11月に読んだ本
11月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3456
ナイス数:86
下町サイキックの感想
サイキックとは、テレパシーや透視力を意味する言葉。キヨカは中学生かな。下町の路地裏で母と暮らしている。キヨカには黒い霞が見えるのだ。人間に色が付いているのも見える。あぁ、この人はそういう人だと分かるのだ。初出は、https://note.com/ に掲載されたものを書籍化したもの。わたし、この本を初めて読むはずだ。2024年7月発行。ところどころ読んだ記憶があるんですよ。note.com から転載されて、どこかのネットで読んだのかしら。ずっと通して、じゃないのです。飛び飛びにここは読んだ、知っている。読み
読了日:11月29日 著者:吉本 ばなな
綱を引くの感想
東京蒲田の綱引きのチームです。チーム名はブルスターズ。大勢で引くお祭りの綱引きじゃない、8人対8人の競技綱引きなのだ。たまたまアイルランドからの留学生がチームに近寄ってきた。彼もアイルランドの強豪チームの一員なのだ。参加したいということで、チームのみんなに召集をかけた。コロナで休んでいるうちに弱くなっていた。ここから発奮が始まるのです。腰を痛めた真島は引退を決める。娘が離婚して帰って来たので、監督をお願いした。浜松の綱引きチームにいて、全国女子優勝チームのメンバーだったのだ。若いメンバーの募集を始める。。
読了日:11月28日 著者:堂場 瞬一
またうどの感想
[まいまいつぶろ][御庭番耳目抄]から派生したスピンオフ。全部幻冬舎刊。田沼意次は徳川家重の小姓についた。家重から次代の家治に転勤となった。その時、家重は田沼意次のことを「またうど」全き人、愚直なまでに正直な信(まこと)の人という意味。第十代徳川家治についてからは、御用人、老中格から老中へと進み、五万七千国の大名になった。幕政は、印旛沼干拓、蝦夷地開発、貸金会所、最後のはファンドを意味する。政敵は松平白河侯、賄賂政治と非難をし、息子意知は江戸城殿中で殺される。将軍逝去にあたり、老中を退く。結局最後は一万石
読了日:11月27日 著者:村木 嵐
五葉のまつりの感想
まつり五件ということ。序の16頁に五奉行の一覧表が出ている、ここに栞を挟んでおいて。北野大茶会、刀狩り、太閤検地、大瓜畑遊び、醍醐の花見、戦ではなくイベントだ。戦ではないが、節目節目を固めるイベントだ。奉行にとっては戦と同じ、必ず勝利を挙げねばならない。刀狩りは九州肥後での実験、全国的に刀狩を実施する前のテストケースだ。太閤検地は伊達政宗を相手にテストケース、ここで成功すれば全国で実施できる。豊臣の五奉行とはいえ、各自の人柄をよく知るわけでない。この作品では、五奉行それぞれが、出自から担当分野まで全部明ら
読了日:11月19日 著者:今村 翔吾
準平原の謎 盆地は海から生まれたの感想
表紙カバーの袖に、【隆起準平原信じられていた中国地方の吉備高原。吉備高原より一段低い、真っ平らな世羅台地。さらに低い、瀬戸内海の侵食小起伏地形。】以下省略 地図と図表が豊富な本です。北海道や東北など、自分が行ったこともない場所のページは飛ばしましょう。自分のよく知っている場所・地方のところだけつまみ食いしましょう。自分で実地に歩いた山域・自転車で走った地点ならとてもよく分かります。そういう読み方をしましょう。世界的な権威であるデービスが準平原と言う概念を打ち出しました。違うんじゃないかい。高橋雅紀はそう言
読了日:11月17日 著者:高橋 雅紀
ポップ・フィクションの感想
主人公は松川腫喜、実在の人物か架空の人物か。松川は市民公論に入社した。主幹は緑岡、モデルは滝田樗陰。論争で主幹緑岡を殴ったということで、松川は退社する。次に入社するのが文学四季、代表は菊谷、当然モデルは文芸春秋、菊池寛を指している。作家の起用について意見の相違あり、また退社する。今度は講談社に入社する。エースという雑誌を創刊するのだ。実名はキング。ここで150万冊という販売記録を立てた。三社、三誌とも時代が違う。大正から昭和恐慌まで時代に差がある。舞台回しに松川と言う人物を立ててはいるが、架空の人物でしょ
読了日:11月14日 著者:堂場 瞬一
共犯の畔の感想
群馬県にやんばダムがあります。ダム計画があったが、コンクリからひとへ、民主党政権は計画を中止しました。自公政権の下で再びダム計画は蘇り、完成しました。これを下敷きにこの小説は書かれました。畔はほとりと読みます。ダム建設反対派の群像を描いてあります。只今現在の事件は、13年前に原因あり、33年前に原因あり。33年前の事件、13年前の事件は白黒映画の印象です。重く暗い。現在の事件になると、カラー映像になります。なんぼカラーでも、遠因は前の事件を引きずっている。カタルシスが出来たような、そういう訳でないような。
読了日:11月10日 著者:真保 裕一
名探偵のままでいて (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
祖父は小学校の校長先生でした。今はレビー小体型認知症を患っています。安楽椅子探偵というジャンルがあります。困ったときには相談する。短編集ですがね、前半・中間は古いトリックの探偵小説なんですよ。エドガ・アラン・ポー、エラリー・クイーン、アガサ・クリスティ、ディクスン・カー 密室トリック、人間消失、人が増えてる、えらく古臭いスタイルだなぁ。末端の5章、終章でころっと活気が戻ってきます。同僚の教師、自分自身が狙われる、被害者になる。やっと血沸き肉躍る展開になってきました。もちろん、おじいちゃんが解決するのです。
読了日:11月06日 著者:小西マサテル
コンタミ 科学汚染 (講談社文庫 い 137-2)の感想
主人公は宇賀神、慶成大学の准教授、ホームズに対応するワトソン役に、大学院生の町村圭。宇賀神の同門同級に美冬がいる。何度も振られているのだ。VEDYという深海酵母の会社がある。ガンに効くと、非科学の極みなのに科学の装いで稼いでいるのだ。患者は科学にすがるのではない。何かに希望を託すのだ。そににつけこむのが詐欺師の手口なのだ。これは冷静なお話しです。語り口です。著者は理系の大学を出て大学の研究者を務めた経歴があります。論文発表の段取りなど、ほとんどの人が知らないことを教わると、先へ先へと読みたくなるもんです。
読了日:11月03日 著者:伊与原 新
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