、遠野屋清之介が攫われる。
清之介は元は武士だが、父が暗殺団を組織していて、今は清之介の兄が暗殺団の元締めにいるのだ。
家老を斬れ。断ります。
別件の方はこの先、シリーズを通して絡むようだ。
隠売殺し、意外な方向で下手人が上がる。
あさのあつこは独特な漢字を使い、文脈を操る。その一部を抜き書きすると
春を鬻(ひさ)ぐ
窘(たしな)める
どれほど歪(いびつ)で
鮮々(あざあざ)しく生々しく
謀(たばから)ず貶(おとし)めず
手刀を項根(うなね)に叩き込む
戯言か渋口としか思えない
滅鬼積鬼(めっきしゃっき)は凄まじかった
大蚊(ががんぼ)が一匹
生々しく露(あらわ)で
などなど

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